行政手続きの完全な電子化(電子申請化、必要書類のID化)はいつ?

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 市民センター機能等あり方検討の過程でも、ひとつの重要なポイントになっているのが、行政手続きの電子化の時期です。
 今記事では、行政サービスの電子化の時期について、文章ばかりになりますが、取り上げたいと思います。
 

 行政手続きの電子化。新聞やネットでは一般的に「電子政府」と呼ばれることが増えてきているものですが、まだまだ一般的には馴染みあるものではありません。
 いわば、これまで結婚や住所変更、出産・死亡、年金や介護などの申請に、役所にわざわざ出向いて申請書類を提出しなければならなかったものが、電子化、つまりインターネット上のオンラインで可能となるものです。又は、住民票や印鑑証明などの各種届出の添付書類として必要な証明書等の書類をマイナンバーカードに内蔵して、オンラインサービスと連携して、実質的にそうした証明書等を廃止しようという取り組みです。

 支所業務の中で、証明書等発行業務や、各種行政手続きが、主要な取扱い業務である中で、仮にこれら行政サービスの電子化が、急激に進むのであれば、支所の必要性は相対的に低下し、市素案で述べられていたような「行政相談」の巡回や、電話やネットでの相談などで、事足りるようになるかもしれません。

 世界的に有名となっていますが、エストニアなどは電子政府化を進め、いまや大半の行政サービスを電子化しています。日本でも、徐々にこうした行政サービスの電子化は進められてきており、大津市でも一部行政サービスの電子化はなされており、2018年9月現在の取扱いサービスは、
・人間ドック利用助成金交付申請
・集団特定健康診査申込
・多胎児家庭育児支援事業利用申請
・水道・ガス 開栓の申し込み
・水道・ガス 閉栓の申し込み
・模擬店等の食品取扱届出書
・犬の死亡届
・犬の登録事項の変更届
・浄化槽廃止届出書
・浄化槽管理者変更報告書
・新たな公共施設への提案箱
・市長への提言箱
が、電子申請が可能となっています。

 しかしながら、支所が担当している以下の事務のうち、電子化しているものはほとんどありません。

【大津市の支所が担当している事務】
1  地域の実情の把握及び調査に関すること。
2  自治会及び各種団体との連絡調整に関すること。
3  市税に関する申告書等の受付に関すること。
4  市税、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、住宅家賃その他収納金の
   取扱いに関すること。
5  市税に係る課税証明書及び納税証明書並びに固定資産課税台帳記載事項証明書の
   交付申請の受付及び当該証明書の交付に関すること。
6  固定資産税関係台帳の閲覧に関すること。
7  原動機付自転車及び小型特殊自動車の標識の交付及び返納に関すること。
8  戸籍及び住民基本台帳の届出の受付に関すること。
9  印鑑登録に関すること。
10 出入国管理及び難民認定法に基づく事務に関すること。
11 埋火葬許可に関すること。
12 死産届に関すること。
13 戸籍の謄抄本、住民基本台帳、印鑑登録等に関する各種証明書の交付申請の受付
   及び当該証明書の交付に関すること。
14 自動車臨時運行に関すること。
15 生活保護法による傷病届の受理及び診療依頼書の交付に関すること。
16 児童手当の受付に関すること。
17 国民健康保険、後期高齢者医療、国民年金及び医療費助成の資格取得、喪失等の
   届出及び諸給付の申請の受付並びに被保険者証の交付に関すること。
18 介護保険に係る要介護認定及び要支援認定の申請の受付並びに受給者資格証明書の
   交付に関すること。
19 支所庁舎の維持管理及び備品の保管に関すること。
20 日赤募金に関すること。
21 交通災害共済の受付に関すること。
22 自衛官募集に関すること。
23 公印の保管に関すること。
24 文書の掲示に関すること。
25 その他市長が指示する事項

 

 市役所の中の部署でいえば、市民税課や資産税課、戸籍住民課、介護保険課、保険年金課、自治協働課などが提供する各種サービスを広範に担当している、現在の大津市の支所では、窓口職員は臨時採用で給与も10万円台であるものの、大変専門性が高く、且つゼネラリスト的な役割を担っています。

