2月議会一般質問解説⑤「都市計画道路3・4・52号の建設促進を!」

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 2月通常会議で取り上げた一般質問の3項目めは都市計画道路3・4・52号線の早期建設着工に向けた準備の進捗状況を確認し、市民の皆様への情報共有を図ると共に、市行政に対して圧力をかけるためのものです。放っておいたら行政はなにも進めない懸念もあります。議員がしっかり定期的に議会で取り上げることで、着実な進捗を進めることができると考えます。

 都市計画道路3・4・52号は大津北部の堅田駅西口と伊香立南庄を結ぶ建設計画道路です。
 20年以上前に道路建設が計画されました。この一帯は将来の都市計画を見据え、市街化区域に指定され「大津湖西台土地区画整理事業予定地」として、大手ゼネコンの㈱大林組が大半を所有しています。



 京阪グループによるローズタウンの開発がひと段落した1990年代前半に㈱大林組は、大規模なまちづくり構想の実現に着手しようとしましたが、その矢先にバブル経済がはじけ一旦計画はとん挫。その後、再び2000年代半ばに着手しようとしましたが、その際はリーマンショックの影響で事業を断念しました。その後、㈱大林組はこの地域での開発計画を中止し、その後は物事が動かない時期が続きました。
 しかしながら大津北部クリーンセンターの建設に約30年以上前、伊香立に建設しようとする際に、当時の大津市長・山田豊三郎氏が伊香立学区と覚書を締結し、この3・4・52号線の建設を約していたことから、この間、越市長と伊香立学区でのクリーンセンター建替え協議の中で、再びこの覚書が日の目を見ることとなり、新施設の建設に際して協議が進められてきました。いわばこの都市計画道路の建設は伊香立学区にとっては悲願とも言えるものです。
 ただ伊香立学区だけではなく、最近は国道477号線の慢性的な渋滞や、災害時の防災道路の必要性から、この都市計画道路3・4・52号線の建設は、真野学区や堅田学区からも強い要望があがっていましたし、人口減少が続く大津北部地域にあっては、この度策定された大津市都市計画マスタープランにおいても北部地域にとって大変重要な位置づけがなされました。

 そうしたことから昨年9月議会で進捗状況を確認しましたが、改めて次年度予算を審議するこのタイミングでその状況を確認しました。

【質問】藤井哲也
 昨年の9月通常会議において、堅田駅と伊香立南庄を結ぶ都市計画道路3・4・  52号の建設を含む大津湖西台の開発構想について伺った。これに対し、大林組所有地の譲渡交渉に向けた準備に入ると答弁がなされた。
 ついてはこれまでの大林組やその他の地権者との交渉準備の状況と、次年度の予算措置状況、今後のスケジュールを伺う。

【答弁】都市計画部長
 都市計画道路3・4・52号のこれまでの大林組やその他の地権者との交渉状況についてでありますが、先の津田議員に答弁いたしましたとおり、平成28年11月に大林組に対して用地取得に向けた実質的な交渉を進める旨を伝えた後、課題抽出に向けた協議を2回行ったところであります。
 この協議においては、まずは、現状把握を行っているところであり、具体的には、大林組の所有する約280筆の土地の所在、境界確定状況、及び所有権移転登記の手続き状況の確認を行っております。
 この協議においては、まずは、大林組において、境界確定や境界杭の設置、さらには土地の所有権移転などの作業を進めて頂く必要があることから、引き続き、大林組との協議を進めてまいりたいと考えております。
 次に、次年度の予算措置状況と今後のスケジュールについてでありますが、先ほど答弁いたしましたとおり、今後、大林組が境界確定や境界杭の設置、及び土地の所有権移転などの作業を進めるには時間を要するため、現時点では明確なスケジュールを示すことは困難な状況であり、来年度の予算は計上しておりません。
 以上、私からの答弁といたします。

 再質問では、大林組以外の都市所有者(建設予定道路の入り口を所有している事業者など)への交渉も同時に進めていくべきではないかと問いました。このままいけば、民民境界確定に数年を要し、そこから交渉が数年あり、さらにそこから他の所有者へ交渉を開始するとなると、次期都市計画マスタープラン期間中には、建設に着手できない可能性が高いと考えたことから問いただしました。
 市の答弁としては、まずは大林組の作業を見守るというものにとどまりました。


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 肌感覚としては決して建設計画を中止しようということは考えていないように感じますが、できれば判断を後世に委ねようという意図が感じられます。いわば時間稼ぎです。いまの市長任期では実質的に物事が進まないのでしょうか。かなり苛立ちを覚えます。
 かつてのように大規模なニュータウンを建設しようとするのではなく、立地適正化計画の策定を見据えて、エリア集約的な公共施設を置くとともに、北部地域の雇用を生み出す新たな産業拠点として開発する価値は十分にあると感じています。もちろん、都市計画道路が開通することで防災上も大きな意味がありますし、渋滞も大きく改善されるものと思います。
 あと都市計画道路で未整備となっているのは、たった800メートルです。この800メートルが開通されれば、一気に交通事情は解消されますし、まちづくりも一気に進むはずです。
 大林組には悪気はないと思いますが、ちんたらしている感を非常に感じます。そもそも2度も区画整理事業を計画していたにしては境界確定作業が遅れているのは、普通の感覚からして解せません。
 
 この問題を知らない地域の方も多いと思います。
 ぜひ多くの方にこの問題を知って頂き、地域で道路建設の促進に向けた機運醸成を図っていかねばと感じます。
 引き続き、この問題には意識を持って取り組みしていきたいと思います。


大津市議会議員 藤井哲也拝

 

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