自主防災会は困っている。

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 今年度、防災対策特別委員会の委員長職を預かっています。
 最大のミッションは、学区単位の防災計画・避難所運営計画の策定に向けて、どのような事柄が課題となっており、議会(特別委員会)として、なにかできることがないか、あるのであればその課題解決に向けて行政等に働きかけていく必要があると考えています。

 8月末を期限に、各学区の自主防災会に議長名でアンケート調査をさせて頂いており、9月議会中に開催する特別委員会でその結果を共有し意見交換をします。 
 私も真野学区自主防災会にお邪魔して先日、学区単位の「地区防災計画」策定に向けた課題のヒアリング、掘り起こしをさせて頂きました。真野学区だけではないのですが、防災組織関係者からよく耳にするのは、『「市民センター機能等あり方検討」が進められているが、その中で、防災機能の見直しも考えているにも関わらず、学区自主防災組織には、なんら情報共有も、意見交換もなされていない。私たちは、行政の下請けではない!」というお声です。

 勝手に行政が、支所統廃合や市民センター機能等あり方検討を進めている印象を強く持っておられ、その担い手となる団体の理解は到底得られていないと感じます。行政が決めたことを、ボランティア組織である防災組織が、「はい、わかりました。」と聞く時代ではありません。三者協働の精神は、行政、団体、市民がそれぞれ協力し合いながら、物事を進めていくものです。
 たとえ「素案」であったとしても、なんら地域自主防災組織に情報共有や相談、意見交換がなかったことは、こうした三者協働の精神からかけ離れたものだと考えられます。行政には、「市民センター機能等あり方検討」を進めるにあたって、こうした担い手となる団体に理解が得られる行動をとっていかねばならないのです。


 ところで昨年度、防災対策特別委員会の委員長報告で、市民センター機能等あり方検討に関して次のように述べられています。





 
 まず触れられているのは、総務部と市民部の防災に関する課題精査は不十分であったということです。その上で、災害要援護者名簿の共有や保管を地域が担いきれるのか、地域の実情に応じて対応していくことが必要だと述べています。

 確かに、防災に関する事柄は、この間に行われてきた市民意見交換会では説明から省かれていました。(支所機能と公民館機能の話が中心となっていました)

 市民意見交換会の中で時折、質問に応じる形で市長が述べるのは、「以前、災害時に初動支所班の職員が避難所から離れた場所に住んでいて、到着が遅れ、避難所開設が遅れた。だから、地域が担うのがベターだ」というものです。
 これは平成25年の台風18号の際に、富士見学区で起きた件のことを言っているのだと思いますが、確かにこの時、避難所の鍵を持っていた初動支所班職員の到着が遅れました。しかし、この教訓を生かして、行政は初動支所班の職員を、その地域に住む人に切り替えるなどして、対応してきました。「地域が担えば、避難所開設もスムーズに行える」というのはハッキリ言って行政による判断ミスに対する問題のすり替えであります。
 地域に住む人を初動支所班に選定している現在の体制では問題があるのでしょうか?
 万一問題があるのであれば、自主防災組織に、緊急時の使用に限って鍵を渡しておくなどの対応で問題ないように考えられます。


 ところで「初動支所班」ってよくききますが、どういったことをするのでしょうか?
 行政が定めている役割は以下の通りです。



 初動支所班は、災害時にいろいろと役割を担って頂くのですが、支所統廃合後、もしくは公民館のコミュニティセンター化(地域が委託運営)の後、この初動支所班の役割と、地域の自主防災組織の役割に変更はあるのでしょうか?
 実際に行政が抱えている業務の一部 ~例えば、防災無線を用いた各所との連絡、防災情報システムによる情報収集・共有の業務など~ は自主防災組織が担うことになるのでしょうか。その時の責任の所在はどうなるのでしょうか?「自主防災会」のはずが、なぜか行政の下請けをすることになるのではないでしょうか。このあたりも、課題精査がぜんぜんなされていません。少なくとも自主防災組織への相談や意見交換の機会はありませんでした。

 こうした事柄を踏まえて、昨年度の公共施設対策特別委員会の委員長報告では、「災害時における市の責任ある対応を行うために、すべての市民センターに、地域の意向を踏まえた上で、市雇用の職員を配置すべき」と述べています。



(「平成29年度 公共施設対策特別委員会 委員長報告」)


 地味に、市民センター機能等あり方検討にあって、市民の生命財産に影響を最も与えるのは、この防災機能に関する問題ではないかと考えます。
 学区単位の「地区防災計画」の策定を、行政が地域にうながすのは良いのですが、市民センター機能等あり方検討の状況も説明を受けず、公助・共助・自助の議論ができる前提情報がないままでは、せっかく作る「地区防災計画」も、マニュアルの写しになり、いざというときに使い物にならないものになるのではないでしょうか?

 
 もうすぐ9月議会も始まります。私自身、市民センター機能の件については、今回も取り上げようと考えています。皆様からもご意見がございましたら、市民意見交換会の場で配布された資料の中に問い合わせ先が含まれておりましたので、ぜひメールでもお電話、FAXでも結構だと思いますので、直接、「市民センター改革推進室」宛にご連絡をして頂きたいと思います。







フジイテツヤ




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