平成29年度大津市一般会計予算案に対する登壇討論(2月議会最終日)。

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 大津市議会2月通常会議は、すべての議案採決を終え昨夜閉会しました。
 次年度予算案に関しては、単に反対するのでは議員として責任を果たせないため、最終的に学校開放事業などの増額修正を行った代替案を提出しましたが、残念ながら原案(市長案)が可決されました。以下、原案(市長案)に対する反対討論です。




【平成29年度一般会計予算議案の委員長報告に対する反対討論】

 議案第1号「平成29年度大津市一般会計予算」の委員長報告に対する反対討論を会派・志成会を代表して行います。
 今回の当初予算案は、市議会が決定した、平成29年度を初年度とし平成40年度までのまちづくりにおける目指す姿を示した大津市総合計画基本構想及び第1期実行計画の初年度であり、大きな時代の転換期である人口減少社会においても引き続き、市民生活の維持・向上を図るべく、持続可能で、住み続けたいまちをつくるための新しい第一歩を踏み出すものであります。
 老朽化が進む北部クリーンセンター及び環境美化センターの平成33年度以降の稼動に向けた改築整備や中学校給食調理場整備などの近い将来の財政負担に備えるための歳出抑制型の当初予算であると認識するところであり、市民ニーズを十分に満たしえないものとなった点については一定の理解をするところでありますが、以下5つの観点から現在の大津市行政が取り組むべき課題を指摘し、その課題解消がなされることを切に願い、委員長報告に対する反対をいたします。

1.「新しい公共」の時代にふさわしい行政機関の意識改革について
 第2期協働のまちづくり推進計画が策定されるところであるが、本市においては今まさに新しい公共への過渡期にある。市民とともに町の将来を考え、市民とともにまちづくりを進めていく中で、公共サービスを三者協働の観点から進めていくべきことは言うまでもない。現に学校規模適正化の検討を地域とともに行おうとする教育委員会の取り組みは評価されるものである。
 しかしながら、今回の予算審議で明らかになったように、学校開放事業における行政内部の決定事項を市民に一方的な押し付けをしようとする案件や、公設卸売市場内の事業者との協議不調の案件は、市民と行政との対等を旨とする「協働の原則」を逸脱したものである。
 また、市長は「ジュネーブ構想」なる構想を唐突に発表されたが、今後、重要な施策推進においては民意反映に努め、個々の事業の政策形成にあたっては市民や事業者との十分な協議の上、合意形成を図ることを求める。
 そうした点から、これまで毎年度実施されてきた市民意識調査が来年度は実施されないことは遺憾であり、調査の再開を強く求めたい。

2.事業のさらなる効率化について
 昨年10月の決算審査の際にも志成会・山本議員からも述べたように、800万円余りをかけて弁護士を雇用するよりも、ほかの手法を用いる方がより少ないコストで職員のコンプライアンス意識の向上等につながる取り組みが行えるものと考え、弁護士雇用の今後のあり方については早急に検討されることを求めたものですが、その改善がなされていません。
 また次年度予算において計上されている9000万円を超えるガス事業の官民連携手法の導入検討に要する費用を始め、女性も男性も参加できるビジネスコンテストの実施予算が1100万円を超えるものとなっているなど、何をもって最小の経費とされているのか、根拠が不十分に感じられました。
また、庁舎整備基本方針策定業務についても、その業務内容の精査・検討に専門知識や技術的な見識が必要となるにも関わらず、建築課には何の相談もされないまま、予算の積算根拠となる参考見積が徴取されるなど、縦割り行政の弊害も見受けられます。
 監査委員から透明性と公正性に欠けると指摘された観光プロデューサー出向負担経費を廃止したことは一定評価できるものの、今後一層の事業の効率化を求めるものである。そうした点では来年度から実施される施策評価の視点も含めた市民参加による事業レビューには期待したい。

3.懸案の着実且つ慎重な事業進捗について
 今通常会議でも谷議員が一般質問で取り上げた庁舎整備問題は、100億円を超える必要財源の確保も含め、今後の大津市政にとって最も重大な課題の一つであるが答弁では希望的観測に基づく不確実な財源が示された。
 災害対策の中枢的な役割を担う本庁舎については、早急に耐震性能の確保に向けた計画策定を行うべきであり、同時に懸案となる中消防署の移転先確保についても、移転先の有力候補となりうる、びわ湖大津競輪場跡地の利活用事業とも密接な連携を図りながら、着実且つ慎重に事業実施をすべきであり、現在の進め方には大いに問題があると考える。
 また私が一般質問でも取り上げた大津湖西台のまちづくり構想につながる都市計画道路3・4・52号の建設に向けた交渉準備についても着実な事業進捗を求めるものである。
  
4.公正で透明性ある市政について
 競輪場跡地の利活用にかかる公募提案型貸付事業者選定委員会においては5人の委員のうち市職員が3人を占め、残り2人のうち1人は市長の出身法律事務所から弁護士が選任されました。大津市附属機関等の設置及び運営に関する指針は、市の意思形成過程の透明性の向上と公正の確保を図るとともに、市民の市政への参画を一層促進することを目的として、附属機関等の設置及び運営に関し基本的な事項を定めています。市長の補助機関を構成する市職員をもって地域住民の意向を踏まえることを前提とするならば、そもそも、執行機関から独立して附属機関を設置することの意義が問われることになります。このような形で大津市としての意思が決定することは、あってはならないと考えます。
 また先にも挙げた観光プロデューサー出向負担金返還をめぐる監査意見では、本市の出向による嘱託職員の募集及び選考のあり方について、公正性と透明性の確保に留意すべきというものであった。本市行政においては早急に事務改善を図り、有為の外部人材を確保できるように規定整備を図らなければならない。

5.議会軽視の姿勢が見られる答弁の改善について
 最後に今通常会議において特に感じた議会軽視の姿勢が見られる答弁の改善についてである。
 ガス事業の官民連携手法の導入検討に関する質問に対して、山本公営企業管理者の答弁は要領を得ないものであった。会派を代表し、市長と公営企業管理者には強く抗議をする。今後は市民の負託を受けた議員からなる議会においては、大津市公営企業管理者として、自らに課せられた説明責任を果たされるよう、基本的な姿勢の改善と積極的な情報開示を求める。
 以上、委員長報告に対する反対討論とします。


 また、原案反対とセットの代替案(修正案)の提案説明は、同じ会派の谷議員がされました。
 提案説明の原稿はこちらです。


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 職員人事給与構造改革を伴う議案については、2012年に政策提言を行った案件であることから、賛成をいたしました。この件については後日、解説記事として記載をします、

 なお国交省から割愛人事できていた伊藤康行副市長が3月末で退職することになり、本日退職の挨拶が議会でなされました。次の職場ではご活躍されることを願っています。
 替わりに、国交省から官僚が副市長に来ることになりした。果たしてどのような方なのでしょうか?プロフィールだけ渡されて決めろと言う、一昔前のお見合い結婚のようなことを議案審議で強いられました。市長はとことん議会をなめていると思いました。
 新しい方はきっと良い方だとは思いますが、大津市民に対して議員は責任を負う立場であるため、賛成したい気持ちはあったとしても、実際に会ってもいない、話ししてもいない方を承諾することは難しかったです。他会派の議員は、どのように判断されたのかを本当に知りたいです。

 とりあえず長かった2月通常会議も閉会しました。
 そう言えば、これで議員2期目も折り返しを迎えることになります。
 市民の皆様のより大きな期待に応えられるように、これまでにも増して全力で頑張るのみです。


大津市議会議員 藤井哲也拝





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