住民監査請求に関する補足説明と、市総合計画実施計画パブコメ意見について。

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 先のブログ記事でこの度提起した住民監査請求の結果をご報告いたしました。
 少し補足をしたいと思います。今回、私が問題視したのは、大津市がなんら積算根拠なく(協定締結者=㈱LOCAL ROOTSからの見積書もなく)、双方協議の上、業者側の言い値である1200万円で契約したことにあります。出向者である檜垣氏には前年度まで所属していたリクルートに900万円で済んでいたにも関わらず、新たに檜垣氏が設立した会社には1200万円で契約を結びました。
 負担金額の多少というよりも、大津市行政のズサンな事務手続きに対して問題提起を行ったものでした。

 この住民監査請求に対する大津市行政の意見と、内部監査機関である4人の監査委員の総意は以下のとおりです。(ざっくりと纏めています)




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 まず思うのは、どう見ても、募集要領に記載されている「それ」という記載は、「出向元の規程」を指すのではないかと思います。(私の会は所属議員や市職員や友人知人にも聞いてみましたが、20人中20人(!)が私と同様に「出向元の規程」を指すと思われました。

 市の見解によれば、両者(大津市とローカルルーツ)が、それは1200万円を指していると認識していたので、私的自治の原則によって、他の者がとやかく言うべきではないし、実際に出向元(ローカルルーツ)が出向者(檜垣氏)に支払っている額が1200万円に満たなかったとしても、それで問題ないと両者(大津市とローカルルーツ)が考えているならば、これまた他のものが解釈をどうとか言うべきではないというものです。

 これを言い出したら、もはや何でもアリになります。裁量権の逸脱・濫用と言われても仕方ないように思います。

 しかも大津市行政は意見書において、「そもそも募集要領は、法的には申込みの誘因に過ぎず、契約の内容となるものではありません。募集要領の記載をもって、出向元との間での合意した協定書(平成28年度 出向者に関する協定書)に基づく支出が違法となるものではありません。」としています。

 双方合意の上で締結された協定書が実際には募集要領を上書きするものとなるのは分かりますが、それを言ってしまえば、もはや何でもアリです。民間企業間の取引ならまだしも、行政が言うべき言葉ではありません。募集要領は単なるアメで、集まってきた方と実際には話し合って決めますというのは、市民や事業者に納得されるものではありません。

 こういう無茶苦茶な意見に対して、監査委員は毅然と大津市行政の主張に対して意見を述べておられます。すなわち、市行政の考えるように一般的に応募者が理解できるかには大いに疑問があり、今後は公平性と透明性を確保したルール作りに着手すべきであるというものです。
 また私が「積算根拠を明らかにすべき」という主張も後押しして頂いています。

 監査委員は、行政(執行機関)の中にありながらも、独任制(長の指揮監督を受けない)の内部統制を行う機関です。札幌市さんの説明ページが分かりやすかったので以下に転載します。

 

 
 大津市の偏った考えに基づいた事務執行(在籍出向に関する募集・契約行為)が今後も継続されていかないように、改善を求めていくと共に、監査意見でも後押しして頂いたように、今回の観光プロデューサーの出向負担金の積算根拠と消費税の取扱いについては明らかにされなければなりません。


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 先般実施されていた「大津市総合計画実行計画(実施計画部分)案」のパブリックコメントが終わりました。今後はパブリックコメントを通じて出された意見をもとに、大津市行政が案を確定させていくことになります。

 市議会としても勿論これまで意見を述べる機会が設けられてきましたが、本件は「総務常任委員会」でのみ審議されたため、私が所属する「生活・産業常任委員会」では意見を述べる機会がありませんでした。そうしたことからオフィシャルに意見を述べる最後の機会であるパブリックコメント制度を用いて、私なりの意見を提出させて頂きました。

 大津市行政に提出した意見はこちらです。また、パブコメ案はこちらです。

 特に気になったのが、「施策指標」です。
 「施策」の下に「事務事業」が配されることになり、事務事業はどれだけ施策に貢献したか、また効率的に(費用対効果よく)事務執行されたかを評価されることになりますが、施策に置かれている指標が偏っていたり、想定される事務事業と関連ないものであったりしました。

 これは施策体系が全体として整備されていない(又は周知されていない)ことに問題があると言えます。それを一つずつチェックして今回、意見を記載させて頂きました。
 この段階から大幅な改善は期待できないものの、議決した総合計画基本構想・基本計画を前に進めるためにも、もう少しマシな内容に最終的にもっていってもらいたいと思いました。


大津市議会議員 藤井哲也拝




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