2017/03/29
多大な時間を使って取り組んだ市の不正な募集・選考疑惑については、昨年11月に行った住民監査請求の結果が本年1月に出されたことで一定の結果を見ることとなりました。
以下、私からの一般質問で監査意見を紹介しています。
【質問】藤井哲也
昨年11月に観光プロデューサー在籍出向負担金に関して住民監査請求を行い、先月、監査結果が出た。
結果的に不正に支出された額の正確な算出が困難であったことから私の返還請求は退けられたが、同時に監査委員からは、「支出しようとする金額について明確な積算根拠もなく、妥当な額であるかについての十分な精査もなされずに協定が締結されたことは誠に遺憾」とし、
・「市から募集要領の負担金の意味についての法的な評価も含めた説明を受けたが、募集要領から応募者がそのように理解しうるかどうか大いに疑問が残る」
・「民間会社間の協定であるならば、出向負担金額の決定方法は双方の合意があれば問題ないと考えられるが、特に公金支出につながるものであることから、募集要領については、わかりやすく、誤解の生じない記載とするとともに、協定の締結に当たっては、金額の妥当性を説明できるものが必要であった」
・「出向業務に関しては、労働法や税法等の関連法令に関して配慮すべき事項も多くあることから、市としてのルール化を図ることが必要」とした上で、
・「出向負担金の積算根拠を明確にし、消費税等の取扱いについても適正に処理されるとともに、今後、出向による嘱託職員の募集に当たっては、公平性、透明性の確保に十分留意されたい」
と意見している。
以上の監査意見を踏まえ、改めて積算根拠の明確化と、出向による嘱託職員の公平で透明な募集に向けた今後の改善策を伺う。
*****
つまり市行政の統制機関である監査委員の統一見解として、「出向負担金の積算根拠を明確にし、消費税等の取扱いについても適正に処理されるとともに、今後、出向による嘱託職員の募集に当たっては、公平性、透明性の確保に十分留意されたい」としている。
これは実質的に市の募集及び選考に大いに問題があったことを指弾している。
そうであるならば、市行政の見解を聞きたい。そして一刻も早く現在の問題を解決すべく取り組まねばならない。市行政の答弁は以下のとおりである。
【答弁】産業観光部長
出向負担金返還請求に係る監査委員の意見を踏まえた今後の対応についてですが、まず、監査結果としては、「不当な支出であるということはできない」と結論づけています。
しかしながら、募集要項については、「応募者等に分かりやすく誤解の生じない記載とする」との監査意見を踏まえ、今後の業務に努めてまいります。
【答弁】総務部長
出向負担金返還請求に係る監査意見を踏まえた対応についてのうち、出向による嘱託職員の公平で透明な募集に向けた今後の改善策についてでありますが、今回の監査意見が出されたことを重く受け止め、法令と嘱託職員にかかる条例との関係を整理した上で、嘱託職員の募集に際して、出向業務内容、出向負担金内訳の明確化など、庁内の統一的な基準を策定し、公平で透明な募集となるよう努めてまいります。
以上が答弁です。
産業観光部長の答弁はかなり苦しいですね。そもそも質問に答えていません。
観光プロデューサーは次年度予算から削られて、廃止されることになりました。
これが結果です。問題があったということです。
この1年間、市民感覚・民間感覚からして、無駄な支出が多く感じられた観光行政への問題指摘を行い続けてきましたが、今後は効率性を重視した観光振興のための予算編成がなされるように願っています。今回の予算案はだいぶ改善されたと感じています。
また有為な外部人材を採用するためにも、総務部が言うように、早期に庁内の統一的な基準を策定し、公平で透明な募集ができるように調整を進めてもらいたいと思います。
大津市議会議員 藤井哲也拝