2018.6月議会 一般質問(4)雄琴温泉エリアの風情ある景観形成について

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 滋賀県おごと温泉は、1200年の昔比叡山の伝教大師、最澄によって開湯されました。
 地名の「雄琴」は、滋賀県の雄琴神社にも祀られている「大炊神 今雄宿禰命 (おおいのかみ いまおすくねのみこと)」の屋敷から、琴の音が聞こえたことが由来となり、姓の「雄」と「琴」をとって雄琴と呼ばれるようになったと言われています。
 滋賀県雄琴の南に法光寺という天台宗のお寺があります。その境内に念仏池(蛇ヶ池)という池があり、ここから地下水が絶え間なく湧き出していたそうです。村人たちがこの水を飲むと、難病はたちどころに癒え、池の泥を塗ると皮膚病や汗疹も治るという言い伝えがあり、霊泉として大切にされてきました。大正時代になってこの水を分析したところ、この霊泉はラジューム鉱泉であることがわかり、温泉開発が始まったのです。
 大正時代に雄琴駅ができ鉄道が走るようになり、関西の奥座敷、滋賀県比叡山御膝元の温泉地としてますます開発の速度は速まりました。さまざまな歴史をふまえ、おごと温泉の9軒の旅館は近年(1990年代ごろから)相次いで改装を行い、客室露天風呂や屋上露天風呂など、琵琶湖の眺望を心行くまで楽しんでいただける趣向を凝らしています。

おごと温泉観光共同組合のwebサイトから)


 「おごと温泉」はおごと温泉旅館協同組合の登録商標であることから分かるように、「おごと温泉」というネームに対して、地域の皆様は自信と誇りを持ち、地域ブランディング活動を通じて、さらなる地域活性化につなげていこうとしています。

 その一角に、一つの空き店舗があります。
 以下、今回取り上げた質疑応答です。


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【藤井議員】(質問)

 おごと温泉は、若手経営者を中心に、健康や食をキーワードに顧客を引きつける取り組みを打ち出し、2006年にはおごと温泉が特許庁による日本初の地域ブランドに認定されたことを皮切りに、2008年に雄琴駅の駅名変更、2011年におごと温泉観光公園がオープンし、2012年から始まったおごと温泉・びわ湖パノラマウオークは、昨年度にスポーツ庁からスポーツ文化ツーリズムアワード2017のマイスター部門で表彰されるなど、この10年間、行政によるサポートを受けながら、事業者を中心として雄琴温泉ブランドの向上に取り組んでこられた成果により、家族、グループ客も楽しめる温泉街として、現在にぎわいを取り戻しています。
 雄琴温泉のよさは、京都に最も近い温泉であること、下呂温泉や道後温泉と同等のpH値9.0という高いアルカリ性で刺激が少なく、肌の弱い方にも適していること、琵琶湖を眼前に、比叡山を背後にした風光明媚な地域であることなどが挙げられると思います。
 さて、地域ブランド力を高め、既に多くの観光客に選ばれてきている雄琴温泉ではありますが、リクルートライフスタイルが行っている温泉地に関する調査でも、人気の湯布院や草津、箱根などの温泉地を選択する理由は、まちの雰囲気や温泉の効能などが大きな要因となっており、おごと温泉も今後一層その魅力を高めていくためには、温泉街らしい風情あるまちの雰囲気づくりなどについて、なお改善の余地があると考えられます。

 現在、温泉街の一角に廃業した店舗建物と屋外広告物がありますが、雄琴港や幹線道路沿いにあることもあり、風情ある町並み形成に支障があると感じられます。投影している資料がその当該物件になっています。






 旅館業関係者に確認したところ、「できれば撤去してほしい。私たちは高いお金を払って屋外広告物を掲示しているのに、あの看板はそのままでいいのか」という要望や相談も聞かせていただきました。
 そこで、当該廃業店舗の屋外広告物に関する管理状況と今後の対応方針についてお伺いいたします。また、その他屋外広告物条例に違反の疑いあるケースが考えられるならば、公平性の観点から早急に是正していくべきと考えます。本市全体、とりわけ雄琴温泉や坂本などの観光地周辺にある屋外広告物の管理状況と今後の対応についてお伺いいたします。


【玉井未来まちづくり部長】(答弁)

 おごと温泉エリアの風情ある町並み、景観形成についてでありますが、大津市においては、中核市への移行に伴い、広告物の許可について滋賀県から権限移譲を受け、屋外広告物法の規定に基づき、平成21年4月より大津市屋外広告物条例を施行し、広告物の表示等について必要な規制を行っております。
 議員お述べの当該廃業店舗の屋外広告物については、県からの権限移譲前に無許可で設置されたものであり、現在に至っております。本市では、権限移譲の翌年の平成22年度において、JRおごと温泉駅や比叡山坂本駅周辺などの幹線道路を中心に違反実態調査を行うとともに、是正指導を行いました。しかしながら、当該店舗については、調査対象エリア外であったことから、未調査の状況となっております。
 今後の対応につきましては、まずは当該店舗の調査を行い、適切に対応してまいります。

 次に、本市全体、とりわけ雄琴温泉や坂本などの観光地周辺にある屋外広告物についてでありますが、現在、嘱託職員による日常のパトロールを行っておりますが、全体的な調査までは実施できていない状況です。
 このことから、今後本市全体の屋外広告物の適正管理について研究を始めるとともに、観光地周辺にある屋外広告物の状況について重点的に調査を開始してまいります。


【藤井議員】(再質問)

 おごと温泉エリアなんですけれども、こちらについて当該物件については適切に対応いただけるということなんで、早急な動きを期待したいところですが、雄琴温泉、また坂本エリアを中心とした本市全体の取り組み、屋外広告物の規制に関する件では、改めて研究をしていただくというふうなことで仰って頂きましたし、重点的に調査などもしていくとのことではあるんですが、公平性がやっぱり重要かと思いますので、できれば本年度中には対応が必要かと思います。
 まず、そのスケジュールについてお伺いするとともに、逆から見ましたら、(屋外広告物の手数料は)大津市の収入にもなるわけであって、速やかな対応が求められると考えますので、その点についてもどのように進めていくのか、お伺いしたいと考えております。


【玉井未来まちづくり部長】(再答弁)

 特に雄琴周辺、また坂本周辺の屋外広告物の規制、速やかな対応についてでありますが、まず平成29年4月に本市における「違反広告物等是正指導事務処理要領」及び「違反広告物是正指導マニュアル」を策定し、これに基づきまして今現在その指導にかかっているところであります。
 しかしながら、今回議員の御指摘のように、エリアを重点的にパトロールし、このマニュアルに沿った指導をしていくというような、そういう体制及びその方向性というのができておりませんので、まずは先ほど答弁いたしましたのは、この適正管理がしっかりとできるような、そういう研究を始めさせていただくということを答弁させていただいたところです。
 速やかな対応につきましては、こちらにつきましてはおごと温泉、坂本駅などの日常パトロールを行ってますけれども、そこをまずは重点的にパトロールをさせていただくと。そして、先ほど言いました「処理要領」や「違反広告物是正指導マニュアル」に従って指導を行っていきたいと、そのように考えております。


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 この問題については、議員任期中にもう一度取り上げて、進捗状況を確認するとともに、念を押したいと考えています。


藤井テツ




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