9月議会の前半終了。条例&予算の討論と採決。

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 先週金曜日に9月通常会議の前半が終わりました。予算や条例等を審議し、討論・採決を行いました。後半は決算委員会が開催され、前年度(2015年度)の予算執行の状況を確認し、2017年度の予算編成につなげていくべく提言等を行います。

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 最終的に議案採決では「水道料金の値上げ条例」に反対しました。
 討論で水道料金値上げの反対理由を述べましたので、TPP批准に関する請願の討論と合わせて下記に掲載いたします。

 また2ヶ月にわたった議員インターンシップが本日終了しました。
 とりあえず様々な政務調査活動に助力をいただいたと思います。ありがたかったです。
 特に大津市の女性活躍支援の政策評価をお願いしました。いくつか鋭い視点から分析をしてくれましたが、インターン開始から一般質問までの期間が短く、本会議で取り上げるまでには至りませんでしたが、私自身の理解促進に大変役立ち、今後の政策提言に生かす材料をたくさん用意してくれたと思っています。

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【本会議 討論(水道料金値上げ議案とTPP批准に関する請願について)】

 志成会を代表して、今期通常会議に提出されている議案及び請願のうち、議案第179号「大津市水道事業給水条例及び大津市下水道条例の一部改正」と、請願第6号「TPP協定を国会で批准しないことを求める請願」の委員長報告に対する反対討論をいたします。

 議案第179号「大津市水道事業給水条例及び大津市下水道条例の一部改正」は、平成29年4月より、大津市企業局が供給する上水道料金を平均で19%アップしようとするものです。
 本会議での一般質問や会派での審査を通じて、将来にわたっての安定的な供給を確保するために、一定の料金値上げはいたし方ないと評価したものの、東海道沿線の近隣中核市や、滋賀県内の近接都市と比較した際、一般的な家庭における上下水道料金が最も高くなることは市民生活や地域の経済活動に与える影響を考慮すると、段階的な改定が相応しいと考えます。
 一般質問の答弁において、「仮に2段階で料金改定を実施した場合、2回目までの料金収入が現在の計画より減少し、その減少する料金収入を2回目の料金改定以降の収入に含める必要があるため、お客様の負担が後年度に重くなることから、2段階での実施は好ましくないと考えております。」とのことでした。
 しかし具体的にどの程度後年度に負担が重たくなるのか、附属機関「大津市水道事業経営検討委員会」における審議や、市議会での審議においても十分な説明がなされなかったと認識しています。
 本来、市民や事業者が負担すべき水道料金は、必要且つ最少限度の額でなければならないはずです。そうしたことから、企業局の経営効率化の今後4年間ないし8年間の進捗状況によっては、あらためて料金改定の必要が生じてきます。
 また草津市では想定した以上の利益が出たことから、水道料金を値下げして市民還元がなされていますが、本市においても同様に市民還元がなされる可能性があるのかを予め確認したところ、現在そうしたことは考えていないという回答でした。
 こうしたことを踏まえ、今後4年間、企業局の経営効率化がなされることを見極め、次回見直しのタイミングで、必要且つ最少限度の範囲で改定されることが適当だと判断したことから、本議案の委員長報告に反対するものです。

 次に、請願第6号「TPP協定を国会で批准しないことを求める請願」は、「農林水産分野の重要5品目などの聖域の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものとする」という国会決議に反するものであり、TPP協定の批准を行わないよう政府関係機関に意見書の提出を求めるものです。
 TPPについては経済連携ではありますが、環太平洋地域の安全保障にもつながるもので、戦略的互恵関係を築く観点からも大変重要なものと認識していますが、国民生活や経済、将来の社会保障制度に与える影響も同時に国家として考えなければならないことは言うまでもありません。
 これまでのTPPの交渉を見ると評価すべき点が多いものの、本請願にある通り国会決議にかなうものではありませんでした。政府は「総合的なTPP関連政策大綱に基づいて実行される措置」とあわせて、「国会決議の趣旨に沿っていると国民に評価されることを期待する」という表現にとどめています。
 実際、農林水産分野の重要5品目に限らず、全体で見ても、自動車の輸出関税は20年後にようやく全廃されるなど日本にとって大きく譲歩した内容のものと考えます。
ひるがえって自治体においては、TPP協定における公共調達分野の自由化により地域雇用や経済に与える影響が懸念され、本市においては「小規模・中小企業振興基本条例」などによって、市場の自由化に対する防波堤を張れていない現状にあっては、「ラチェット条項」などが含まれるTPP協定に率先して賛成の意を表明できる状態ではありません。
 こうしたことを踏まえ、TPPの批准を急がないことを政府に求める本請願の趣旨に賛同するもので、委員長報告に対する反対するものです。


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 「討論」はどの議員にも演壇に立つ権利があります。
 私は自分自身の意見を表明するために、ほぼ毎議会この「討論」をしています。
 正直なところ、「討論」は形骸化しています。「討論」を行ったところで、議案可否の態度変更に至ることはまずありません。討論及び採決を行うその日の午前中に議会運営委員会が開催され、議案可否の最終確認が行われているからです。もしこの態度を変更するようなことがあれば問題になります。(かつて変更された議員がいて私はその行動に敬意を持っています)
 
 しかしながら、「討論」には意味があると思っています。
 なぜ議案に賛成するのか、反対するのか。いつも大津市民の生活をイメージして、非常に悩んで私は採決に臨んでいます。そうした審査過程で明らかになった問題点や気づき、今後の課題などを公的にオープンにしておくことは非常に重要だと考えており、微力ですが、そうした認識を議会で共有することができれば、今後の政策形成過程や審査過程にプラスの貢献ができると信じています。

 また今回の水道料金の値上げの議案については、最終的に反対を致しましたが、ほかに方法がなかったのか今でも省みています。正直なところ、審査の期間が短すぎました。本会議及び施設委員会での審査だけで、納得ができたわけではありません。もしかしたら「継続審査」の手もあったのかと思いますし、反対ではなく、4年後の料金値下げも含めた改定の必要性を「附帯決議」として働きかける手もあったのかもしれません。

 引き続き通常会議後半戦に臨みます。


大津市議会議員 藤井哲也拝





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