【一般質問2018.9議会④】児童生徒を第一に考えた熱中症対策について

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 先の議会で行った一般質問について纏めていきます。
 取り上げました項目は全部で6項目。「熱中症対策」、「市西北部のまちづくり」、「ワークライフバランス」、「行政評価システム」、「市民センターあり方検討」です。このうちの「市民センターあり方検討」に関しては、既に記事化していますので、その他の項目について順次取り上げていきます。いずれも重要性が高い案件ばかりで、市民生活が良くなることを願って登壇をさせて頂きました。



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【児童生徒を第一に考えた熱中症対策について】

Q 藤井
 今年は連日のように命に危険が及ぶ暑さ、最大限の熱中症対策をと報道がされたように、暑い日が続きました。残念ながら、気候変動は着実に進行しており、今後も同様の状況が十分想定されることから、学校園での児童・生徒を第一に考えたきめ細かい熱中症対策について、分割質問によりまず最初に取り上げたいと思います。
 7月、本市中学校で部活顧問である教員から過度の罰走を強いられた生徒が熱中症によって緊急搬送される事案が発生いたしました。現在、市教育委員会では検証が進められているところではありますが、本件について体罰及び熱中症による緊急搬送を防げなかった要因を伺います。
 その後、本市では環境省熱中症予防情報サイトの予測をもとに、暑さ指数が31度を超えたときは教育委員会が指示を行い、部活動を禁止とすることなどの措置をとるなど、比較的迅速な対応をとってきたように思われます。しかし、市域が広く、地形にも富む大津市では、学校園の立地等により暑さ指数は変わるものと考えられます。
 そこで、来年度にかけて児童・生徒を第一に考えた、よりきめ細かい熱中症対策として、暑さ指数計を各学校園に設置し、より柔軟な対応が可能となるように対策の強化を求めるものですが、見解をお伺いいたします。
 また、来年度に向けて教育的意義の高い活動である部活動について、中学校最後の夏にかける児童・生徒の思いも酌んで、悔いが残らない部活動練習がなされるように、今年度の熱中症対策を検証し、来年度の対策として反映していくべきだと考えますが、本市教育委員会の見解を伺います。

A 舩見順 教育長
 1点目の本市中学校での体罰による熱中症事案を防げなかった要因についてでありますが、現在教育委員会内で専門家の知見をいただきながら検証を行っているところではありますが、今回の事案は、管理職の組織マネジメント及び職員の人権意識の欠如などが主な要因であると考えております。
 次に、2点目の学校園ごとに暑さ指数計の設置を求めることについてでありますが、体育館、グラウンド、武道場など各校の状況に応じた対応ができるよう、来年度に向けて各学校に暑さ指数計を配布してまいりたいと考えています。
 次に、3点目の児童・生徒の思いを酌んだ部活動練習のあり方についてでありますが、来年度以降も厳しい気候が予想されることから、他都市の取り組み状況や専門家の意見を聞きながら、部活動の練習のあり方や大会運営について検討してまいります。
 以上、私からの答弁といたします。

Q 藤井
 御答弁どうもありがとうございます。再質問いたします。
 最後の項目のものなんですけれども、専門家等の御意見を聞いて改めて検討していただくというようなことでありました。児童・生徒の思いを酌んだというふうなことがありますので、そういった観点で、中学校3年生、部活動をされていらっしゃった方々、児童・生徒の調査といいますかアンケートといいますか、何らかの意見を吸い上げるような取り組みも必要じゃないかなと思っています。それをもって検証していくということがあっても良いのではないかと思うのですが、その点についてお伺いしたいと思います。

A 舩見順 教育長 

 再度の御質問についてお答えいたします。児童・生徒の思いを酌んだということで、部活動のあり方についてアンケート調査等もとるということだと思います。
 児童・生徒、特に当該夏の大会が3年生の最後の大会になるというようなこともありますので、教育委員会といたしましては、まず、いかに安全に大会運営をするのか、それに向けて部活動練習をするのかということで、やはり一つの基準として暑さ指数、これは環境省が出しています指数ですので、その指数に基づいた例えば部活動の練習をするというのが基本になると思います。
 その中で、いかに、今年の夏もそうでしたけれども、いわゆる危険と言われるところに達するまでにといいますか、それを外したような形で部活動をする、そういったことが大切かと思いますので、もちろん児童・生徒のそういった思いも酌みながら、いかに安全にそういった部活動指導ができるか、大会運営ができるかということで、先ほども申しましたように、専門家の知見をいただきながら、もちろん児童・生徒の意見も酌みながら、来年に向けてそういった検討をしてまいりたいというふうに考えております。


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 以上が質疑応答です。
 今回の質問を取り上げた背景は、なんといっても多くの同世代の保護者の方々から、本当に多くの要望や意見、疑問の声を聞かせて頂いたことにあります。電話やメール、SNSなどを通じて、多くのお声が私の元へ寄せられましたが、内容としてはほぼ一点に収斂されます。すなわち、「中学校3年生、最後の夏なのに、練習も十分にさせてもらえず、子どもは本当に悔いが残っている」というものです。

 「暑さ指数」に基づいて、部活動練習の可否を決定するのはやむを得ないかもしれません。
 しかしながら、教育的意義の高い活動だと私自身も、そして教育委員会も考えている部活動を、児童生徒の思いは一切汲まずにある日突如として市として基準を設け、部活動練習ができなくなるというのは、唐突感が否ません。

 この唐突な対応は、言うまでもなく、大津市南郷中学校で起きた「80周罰走事件」が影響しています。この問題が公になってすぐに、教育総合会議が開催され市長から教育委員会に対して、過敏とも言える熱中症対策を講じることが述べられました。
 この指示を受けて、教育委員会は急遽、熱中症対策に取り組むことになり、たまたま愛知県豊田市で熱中症で児童が志望する事案が生じたことから、これに乗じ、大津市としても、「今後一人も熱中症を出さない」ということを目標に、対策が進められることになりました。この過程において、現場の声、児童生徒の声はどこまで拾い上げる事ができたのでしょうか。
 教育委員会の良いところは合議制で、様々な観点から問題点を議論できることかと思いますが、この問題については、どこまで教育委員の中で議論されたのかは分かりません。また、学校現場の声はどれほど意思決定において吸い上げられたのでしょうか。

 また、朝7時30分から9時までの間に限り、部活動が許可されたということですが、十分に体も脳も動いていない状態での部活動は怪我の危険性も高まるように考えます。私としては、一律に部活動を禁止するのではなく、顧問が必ず付き添い、コマメな水分補給や休憩を行うなどすれば、弾力的に短時間の部活動練習はさせてもいいのではないかと考えます。
 いま、中学生の間では、大津市行政に対して、大変不信感が高まってきていると聞きます。
 
 来年に向けて学校ごとに「暑さ指数計」を設置して頂けることが決まり、そして、「児童・生徒の意見も酌みながら、来年に向けてそういった検討をして参りたい」という教育長の答弁燃える事ができました。少しでも、児童生徒の思いを汲んだ熱中症対策に改善されることを、心から願います。ちなみにこの問題については、私以外にも数人の議員が一般質問で取り上げました。皆さん、私同様に多くのご意見を受けて取り上げられたのだと思います。行政には議員に届けられた思いをしっかりと施策に反映してもらいたいと思います。


フジイテツヤ







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