【一般質問解説⑤】 公共施設のあり方検討はダブルスタンダード?!

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 大津市は子ども施策については「将来展望人口」という甘々の推定指標を用いて、保育施設整備等を進めているにも関わらず、市民センターや学校統廃合などの議論では「将来推計人口」という現実的な指標を用いて政策検討を進めています。
 同じ市役所にあって、自分たちの都合のいい方の指標を使い分けるのはダブルスタンダード(二重基準)です。これがまかり通れば、もう何でもアリになってしまいます。最終的に自分たちに都合のいい指標を使えばいいわけですから。ガバナンスのあり方に関わる重要問題だと私は捉えています。

 この問題は6月議会の一般質問答弁を基に明らかになりました。
 ↗2017年7月13日ブログ記事「子ども人口減少を見据えた保育所整備を考えよ!」

 今回9月議会では、このダブルスタンダードに対する大津市の見解をストレートに聞きました。


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質問者:藤井哲也(太字)
答弁者:西田福祉こども部長


 保育施設マネジメントについてお伺いいたします。
 6月通常会議の一般質問で、将来の保育施設の過剰供給が生じる可能性について取り上げ、質問の中で、子ども人口の減少に柔軟に対応していけるように、保育施設の供給マネジメントの観点から提案を行いました。結果的には議論がかみ合わなかったように感じています。
 その後、質問及び答弁を検証したところ、その理由は、私は、大津市人口ビジョン記載の将来推計人口を用いていましたが、執行部側は将来展望人口を用いていたため、将来の子ども人口のシミュレーションに大きな違いが生じていたことがわかりました。どちらの人口推計、将来推計人口と将来展望人口を用いるかによって、保育施設整備のあり方、議論の前提は大きく変わると考えています。また、執行部が用いた将来展望人口は、13年後の2030年に合計特殊出生率を1.82、2040年に2.07に向上させることを目標にしたものである一方、教育委員会が進める小中学校規模等適正化ビジョンや市民部が現在進めている市民センター等機能あり方検討に当たっては、私が質問で用いた将来推計人口を用いています。同じ役所内で、公共施設のあり方を考える際に、将来推計人口と将来展望人口を都合よく分けていることにも問題があるように感じます。今後の保育政策を考えるに当たり、より現実的な将来推計人口を用いて将来施策展開をしていくべきと考えますが、本市の見解をお伺いいたします。


 将来必要な保育施設料を算定するためのベース指標についてでありますが、保育の必要量を推計する大津市子ども・子育て支援事業計画は、本市の総合計画の下位計画に位置づけているため、総合計画で用いている将来展望人口を使用しているものでございます。
 なお、将来展望人口は、平成27年度を基準年として作成されたものであることから、平成32年度から平成36年度を計画期間とする次期大津市子ども・子育て支援事業計画の策定に当たりましては、それまでの人口実績を考慮した上で、保育の必要量を推計してまいりたいと考えております。

 いずれにしても、小中学校等規模適正化ビジョンであったりとか、市民が進めてる市民センターの機能あり方検討においては現実的な推計人口を使ってるにも関わらず、何で保育園の施設整備に関しては、より楽観的といったらあれですけれども、将来的には2.07まで合計特殊出生率が回復することを前提とした指標を使ってるのか。これは、私は統一せなあかんのんちゃうんかなと。ダブルスタンダードやと思うんですよ。
 都合の良い方(将来展望人口)は、保育施設はまま造らなアカンからこっちの指標(将来展望人口の方)を使いますよと。
 そうしたら、縮小せなかん学校と市民センターについては、より厳し目の指標(将来推計人口の方)を使ってると、これはだめだと思うんですね。
 同じ役所内でなぜ違う指標を使ってるのか、これ、私は、よく解せない。あってはならんことやというふうに思いますので、見直しが必要だと思いますけれども、改めて見解をお伺いいたします。


 人口推計につきましてでございますけれども、これは、例えば人口の伸びを最小限に想定した場合の計画とは違いまして、大津市のこの子ども・子育て支援事業計画につきましては、例えば待機児童を極力発生させないという観点からも考えますと、やはり人口の伸びを最大限に考えた場合の数値を用いるというのが妥当であるというふうに考えていますので、この子ども・子育て支援事業計画につきましては、最大限の、最大将来展望人口と申します最大限の数値を勘案した人口推計を使用させていただくということでございます。
 ただ、これにつきましても、当然人口推計でございますので、修正等が必要な場合もございます。先ほど答弁させていただきましたとおり、来年度、子ども・子育て支援情報計画、5カ年計画を策定いたしますので、例えば、人口の伸び等が想定を下回った場合につきましては、それぞれの時点、時点で修正をするというふうに考えています。


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 以上がやりとりです。
 やはりダブルスタンダードでした。大津市が言うことは、学校規模適正化にも言えることであり、結果ありきで指標を使い分ける悪行です。市民をうまくだませると思っているのでしょう。これが越政治の根本だと私は思っています。(いや越市長だけではなく、行政全般に言えることかもしれませんが)

 ホンマに大津市はダメだと思います。


大津市議会議員 藤井テツ





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