大津市に支所は多いのか?!

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 はたして、大津市に支所は多いのだろうか?!
 
 先日行われた和邇文化センターでの市民意見交換会でも、「他都市と比較するのではなく、大津市がどうありたいのかをシッカリ考えるべき」という正当な意見がありました。また縦に細長い大津市の地形を無視して市長が他都市と比較して説明することに対して強い憤りの声が多く上がっていました。これもその通りです。

 証明書発行や行政手続き、行政相談などの支所機能に限っても、私としては数年後にいきなり10か所に減らすというのは、流石にやりすぎだと考えており、10年や20年のスパンで少しずつそのあり方を見直していくので十分ではないかと考えます。おそらく市長は「自分が市民センター改革をやった」という手柄が欲しいのだと思いますが、そうした虚栄心を市民の皆さんはよく見通しています。

 ところで市長や行政が説明する資料では、大津市が圧倒的に他都市と比べて支所が多いことが述べられています。次の資料です。






 なるほど。しかし、以前にも記事に書いたように、「支所数」が問題なのではなく、本当の問題は「支所運営コスト」です。支所数が多くても(支所あたり職員が少なくて)運営コストが低いところもあれば、支所は少なくても(支所あたり職員が多くて)運営コストが嵩んでいる自治体もあります。

 どうしても越直美が述べるように「支所数」が問題だというならば、どのような要素が影響を与えているかを考え、その要素においてはどの程度、他都市と大津市とでは差があるのかを考えてみたいと思います。

 まず「支所数」に影響を与えているのは、「(DID地区と呼ばれる)市街地への人口集中度」が挙げられます。1%有意水準で因果関係があると考えられます。
 次に「面積」(5%有意水準)や「人口密度」(10%有意水準)が挙げられます。
 (専門的になりますが標準化後の係数は、「市街地への人口集中度」と「面積」が特に大きく、この2要素が「支所数」に大きな影響を与えていると考えられます)





 これら「市街地への人口集中度」や、「面積」、「人口密度」は、大津市が資料で用いている他都市と比較してどの程度、差があるのでしょうか??



 「市街地への人口集中度」は、豊中市や枚方市、高槻市は極めて高い水準にあり、ほぼ全ての住民がまちの中心部周辺に住んでいると考えてもいいと思います。





 次に「面積」と「人口密度」ですが、
 「面積」は、大津市がもっとも大きく、奈良市や和歌山市、岐阜市の約2倍あります。(豊中市は大津市の8%、枚方市は14%しかありません)
 「人口密度」も、大津市がもっとも少なく、和歌山市(大津市比2.7倍)、和歌山市(同2.3倍)、奈良市(同1.75倍)などと比較しても大津市の人口密度の小ささが際立っています。

 いろいろと書いてきましたが、何が言いたいのかといえば、大津市の支所数の多さは、データに裏付けされているということです。人口集中度も低く、面積も広く、人口密度も小さければ、支所数が多くなるのは仕方ないのではないでしょうか。



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 また市の資料では、①証明書発行、②届出受付、③公金収納、④行政相談の4機能をフルスペックで持っている施設のみを独自に「支所」と定義していますが、他の自治体では公金収納をやっていないだけの「事務所」や「出張所」と呼ばれる施設が数多く存在しています
 しかし大津市の説明資料では、そうした「事務所」や「出張所」は支所としてカウントいていません。そこに行政職員がいてしっかりと支所機能を持っているのにもかかわらず。

 ちなみに他市の「事務所」や「出張所」等を加えたグラフが以下のものとなります。






(対象自治体HPを参照。藤井が調査)


 地形的に大津市は支所が多くならざるを得ない状況にあります。
 未来永劫、このままでいいとは思いませんが、高齢化が進む環境にあって、支所を一気に10か所まで減らすのは、越直美の横暴でしょう。また「支所」の定義を自分たちの都合のいいように解釈するのは、ご都合主義というよりも、それを喧伝している以上、プロパガンダです。騙されてはいけません!


藤井テツ







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