在籍出向の募集・契約行為に対して監査委員から厳しい意見!

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 前回ブログ記事で水曜日を完全休養日にすると宣言したものの、初週いきなり、「いじめ防止に関する行動計画(6か年)」の審査のため公務に励みました。
 定例議会が開催されていない時期は、平日より土日祝日のほうが忙しいことから水曜日を休みの日に設定しましたが、公務を優先し経営している会社も存続させながら、なんとか週1日でも休んでリフレッシュする時間を作りたいと思います。


 さて昨年12月17日に私が請求人として行った住民監査請求の結果を頂きました。
 これまでにも大津市行政が違法・不当に公金支出したとの思いから住民監査請求を行い、2013年11月に行った「笠松副市長(当時)と山本公営企業管理者(現任)に対する宿舎提供に係る利益返還及び住宅賃貸借契約に定める賃料等の今後における差し止め請求」については「一部棄却・一部勧告」の結果を受けています。
 監査結果はこちら(市HP) 当時のブログ記事はこちら


 今回は、ざっくり申し上げれば、大津市の観光プロデューサーの出向契約に関して、前年度までの900万円の契約から、同じ出向者であるにも関わらず1200万円に契約額を改定し契約が締結されたため、その差額分の返還を求めたものでした。

 結果は、不当に支出された公金返還については棄却となったものの、監査委員からは非常に厳しい意見が大津市行政に対して示されたものとなりました。

 監査結果(PDFデータ・1.4MB)




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 以下、監査結果から「結論」と「意見」を転載します。


結論
 以上のことから、観光プロデューサーの出向負担金に関し、請求人が適正な額であるとする960万円と本件協定書で定める1200万円の差額に当たる240万円は不当な支出であるということはできないから、その余の部分について判断するまでもなく、請求人の主張はいずれも理由がないものと認める。
 しかしながら、本件協定締結に当たり、支出しようとする金額について明確な積算根拠もなく、また、当該額が妥当な額であるかについての十分な精査もなされずに協定が締結されたことは誠に遺憾であると言わざるを得ない
 議会の議決を得た予算の執行に当たっては、市民に対する説明責任を十分に認識し、地方自治法その他関係法令等にのっとった適正な事務の執行に努めることが求められることから、次の通り意見を付す。

意見
 本件措置請求に対する判断については、前述のとおり請求に理由がないものとの結論に至ったが、請求人が今回、措置請求するに至った経緯は、平成28年度の出向職員の募集に当たり、募集要領において、「出向負担金は出向元が規定する給与等の額を超えることはできない」とされているにもかかわらず、その経費内訳を求めていないところにあると言える。
 これに対して、市長の意見書及び関係職員の陳述において、募集要領の負担金の意味について、法的な評価も含め説明がなされているが、募集要領の負担金についての記載から、応募者が市の意見書に記載されたように理解しうるかどうか大いに疑問が残るところである。
 民間会社間の協定であるならば、出向負担金額の決定金額の決定方法は出向元と出向先双方の合意があれば問題ないと考えられるが、特に公金支出につながるものであることから、募集要領については、応募者等にわかりやすく誤解の生じない記載とするとともに、協定の締結に当たっては、その負担金額の妥当性を説明できるものが必要であったと考える
 現在、本市においては観光プロデューサー以外にも在籍出向を受け入れている例もあるが、その受入れの在り方に関する統一したルールは定められていない。しかし、出向業務に関しては、労働法や税法等の関連法令に関して配慮すべき事項も多くあることから、大津市嘱託職員の報酬等に関する条例との関係を整理した上、必要に応じて国と民間企業との間の人事交流に関する法律に基づく官民人事交流制度を参考にするなどにより、市としてのルール化を図ることが必要であると考える。
 いじれにじても、本件協定書の出向負担金の積算根拠を明確にし消費税等の取扱いについても適正に処理されるとともに、今後、出向による嘱託職員の募集に当たっては、公平性、透明性の確保に十分留意されたい

 
 以上です。私が時間と労力を使ってわざわざ住民監査請求をした(資料収集や文書作成に約20時間費やしました)目的は、散財傾向にあり、身内で業務発注を繰り返している市観光振興課の暴走をストップすることにあり、そのずさんな事務執行やマネジメント不足を明らかにするものでした。
 残念ながら無駄に支出された公金返還は認められませんでしたが、非常にずさんな事務執行(募集・契約行為)であったことが明らかになり、募集においては公平性と透明性が欠けているという私の主張の大半部分が認められたものとなり、監査結果を一定評価したいと思います。

 現在、大津市の監査委員は4人で、いずれも越市長から提案され、大津市議会が同意して就任頂いています。その監査委員の総意(議決事項)として提起された「意見」について、大津市行政はどのように対応しようとするかが重要です。あらためて以下に監査結果から市に対する意見を列挙します。

●本件協定書の出向負担金の積算根拠を明確にされたい。
●本件協定書の消費税等の取扱いについても適正に処理されたい。
●今後、出向による嘱託職員の募集に当たっては、公平性、透明性の確保に十分留意されたい。



 住民監査請求の手続きについてもだいぶ慣れてきました。
 本来は議会にある調査権の活用や公文書公開請求で解決できることが一番ですが、監査委員のみなさんが中立の立場で行って頂く行政監査(調査)は、真実を明らかにするための一つのオプションだと考えるようになっています。あくまで中立的な監査・意見となりますので必ずしも私にとってプラスになるとばかりではありませんが、必要があればせっかくの制度ですので活用していきたいと思います。
 引き続き、行政には目を光らせて徹底したチェックをしていきたいと思います。

 
大津市議会議員 藤井哲也拝

 




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