議員活動2期目の振り返り①

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 2016年5月に自分に設定したアジェンダ重要政策の振り返りをしていきます。
 今更ながらですが重要評価指標(KPI)は設定していなかったので、掲げた課題に対する自分自身や行政の取り組み、今後積み残されている問題点を挙げていきたいと思います。


(1)若者が結婚したくなる、子ども欲しくなる環境整備と機運の醸成

地域社会として結婚・子育て機運を高めていく施策展開や、「子どもの貧困」だけではなく「子育て世帯の貧困」対策に取り組む必要があると考えます。
具体的には、保育所の適正整備や、保育士の処遇改善など既存施策を拡充していくとともに、保育所探し支援や再就職支援を取り入れた全国に誇れる「大津版ネウボラ(切れ目ない子育て包括支援事業)」の早期実現、保育料や乳幼児医療費の助成拡大、子育て支援給付金(貸与金)制度、保育・教育バウチャー制度の新設などをめざします。
また二十歳代でも結婚して幸せに過ごしている若者世帯をピックアップし、大津らしい若者ライフスタイルを市内外に発信して、結婚機運を醸成していき、市外からも大津らしい若者ライフスタイルに憧れ転住してくる人を増やす政策の推進をめざしていきます。

(自己評価)
 この3年、大津市で大きな問題となったのは、保育需要にあわせて保育所を作りすぎ、保育士が全然足りなくなっているという事柄でした。アジェンダに掲げたのは「保育所の適正整備」でしたが、私の感覚では保育士の処遇改善も進められてきたものの、保育所整備を先行しすぎている感が否めません。
 何度も保育所整備と合わせて、保育士確保施策の重要性を述べてきました。確か、一番最初に保育士処遇の改善を大津市議会で取り上げたのも私でした。それは保育園運営法人の理事を務めさせて頂いていたことからくる現場の問題を把握できていたからだと思います。
 このほか具体的施策として挙げた保育料や乳幼児医療費の助成拡大、子育て支援給付金(貸与金)制度、保育・教育バウチャー制度の新設は、提案してきたものの実現には至っていません。
 若者世帯ピックアップして結婚機運を醸成していく取り組みについては、ワークライフバランスの一環で何度か一般質問でも取り上げ、その実現を行政側も確約してくれています。
 結婚・出産の一番の障害は、やはり「経済・生活基盤」だと言えます。子育て世帯/子育て世代の貧困をいかに解消していくのかがポイントであり、単に保育所を整備しさえすれば、若者が結婚、子育てをしたくなる訳ではありません。
 上記以外の課題を挙げるとすれば、公立保育園、公立幼稚園の活用、児童クラブの整備です。公立保育園、幼稚園の耐震化や施設活用は、民間園整備にばかり目立つ一方で、ほとんど進められていません。3歳児保育が公立幼稚園で始まったことは良いことだと言えますが、これは公立幼稚園の統合とセットでの案件であり、私は疑問を持っています。一定規模の園児がいない幼稚園は「公立」として相応しくないという基準を設けているからですが、私は少人数でしっかり保育・養育してほしいニーズは少なからずあると考えており、そうした保育需要から撤退しようとする現在の姿勢に違和感を覚えています。


(2)老後も健康で元気に、安心して生活することができる環境の整備 

健康寿命の延伸に資する健康増進活動の支援や、地域におけるシニア・コミュニティの充実、子育て世代とシニア世代との交流を促進する仕組み作りに取り組みます。またグラウンドゴルフや、高齢者でも取り組みやすいニュースポーツの普及促進にも取り組みます。

(自己評価)
 健康寿命の増進は、ひとりひとりの高齢者の生活の質向上につながりますし、行政からしても社会保障関連経費の低減につなげられるなど、双方にとって大変メリットが大きい施策です。一般質問等で具体的な政策提言をこの分野で行ったことはありませんでしたが、実体験として知識経験が不足していた高齢者福祉分野についてこの3年間でかなり知見を深めることができたと考えています。
 市民センター機能等あり方検討においては、地域コミュニティ醸成とも密接に関わる事案であったことから、間接的にシニアコミュニティの充実に資する活動ができたのではないかと考えています。
 データヘルスの取り組みが行政でも始められたばかりです。行政としてはデータエビデンスに基づいた効率的効果的な施策展開が今後より一層求められるはずで、関わる職員の人材育成が急務だと考えます。
 

(3)働き方改革を通じた、一人一人の生産性向上によるQOL向上 

特に多数の非正規社員を抱えるサービス業における働き方改革や、労働生産性を高める取り組みを公民連携で進めると共に、行政府が後述の大津地域のブランディングや「地域ブランド認定制度」などによる生産性向上に関する支援策に取り組むように政策提言していきます。

(自己評価)
 サービス業の働き方改革や労働生産性を高める取り組みは、大津市でも一応始められていますが、実際はかなり限定的です。大津市総合戦略でもいくつかKPIが設定されているものの、企業任せの部分が多く、行政としては十分に施策展開できているとは言えません。
 わたし自身としても三重県などへの行政視察や文献調査を通じて得た知見を一般質問などで紹介するとともに、大津市役所や市域内企業においても取り組みを推進するように政策提言を幾度か行ってきました。正直、取り組みはまだまだです。大津市にはもっと頑張ってもらいたいと思います。
 また「地域ブランド認定制度」については、シティプロモーションやシビックプライド醸成の観点から、まずは「大津市のブランディング」が重要だと述べ、こちらも何度も議会で取り上げてきました。提言が大きく取り入れられたという印象は受けていませんが、大津市としてはもっとブランディングに力を入れていくべきだと考えています。枝葉の観光振興などのブランディングの前にまずは市全体のブランド構築が求められるところです。


フジイテツヤ




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