会派「志成会」代表質問の答弁妙録③

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 代表質問は合計5項目行いました。
 本記事では残る3項目のうち、「ガス事業民営化」と「いじめ対策」について取り上げます。

 大津市企業局がこれまで直営で担ってきたガス事業を、大津市企業局と民間事業者が共同出資する会社を設立し、その新会社でガスの仕入れや販売を行っていこうとする方向で、現在検討が進められています。現在のスケジュールでは今年11月通常会議に、民営化に関する議案が議会に提出予定となっています。
 ガス民営化については、国が電力自由化に続き、ガス全面自由化(他業種からもガス産業に進出可能になった)に踏み切ったことから、大津市でも競争優位性を持たそうと考え始めたことから、物事が動いています。
 しかし市企業局が行った経営シミュレーションは恣意性が高く、合理的説明がなされていないことを、多くの会派が指摘したところです。(簡単に言えば、民営化したら、なぜか仕入れ価格が大幅に下がるという内容のものでした)
 今回の代表質問は、この秋に予定される議案提出に向けて、民間事業者を選定する第三者的な附属機関での審査にあっては慎重に行われることを期待し行ったものです。一度、民営化してしまえば後戻りはできません。議会が責任を持って承認を与えるからにはそれなりの説明がなされなければならないと考えています。

Q 事務執行の効率性の面から、議会に対して新会社設立前に十分な説明がなされていることが重要と認識するが、企業局はどの時期に、どのような事柄を議会へ説明しようとするのか。
A 本年10月の事業者選定後、優先交渉権者との間で基本協定を締結し、本市において新会社を設立する。市議会に対しては、企業機密になるものを除き、サービスの内容・計画などの提案内容について公表可能な限り説明したい。

(再質問)
Q 説明内容は民間から提案された経営シミュレーションも含むべきだが。
A 説明内容は優先交渉権者の名前や、審査委員会における評価点数など。また株式譲渡対価の額やその説明をしたい。経営シミュレーションについては、公表することについて優先交渉権者の権利や、競争上の地位などその他適正な利害を害する場合や、市の情報公開条例との整合性を配慮して、今後検討してまいりたい。

(再々質問)
Q 議会の審議に耐えられる情報提供をいただきたい。今後10年先、20年先にまで影響してくる話ですので、非常に慎重な審議が求められると考える。改めて必要な情報が提供されるのか見解を伺う。
A 企業秘密になるものを除いて、公表可能な限りの範囲で、しっかりと丁寧に説明していきたい。


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 続いて「いじめ対策」についてです。
 今回の通常会議には、国のいじめ対策推進法に基づく、再調査委員会の設置議案が含まれており、同時にこれまでのいじめ対策体制を改組するという説明が事前に議会へなされました。これまでのいじめ対策体制で、ある程度うまく回り始めていたのにもかかわらず、また特別に再調査すべき事案がないのにも関わらず、なぜこの時期にいじめ対策体制を見直そうと思ったのか、違和感を抱くとともに、釈然としない思いが湧いてきたことから、いじめ対策について取り上げることとしました。

Q 「大津の子どもをいじめから守る委員会」が担当する役割を今後、どのようなものにしようとするのか。
A 今回、再調査委員会を設置することにより、重大事態の再調査に特化した組織を作り、守る委員会には、よりいっそう、子供を支援する役割を担って頂きたい。

Q 法施行から4年半が経ち、現在大津市では再調査が必要な重大事態はないが、なぜこの時期に再調査委員会を設置しようとするのか不可解に感じている。ちょうど本年5月に大津中2いじめ自殺事件の民事裁判が大津地裁で結審するタイミングでもあり、この裁判との関係性についても考えを思い巡らさないといけない。
A 大津市では、法施行よりも条例が先行したため、「守る委員会」を再調査を行う機関として位置付けている。しかし「守る委員会」は相談があった場合、支援・調整を行う機関であり、「守る委員会」が重大事態に事前に関わることもある。また教育委員会では、附属機関設置から2年が経過し、委員改選や調査時に調査員を配置することとするなど公平性や中立性を高めたため、再調査委員会についてもより公平性や中立性の高い組織の必要性があると考えた。

Q 国の基本方針やガイドラインでは、委員の人選は公平性や中立性が強く求められるものであり、重大事態の関係者と人間関係があってはならないものだと思われるが、今回の議案にあっては、どのように国の方針と整合性を図ろうとするのか。訴訟における証拠書類等として再調査結果が用いられることも十分に想定されることから、当該委員の人選や再調査にあっては、どのように公平性や中立性を担保しようとするのか伺う。
A 文科省が示すガイドラインにもあるように、弁護士や心理の専門家など、いじめに関する専門的知識または学識経験を有する者であって、本市と利害関係を有しない者のうちから、当該保護者と協議のうえ、委員を委嘱することを考えており、大津市立中学校におけるいじめに関する第三者調査委員会をベースに、国の方針との整合性を図り、公平性・中立性を担保する。

(再質問)
Q この案件はすごく引っかかる。国のガイドライン等でも言われているが、いじめ事案の関係者と直接人間関係、利害関係を有する者ではない第三者ということになっている。先ほどの説明であれば、本市と利害関係を有しない者と、すり替えされている印象を覚える。いじめの加害・被害どちらにしても、そう言った方とは特別な利害関係を有していたり、人間関係を持つ方は、附属機関の委員になれない、選ばれるべきではないという国の見解ですが、その点について改めて伺う。
A 原則として、本市とも利害関係がなく、また関係者とも利害関係がない、それぞれ市から選ばれても、また被害者の方やその保護者の方が推薦される方でも、直接の利害関係がない方を委員として選任してまいりたいと思っている。

Q これまで行ってきた重大事態に関する調査結果も再調査の対象とすることはできるのか。また再調査時には知りえなかった新しい重要な事実がのちに判明した場合や、再調査委員が当該いじめ事案の関係者と直接の人間関係または特別な利害関係を有していたことが明らかになった場合も、再再調査を行うことに支障がないのか。
A これまで行ってきた調査結果も法に該当すれば再調査が出来る。また法では再々調査は規定されていませんが、再調査時に知りえなかった新しい重要な事実が後に判明した場合は補足の調査を行うことや、再調査委員が当該いじめ関係者と直接の人間関係または特別の利害関係を有していたことが明らかになった場合については再調査のやり直しを行うことが可能だと考えている。


藤井テツ





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