2018.6月議会 一般質問(3)「麒麟がくる」について

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 NHK大河ドラマで、現在は明治改元150周年ということで西郷隆盛が主人公として取り上げられています。鹿児島では、大規模な観光プロモーションが行われており、関西にいても時折、広告を見ることがあります。
 このNHK大河ドラマを活用した地域活性化は古典的ではありますが、一定の固定的ファンがいることから、手堅い観光振興策でもあります。滋賀県長浜市では、石田三成、浅井三姉妹、黒田官兵衛
などで近年、大河ドラマを活用した観光プロモーションを仕掛けてこられ成功されてきました。

 そして先日、2020年の東京オリンピックの年に、明智光秀を主人公とした大河ドラマ「麒麟がくる」が放映されることが発表されました。
 ご存知の通り、坂本城を築城したのは明智光秀であり、光秀や左馬之介関係のスポットも多いことから、大津市にとっては、国内観光客を増やすためには絶好の機会だと思われます。インバウンド需要の高まりでそちらに精を出すのもいいのですが、当たるか当たらないか分からないことに公金を支出するよりも、ある程度手堅い事業に手を出した方が賢明だと思われます。
 以下、今回取り上げた質疑応答です。

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【藤井議員】(質問)

 明智光秀の墓は、坂本の西教寺にあり、織田信長の版図拡大に大きく貢献した坂本城主として光秀が現在の大津市一帯を治めていたことから、明智光秀と大津市との関係は大変深いものであると考えます。
 このたびその明智光秀を主人公としました2020年度NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の制作が発表されました。大津と縁が深い光秀が取り上げられることで、坂本や雄琴などを中心に、大津市、中でも湖西にとっては、さらなる観光振興や地域おこしの機会になるものと考えております。
 ところで、これまでの明智光秀に対する歴史的評価では、主君織田信長を本能寺の変で自害に追いやったことで負のイメージがついて回ってきたように思われます。しかし、光秀が治めた福知山や娘のガラシャが嫁いだ細川氏の長岡京においては、光秀は善政を敷いたことにより大変高い評価がなされていますし、地域住民からも愛されています。私の地元、真野地域でも、光秀を祭るために戦前まで毎年夏に明智講というお祭りが催されていたという記録が残っているなど、統治者、政治家としてのポジティブな側面があるように思われます。さらに、近年は明智光秀の子の於寉丸の子孫という明智憲三郎氏が著書で本能寺の変を別の角度から捉え直し、一定の認知を得ているなど、歴史的検証が加えられ、光秀に対する世間一般の評価や見方も少しずつ変わるようにあるように感じております。
 そこで、第1点目として、明智光秀に対して、本市は、観光振興や地域おこし、生涯学習を進めるに当たり、どのような人物であったと評価しようとするのかを見解をお伺いいたします。

 次に、光秀ゆかりの史跡についてです。坂本城は、京都や戦国期の比叡山の動きを抑え、琵琶湖の制海権を確立するために、1571年に琵琶湖に面して築城をされました。宣教師のルイス・フロイスは、著書にて、豪壮華麗、けんらん豪華で安土城に次ぐ名城と記しています。しかし、1586年に大津城の築城に合わせて廃城となり、城門や石垣の資材は大津城などに使われ、現在では膳所城跡、西教寺、聖衆来迎寺などに遺構が残されているとされています。
 そこで、NHK大河「江~姫たちの戦国~」の放送を契機に、2011年頃、本市戦国大津物語実行委員会においてさまざまな取り組みがなされたように、大河ドラマに影響を受けて大津市に来たくなる観光素材を準備していくことや、実際に来訪された方が楽しめる光秀ゆかりの観光ルートの設定、放送後もレガシーとして活用できる安全で歩きやすい歩道や施設の整備等の各種取り組みを進めていくべきと考えますが、本市の見解をお伺いいたします。

 また、既に光秀ゆかりの自治体では、来年の撮影開始に先駆けて、相互連携を図りながら観光プロモーションの取り組みを進めようとしています。機運の盛り上げには行政による取り組みも重要ですが、シビックプライドの観点から、住民や事業者との連携も重要だと思われます。
 そこで、本市としては今後どのように「麒麟がくる」に関連したプロモーション活動を進めようとするのか、お伺いいたします。


【金利産業観光部長】(答弁)

 大河ドラマ「麒麟がくる」に向けた取り組みについてのうち、明智光秀の人物像についてでありますが、NHKの発表では、本能寺の変で逆臣のレッテルを張られていますが、光秀には別の顔があったのではないかと脚本家の方が述べておられ、諸説あるものの、知的文化人で家族を大切にするやさしい人物であったともお聞きしております。
 また、本市には、西教寺や坂本城址をはじめ、ゆかりの場所が多数あり、大津に縁の深い人物と考えており、今回の大河ドラマが地域づくりや観光振興につながることを期待しております。

 次に、観光素材の準備や観光ルートの設定、歩道や施設の整備等の各種取り組みについてでありますが、大河ドラマ決定以来、過去に大河ドラマ関連の取り組みを行っている他都市に視察、訪問等を行っております。また、大河ドラマに関する情報共有や取り組みについて協議するため、市内の関係者によって組織する協議会の設立を検討しており、滋賀県や関係機関とも連携しながら進めてまいりたいと考えております。

 次に、「麒麟がくる」に関連したプロモーション活動についてでありますが、先ほど述べましたとおり、現在関係者による協議会の設立を検討しており、他都市の取り組みを参考にしながら、当該協議会を中心にプロモーション活動に取り組んでまいりたいと考えております。


【藤井議員】(再質問)

 レガシーとして残る町並み形成といいますか、歩きやすい歩道についです。
 私も町歩きなどしまして、「車が危ないなあ」というところがあったりとかしますので、県との連携が重要になってくるかもしれませんけれども、特にその光秀の放映が始まったら観光客が増えると思いますので、どっちかというたら駅よりも山側は結構整備が進んできていると思うのですが、琵琶湖側についてもより一層の安全対策が必要かなと思いますので、その点についてお伺いしたく思います。


【金利産業観光部長】(再答弁)

 先ほども答弁させていただきましたとおり、この7月の中旬頃には協議会を立ち上げるつもりにしておりますので、県も含めてその中できっちりと研究して、対応できるように考えていきたいと思います。



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 今年7月(今月)には協議会を立ち上げて動き始めるとのことです。
 道路整備や交通安全対策は、来年度予算でしっかり取ることが求められますので、大津市もしっかりと取り組んでほしいと思います。



藤井テツ



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