 もし支所が担っている広範な事務を、電子政府化できるのであれば、支所機能の統廃合が進んでもいいのかもしれません。しかしながら、現実的には、その方向性にあるとはいえ、一足飛びに行政サービスが来年から電子化されることはありません。

 その最大の障害になっているのは、「マイナンバーカードの普及状況」です。
 現在、日本全体でも11.5%(2018年7月1日現在)の普及率です。
 
 このカードを持つことで、コンビニで各種証明書が取得可能になったり、オンライン申請が可能になったり(現在はほとんどの行政サービスはオンライン申請できない)、保険証や印鑑登録証を一つにまとめられたりというメリットはありますが、実際問題、それほどメリットを感じません。各種証明書の発行も毎月のようにするものでもありませんし、オンライン申請もほとんどできない(大津市では電子申請可能なサービスがあまりない)ので、メリットを感じないのです。

 鶏(電子政府化)が先か、卵(マイナンバーカード取得)が先か?
 この言葉は、先月行政視察のために伺った中野区役所の職員の方が言っておられたものです。
 
 東京ではいち早く、電子申請可能な行政サービスの拡大に努めておられますが、それでもマイナンバーカードの普及率は10%少しとのことでした。
 なぜ行政サービスの電子化を進めているのに、マイナンバーカードの普及率につながらないのか??ーーそれは、「公的個人認証」と呼ばれる手続きが必要になるのですが、少し説明に行数を要するので簡単に書くと「めんどう」なんです。

 この「公的個人認証」が必要であることから、行政サービスの電子化だけでは、なかなかマイナンバーカードは普及しないのだと思います。

 そうした中でも、一体どうすれば、マイナンバーカードの普及につながるのかは、「電子マネー決済サービス」が搭載されるか時期に関係してくるのだと考えられます。

 納税、証明書発行料金の支払い、水道ガス等の公共サービスの使用料支払いなどが、マイナンバーカードで一元的にできるようになれば、わざわざ書類を書く手間も省けるし、手数料をわざわざ現金で支払う手間もなくなるし、大変便利になると思います。つまり、単に証明書を発行するためだけではなく、「マネー決済」をカードに含めることで、一気に利便性が高まることが考えられます。

 それでは、いつ、公的個人認証や、マネー決済も含んだマイナンバーカードが登場するのでしょうか。

 読売ONLINEの本年8月9日記事によれば、スマホに公的個人認証キーをもてるように、来年の通常国会に法案提出予定とのことです。

 仮にこの法案が成立すれば、10%前後のマイナンバーカード普及率も、5年後には20、30%になるかもしれません。
 しかし一方で、マイナンバーカードが普及しても、同時期に、行政の電子申請化(各種証明書の発行等が電子申請で可能となるetc)が進んでいなければ、結局のところ、宝の持ち腐れとなります。そのため、マイナンバーカードの普及率は高まらないと考えられます。

 つまり言えることは、支所機能の統廃合の代替サービスとして、「電子申請」を含めようとするならば、大津市行政は、こうした行政サービスの電子化を同時に進めなければなりません。
 いつ可能になるか分からないのに、「証明書発行はネットで可能になりますから」と、言うのは、どうなのかと感じます。少なくとも、「いつまでに電子申請が可能になるのか」を明確にしてから、支所統廃合による代替サービスとして提示してもらいたいと願うものです。

 そしてもう一つ忘れてはならないのは、電子化しても、バックヤードの事務量はそんなに減らないということです。窓口で申請されるのも、または郵便で申請されるのも、もしくは電子上で申請されるのであっても、結局は、誰かが発行作業・郵送作業等が必要となってきます。
 支所業務の集約化にはつなげられるのかもしれませんが、コストの面では、電子申請化は、それほど大きな合理化にはつながらないのかもしれません。

 (文章ばかりになってしまいました。読みにくいと思います。申し訳ありません)


フジイテツヤ







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