雇用を増やすために。

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こんにちは!大津市議会議員(みんなの党所属) 藤井哲也です。

私が政治を志した最大の理由は、若者の雇用を創出するためです。
先の記事にも書きましたが、雇用環境はここ最近ずっと悪くなっています。
失われた20年という表現もあります。
03年~07年は一時的に雇用環境も改善に向かいましたが、やはり秋のサブプライムローン問題に端を発するリーマンショックにより、雇用は甚大な影響を受けました。

ずっと現場で雇用のミスマッチ解消(マッチング)に取り組んできたわけです。
しかしわかったのは、根本的にはミスマッチというのはなるべくしてなっているもので、事業として就職支援できる部分というのは、経済ベースに乗れる部分だけ(つまりアウトソーシングや経費節減)が大半であると思ったからです。当然ながら私の力不足もあると思うのですが、凡そは「コップの中の争い」にすぎないと感じたからです。

雇用が減っているスパイラルは下記の通りです。

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【若者の雇用が減る】(現状)  →→→   【世の中に出回るお金が減る】
       ↑                            ↓
       ↑                            ↓
       ↑                            ↓
【企業の利益が圧迫、経営効率化の必要】 ←←←   【物価が下がる】
                                (安くしなければ売れない)
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つまりこれは「デフレスパイラル」と呼ばれるものの中に雇用減少が取り込まれていることを指します。

最近おもしろい本を読みました。


アマゾンドットコム「経済成長は不可能なのか - 少子化と財政難を克服する条件 (中公新書)」 盛山 和夫 (著)


この本は非常におもしろい。
社会学者の視点から、いまに至る不景気、デフレの原因などのマクロ経済を分析しています。

1985年の「プラザ合意」によって円が大幅に切り上げられ、日銀が大幅な金融緩和を行ったことにより引き起こされたバブル経済と、その後の不良債権処理に気付くまでの遅さ、小泉政権による構造改革、リーマンショック、大震災と。そして一貫して日銀の量的緩和が91年以降なされてこなかったこと。

「みんなの党」は『経済成長なくして財源なし!』の立場です。「増税はいまやるべきではない!」という考え。当たり前ですが、いま増税をすることのメリットはほとんどありません。消費が落ち込み、物価がさがり、そして企業体力がなくなることで効率化が進み、採用が手控えられ、消費が落ち込むという上図のデフレスパイラルを更に厳しくしてしまうのは明白です。

本の終わりのほうに、現在の民主党政権、特に菅直人総理がよりどころとしている、経済学者小野善康氏の経済対策を間違いだと客観的視点から述べている。(p198-202)

p199 「消費税を引き上げて、その税収を雇用創出のための財政支出に向けたとき、はたして新しい雇用を生み出すことができるか?結論はNoだ。財政支出で雇用を増やすことができるのは、財政を国債に求めるときで増税に求めるときではない。なぜなら財政支出で生み出された雇用と同じ分が、増税によって、民間支出から生み出されるはずの雇用から消えてしまうからだ。」などなど。



経済は大津市だけで成立していない。滋賀県だけでもない。大津経済は草津経済ともつながっているし、滋賀県経済、京都市経済ともつながっている。
何が言いたいかといえば、大津の経済だけをよくして、大津の雇用を増やしたところで、結局それはどこからの経済を悪くするだけだからだ。
もし収入が30万円なら、1着5万円の高い服を買えば、普段の生活が厳しくなるのと同じで、大津でお金が使われても結局どこかでお金が使われなくなるだけである。雇用も同じだ。大津で雇用を増やすことはどこかの地域の雇用を奪うことになっている。

単純に公共投資による雇用創出は、税金から支出されるものである以上、先の小野善康先生への反対論と同じく、効果は薄いし、また他の地域の雇用を一時的に奪っていることになる。

雇用を増やすためには、経済を活性化することが大切であるというのが私の考えであり、そして私が良いと思う理論だ。私が政治を志す理由の一つが若者の雇用を創出することである。雇用を創出することによって違う地域の雇用を奪う、または税負担が高まることがあってはならない。

つまり、本当の意味で雇用を創出するためには、いわゆる「イノベーション」を伴う、政策を行政ができるかどうかである。私は経済通でもなければ、行政マンでもない。しかし会社経営を少なくともやってきた。どうやることが企業にとってメリットがあるのか、どうすれば企業が存続できるのか。そうしたことは少しは知っている。一時しのぎ、数字だけ改善する政治・行政ではなく、本当に企業経営者が喜び、就職して喜べる人が多くなる、そんな社会をづくりに貢献したい。


大津市の職員さんも優秀だ。でも事務作業に忙殺されている感を私は受ける。ならば政治家としての私の役割はなにだろうか?行動しなければならない。


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