【一般質問2018.9議会⑥】育児や家事の価値を認めたWLB推進について

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 育児や家事といった「ケアワーク」は、これまでスキル形成の機会とはあまり考えられてきませんでした。実際、育児家事と仕事は別物という考えが主流だったと思います。「男は外(ビジネス)で働き、女は家庭(育児家事)を守る」という、これまでの定説的な価値観も転換が迫られてきており、両性が育児家事も仕事にも従事することが求められてきています。

 どうせ育児家事をするならば、仕事にも生かすことができるスキル獲得の場として、そうしたケアワークを捉え直したいという想いが私にはあり、今年に入ってからは、まだまだ頻度は少ないものの折を見て料理をしています。平日昼間は普通に正社員で働く家内の負担軽減はもちろん、自分自身のスキル形成の場として家事育児を捉えているところです。

 

 

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Q 藤井
 本年6月通常会議一般質問での、育児の経験は人格的にもビジネススキルの面においても職員の成長につながる貴重な経験と考えており、引き続き男性、女性ともに育児に積極的に参加し、復帰後において活躍できる環境づくりに努めてまいりますとの答弁を受け、育児や家事の価値を認めたワーク・ライフ・バランスの推進について、以下分割質問で本市行政の見解を伺います。
 育児、家事の経験は仕事にもプラスの相乗効果を与えることが実証的にも明らかとなってきました。つまり育児、家事でしか得られない経験と仕事でしか得られない経験が組み合わさることで、人格的にも成長し、またビジネススキルも相乗的に高まり、創造的で生産的な仕事ができるようになっていくという考え方です。
 行政視察に伺った三重県では、鈴木英敬知事のもと、株式会社ワーク・ライフバランスの助言を受け、地方創生戦略として働き方改革の推進に努めておられました。職場における長時間労働是正に経済団体と連携した取り組みを進めるとともに、家庭内におけるチーム育児、チーム家事を促進するために、パパの育児参加が仕事にも生きることや子育てに関わることの楽しさ、メリットを普及啓発するために、ハンドブック制作やファザー・オブ・ザ・イヤー in みえなどのイベントを実施されています。



 投映の資料は、その冊子の一部でありまして、「PAPALIFE in Mie」というハンドブックになっています。経済団体や、また市のイベント等を通じて配布されているというふうなことで、内容についても大変わかりやすく、また男性の育児参加のメリットですね、なぜしたほうがいいのかというふうな観点から、さまざまな有益な情報が入っているというふうに私は考えています。また、女性の考え方であったりとかにつきましては、図などを用いて詳しく説明がされている冊子となっておりました。
 そこで、補正予算議案において計画する本年度のワーク・ライフ・バランスセミナーや民間企業での水平展開において、育児や家事の経験が仕事にも生きることをこれまで以上に普及啓発していく必要があると考えますが、本市の見解を伺います。


A 金利辰夫 産業観光部長
 御質問にお答えいたします。育児や家事の価値を認めたワーク・ライフ・バランスの推進についてでありますが、議員お述べのとおり、育児や家事の経験は仕事と生活の調和を図る一助であると認識しており、本市では一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、家庭や地域生活においても多様な働き方が選択、実現できる社会づくりにつながることを目的として、平成28年度から事業所向けに開催しているワーク・ライフ・バランスセミナーを通じて普及啓発に努めております。
 平成28年度は「ワーク・ライフ・バランスと職場のダイバーシティー」を、平成29年度は「社員がいきいき働き続けるための組織づくり」をテーマに掲げ実施いたしました。本年度も「企業の持続的な成長と従業員の幸福の両立に向けて」をテーマとしたセミナーを引き続き開催する予定であり、今回予算の補正をお願いしております。
 今後、さらにワーク・ライフ・バランスの機運の醸成が図られるよう、大津地区労働者福祉協議会等関係団体へ働き掛け、職員が直接出向いて事業所同士での意見交換や情報交換を行っていただける取り組みを推進してまいります。以上、私からの答弁といたします。


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 私が独自に行っている政策研究によれば、育児家事といった経験とビジネス経験には「相互補完関係」「相乗効果」が見られます。つまり育児家事でしか得られにくい能力要素と、仕事を通じでしか得られにくい能力要素があり、それぞれが相互補完の関係にあり、相乗効果を発揮して、総合的に仕事力を高めていくという関係性にあります。



 仕事で得られにくい「段取り力」「仕事の同時やりくり」、又は「視野の拡大」といった能力向上要素と、逆に育児で得られにくい「業務上の専門スキル」などを組み合わせて経験していくことで、より社会的な生産性を高めていくことができる分析結果となっています。

 確かに、人工知能が急速に発達する現在の社会状況下にあって、定量化しづらい能力(感性・独創性や人間関係構築など)は、様々な経験を通じて得られていくものだと思います。仮に子どもがいない家庭や未婚者にとっても、育児家事ではなく類似経験を積むことで、スキル形成につなげていくことができるはずです。

 大津市という狭い区域の中での、ワークライフバランスの取り組みでは、社会全体に与えるインパクトから見ると、ほとんど無いに等しいものだと思いますが、ほんの少しでも社会に良い影響を与えられるようにと、地道に研究成果を議会で説明し、それを施策展開につなげていきたいと考えています。


フジイテツヤ





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