【一般質問解説②】真野周辺の諸課題

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 9月議会一般質問2項目は私が住む真野地域の周辺諸課題について取り上げました。
 市議会議員は、地域代表的な色合いを持っています。市政全般にかかる普遍的な政策課題についてばかり取り上げてもいいのですが、地元地域からの声も議会の場を通じて市政に届ける役割も担っています。毎議会の質問で必ず1問は地元のことを取り上げており、今回も災害対応と道路整備について取り上げました。

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質問者:藤井哲也
答弁者:玉井未来まちづくり部長

 真野周辺の諸課題についてお伺いいたします。
 大津市北部にある私が住む真野という地は、天智天皇の時代より滋賀四豪の一つに数えられ、古代豪族、小野臣や真野臣など、和邇一族の居住地があったとされ、湖西最大の古墳群である春日山古墳群は、その名残であります。また、中世、近世には農業が盛んとなり、交通、物流の要衝として栄えてきました。大正時代、現在の国道477号と真野川がクロスする新宿橋の由来ともなっています西近江路の真野宿あたりから、かつて堅田内湖を経て堅田出来島のあたりを流れていたと考えられる旧真野川流域をなぞって新堀川が掘削整備され、真野と堅田内湖はつながり、水運を生かし、自動車が普及するまで大いににぎわいました。
 第2次世界大戦中前後に行われた真野川の治水工事により、河川軌道が確定し、戦後は田園風景と調和しながら市街地が形成され、旧堅田町と大津市が合併した1967年には2000人ほどだった人口も、現在では真野北学区も合わせて1万5,000人にまで増えてきました。
 近年、真野川河川敷で行われているふれあい鯉のぼり祭り「真野」では、比叡、比良の借景をかりて、100匹の手づくりこいのぼりが空の泳ぐ光景が風物詩となり、新旧住民の交流も深まってきています。
 ところで、真野の市街地形成に伴い進められてきた真野川河川改修計画は、県による用地買収の遅れなどにより、長年の間、動きがほとんど見られず、その影響を受け、国道、県道、市道それぞれの整備の遅れに影響を与えてきました。これにより、真野地域一帯の交通渋滞を招き、最近は市西北部地域の地域経済と生活利便性にも支障が生じてきているようになっています。そうしたところ、本年度に入り、琵琶湖大橋第6期事業による国道477号の4車線化整備の動きが目に見える形として動き始め、新宿橋付近の河川改修と橋梁敷設が予定されたことで、ようやく膠着した状態から動きが出始めてきました。
 本市では、新たに開けてきた堅田西口エリアと国道477号を挟み、びわ湖ローズタウンエリアをつなぐ都市計画道路の当該工区の整備が課題でありますが、このネックもようやく解消される見通しが立ったものと考えます。
 ついては、当初の完成年度から大幅に遅れている都市計画道路3.4.21号線本堅田真野線の第2工区整備に関し、今後は堅田西口エリアの発展とともに、新宿橋近辺から真野、中村を経て駅西口に抜ける生活道路への通過交通量が著しく増加し、安全性も懸念されることから、県道路公社と協議の上で早急に都市計画道路上の橋梁敷設を行い、全線の早期開通を求めるものだが、今後の整備方針と目指す供用開始時期をお伺いいたします。
 また、新堀川周辺の住宅地は、現在、ハザードマップにより浸水想定区域の設定がなされており、昨今の大雨により河川堤防越水が頻発し、今年7月には2度、床下浸水の危機が生じています。これには、堅田内湖の自動開閉水門からの流出量よりも近年の局地的な豪雨の流入量が多いこと、または内湖の基準水位が高目に設定されていることや、宅地や道路の建設等により従来からの田畑が果たしてきた貯水ダム機能が低下してきていることなどの要素が関係していると思われます。
 こうしたことから、先日、26世帯の署名をもって地元自治会が本市に対し、原因調査と改善策を緊急要望したところであります。ついては、新堀川の河川増水の要因に係る本市見解と今後の改善策をお伺いいたします。


 御質問にお答えいたします。
 真野周辺の諸課題についてのうち、1点目の国道477号の4車線化に伴う今後の都市計画道路3.4.21号本堅田真野線の整備についてでありますが、当該都市計画道路は、滋賀県道路公社が拡幅工事を実施する予定の新宿橋付近に接続するもので、この都市計画道路の整備に当たっては、国道の拡幅工事や新宿橋のかけかえに伴う迂回路の工事と密接に関係しております。このことから、道路公社が策定中の道路計画や施工計画と十分に調整を行い、円滑な事業推進が図れるよう努めてまいります。
 また、供用開始時期につきましては、現在のところ、未定であります。しかしながら、当該4車線化の完成予定が平成41年3月であることから、道路公社の施工スケジュールと整合を図り、完成時期を見極めてまいります。

 2項目めの真野、新堀川の浸水対策についてのうち、新堀川増水の要因に係る本市見解と今後の改善策についてでありますが、新堀川が流入している堅田内湖は、自動開閉水門で水位調整を行っており、その水位は、水門だけでなく、新堀川と湖西線が交わる場所においても検知できるシステムとしております。また、水位の設定については、利水も考慮したものであります。
 河川の増水の要因につきましては、議員お述べのとおり、いくつかの要因が考えられると認識しております。今後、関係部署において河川増水の要因調査を行い、改善策について検討してまいります。以上、私からの答弁といたします。


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 1つ目の質問の都市計画道路の整備については、国道拡幅が決まったことから、長年ネックとなっていた真野川河川改修(新宿橋付近)の整備方針が決まり、これに伴い、大津市の都市計画道路の整備の進め方もようやく検討できるようになってきたことから取り上げました。
 答弁では、市は慎重な言葉に終始しその点は残念でしたが、実際には今年度中に都市計画道路の設計に向けた動きが本格化することになりました。真野だけではなく、北部全体の交通問題でもありますので、大津市には関係機関と連携を図りながら、円滑に事業が進むように取り組んでほしいと思っています。

 2つ目の質問は、新堀川というところについて取り上げました。
 質問でも取り上げましたが、この川が近年、水位が高くなり道路に浸水し、周辺住宅の軒先まで迫ることも増えています。要因についてはいろいろと考えられるのですが、集中豪雨が増えてきたことや、堅田西口エリアの開発に伴い田畑が果たしてきた保水機能が低下してきたことも考えられますし、新堀川の土砂浚渫がほとんどなされていないこと、その他に堅田内湖の水門の開閉スピードが間に合っていないことも考えられます。

 いずれにせよ、こうしたもローカルな問題ですが、議会で取り上げることで、地域課題が一つでも解決されるように進んでもらいたいと思い、取り上げました。
 答弁では、大津市は今後、要因調査を行い改善策を検討していくということですので、その経緯をチェックしていこうと思います。


大津市議会議員 藤井テツ




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