平成26年度当初予算の委員会審査(後半)

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おはようございます。
滋賀県の大津市議会議員、藤井哲也です。


昨日の「予算委・教育厚生分科会」で集中的に議論がなされたのが、『ICTを活用したティーチングメソッド研究開発』の予算です。

名称自体が英語を使っていて分かりにくいのですが、簡単に言い換えると、
「ネットなどを使った授業方法の研究開発」です。


この問題については同僚議員の谷議員が、本会議一般質問で追求し、またブログで議場配布資料もアップされていますのでご覧いただければと思います。
【参考】谷ゆうじ議員 該当ブログ記事


以下、昨日の委員会を傍聴して感じたことです。

まず、一体どのような授業方法を研究開発するのか曖昧だということが明らかになりました。私も最後まで聞いていましたが、やはりその事業内容をイメージすることはできませんでした。
いったいどのような事に使う予算なのでしょうか。意味不明です。説明員にはもう少し詳しく話をして頂きたかったと思います。あの説明では到底理解することはできません。



今回の予算について、現状 賛成できかねる理由は以下3点です。

【1】2343万円の予算積算根拠がない。地方財政法違反。
 なぜ2343万円の予算が必要なのかが全く分からない。研究開発する内容は今後、教育委員会内で検討していくということですが、何をどのように研究するのかもわからないにも関わらず、なぜ2343万円必要なのか。
 研究開発だけなら、例えば今回の予算では「総合コールセンター設置調査費」として400万円が措置されていますが、そのくらいの予算で十分可能だと考えられます。
 地方財政法第3条には、「地方公共団体は、法令の定めるところに従い、且つ、合理的な基準によりその経費を算定し、これを予算に計上しなければならない。」とあります。
 今回の予算を承認してしまえば、「とりあえず○○事業を研究開発するので、予算根拠はないけど△△万円予算計上します」というのを全て通さねばならなくなります。

【2】市内の小学生が曖昧な研究開発の実験台として使われる。
 「授業方法の研究開発」がどのようなものかは分かりませんが、「ネットを使った授業」が実際に子どもたちに行われることについて保護者の理解は得られるのでしょうか。本来であればキチンとした授業が受けられたにもかかわらず、わけが分からない実験的な授業がなされるかもしれません。(そもそも保護者はそのような授業を求めているのでしょうか?)
 また、教育長は、「ネットを用いた授業は、(ネット接続先との)時差もあり、臨場感もないと感じた」と率直な見解を述べています。教育長自身がそのように感じているものを、子どもに受けさせるのは論外です。少なくとも教育長含め、教育委員会が「これなら子どもたちに受けさせても問題ない」と合意したものだけを、授業で使うべきです。どの小学校の子どもが犠牲になるかわかりませんが、大いに問題があると思います。

【3】市長の私的関係がある業者との癒着疑惑。
 今回の予算は市長主導で進められたものです。業者との癒着の可能性が否定できず、コンプライアンス上問題が発生するかもしれません。現に、吹田市では市長が後援会役員が社長を務める会社に随意発注したことが多いに問題になっています。
 仮に今回の事案を建設事業にたとえると、「来年度建設予定に入っていなかった事業について、市長が予算編成権者の立場を利用して、私的関係がある業者の新規建設の提案の場に市職員を同席させ、そして市職員から予算要求を上げさせた」ということと何が違うのでしょうか。
 今回市長は、私的つながりがある業者(住友商事)を呼んできて、その事業プレゼンの場に職員を同席させ、そして職員に指示して住友商事から見積りをとり、予算要求を上げさせています。
 もし本事業の委託先に、住友商事や子会社、またはその関連会社が選ばれた場合、特定業者への利益供与事案として大問題になると思います。



英語教育の充実は、私も度々議会で提案をしており、市長の考えと同じくするところです。
しかし今回の予算は、予算編成過程に大いに問題と違法性があると感じており、さらに子どもを実験台に研究開発をしようとする姿勢そのものに強い違和感を覚えます。
研究開発する事柄そのものが曖昧な事業に2300万円という多額の予算を付けるのであれば、子どもの習熟具合を肌で感じながら対面で授業を行う「ALT講師の増強」に予算をつけて英語教育の充実を図るべきです。


大津市議会議員 藤井哲也拝




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