【6月議会一般質問④】観光プロデューサー選考過程に係る疑惑について

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 本会議での一般質問は大津市議会の場合、議員からの質問及び行政からの答弁を合計して60分という制限時間があり、この制限時間を有効に活用して市政発展に対する提案や問題追及を行うことになります。
 6月議会ではこの60分間の制限時間の内、約25分を用いて「観光プロデューサー選考過程に係る疑惑」を取り上げました。

 一般質問が終了した直後に書いた記事(6月16日付)、生活産業常任委員会で本会議一般質問の補足という形式で説明がなされた時に書いた記事(6月22日付)、そして追加情報について書いた記事(6月28日付)とあります。これ以外にいくつか疑問・疑惑はあるのですが、とりあえず6月議会の一般質問の内容を報告いたします。

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Q 藤井
 観光プロデューサー年間予算1200万円の募集及び選考について、分割質問方式で行わさせていただきます。
 本市におけるこれまでの観光振興対策の取り組みについては、過去一般質問で幾度も取り上げてまいりましたが、私の評価は、政策全体の体系化がなされておらず、マーケティング発想に欠ける対策であったと評価をしております。優れた観光資源に恵まれる大津市において、そのポテンシャルを十分に生かしていない真因は、現行の観光交流基本計画やアクションプラン自体に問題があるほか、民間事業者との連携不足や、行政が発揮すべきリーダーシップが不足していることなどと考えられます。こうしたことから、現在進められている次期観光交流基本計画の策定過程やDMOの設置検討作業の中で課題を徹底検証した上で、地域経済に貢献し、中長期的視点から地域ブランドの向上につながる体系的かつ魅力的な施策が展開されていくことを強く求めたいと思います。

 最初に、次期観光交流基本計画やDMO設置協議に関して重要な役割を担うべき観光プロデューサーの募集及び選考過程に関しまして、以下質問を行いたいと思います。
 昨年まで年間900万円の予算で、課長補佐級の観光プロデューサーとして、株式会社リクルートライフスタイルから本市へ出向していただいていた檜垣 敏氏が引き続き本年4月から1200万円へ予算アップの上、本市観光プロデューサーとして働かれることになりました。

 まず伺いたいのは予算の妥当性であります。私はてっきり、檜垣氏より知識や人脈、分析スキルが高い人物を採用するものだと思い込んでおりましたが、今回同じ人物がこれまでとほぼ同じ仕事をするにも関わらず、出向に要する費用は300万円アップの年間1200万円となったことに大変驚いております。

観光プロデューサー報酬額

 現在の大津市長の年間給料は、期末手当を合わせまして1198万円余り、教育長と公営企業管理者は1158万円余りでありまして、参考ではありますけれども、私たち市議会議員の報酬が888万円余りであることなどを踏まえても、ひとり親方の会社代表である現在の観光プロデューサー出向費用が1200万円というのは相対的に高額に思われますし、職務給の原則の点からも、また規範となる給与制度の観点からも、その額面には違和感を覚えるものであります。
 もちろん観光プロデューサーに求める職務上の責任が市長や教育長以上のものであれば納得できますが、どのような基準に基づいて今回の事業予算を算定したのかを伺いたいと思います。
 また、今回の募集については、最初から檜垣氏を採用することを前提としたものではないかという疑念を私は強く抱いています。つまり募集が出来レースではないかという疑いであります。ついては、私の疑念を払拭していただきたく、以下の質問に答えていただきたい。

 1点目、総務部の正規ルートを通じた職員採用も考えられるが、今回応募資格としまして、個人としての応募は認めず、事業者に限定した理由を伺いたいと思います。

 また2点目、募集開始時期が年度末を迎える3月10日であり、実質的に他業者や個人の検討の幅が極端に狭かったと言えます。予算議決後の適切な時期に募集活動を行うこともできたはずでありますが、なぜこの時期に、議会に報告することもなく採用を始めたのかをお伺いいたします。

 また、募集状況や選考過程について、檜垣氏はイントラネットや職場での情報交換によって知り得る立場にありましたが、行政としてどのようなインサイダー対策を講じられたのかをお伺いいたします。

 4点目、選考委員3人は産業観光部長、政策監、管理監であり、檜垣氏と関係が深かったが、選考はどのように公平性を担保して行われたのか。書類選考や面接では具体的にどのような事柄がポイントになったのかをお伺いいたします。

 少し資料の説明をさせていただきます。

観光プロデューサー選考過程

 こちらが「観光プロデューサーの募集及び選考の流れ」となっております。
 3月1日に檜垣氏が会社を設立されました。そして、3月9日に募集が開始、決定されているというふうなことで、3月10日に予算委員会、本年度予算の生活産業分科会での審査があったところなんですけれども、こちらのほうで志成会の谷議員が質問をされておられますけれども、その日のうちに募集活動が始められているというふうなことになっております。
 3月24日、檜垣氏が代表を務める会社が応募、3月28日選考、その後に議会で予算議決、3月30日、そして試験の結果後に内定、そして4月1日から出向が開始されているという流れになっております。

観光プロデューサー応募書類

 こちらが応募書類、情報公開請求によって得たものになっております。2,000文字というふうなことで、このような内容のものを書いておられるということでございます。

観光プロデューサー評価集計表

 また、選考に関しましては、評価集計表というものをつけておられまして、こちらのほうで選考がなされたということになっております。

 なお、次回の募集においては、より優秀な人材へ門戸を広げるべく、応募条件の緩和や募集時期の見直し、また予算額に見合った職責、例えば部長級が私はいいと思いますけれども、付与などを図っていくべきと考えます。産業観光部としてどのような見解であるのか。また、市民や議会議員から疑念を持たれないような人材の募集活動とすべく、全庁的には今後どのような対策が考えられるのか、総務部から見解をお伺いしたいと思います。

A 山田産業観光部長

 まずはじめに、予算の妥当性についてでありますが、前年度までの出向元である株式会社リクルートライフスタイルは、地域の課題を解決することを通じて地域の観光振興、地域活性に寄与していきたいという意向がございましたので、給料相当分のみの900万円の負担金で了解いただいていた経緯があります。しかしながら、出向元の人材確保が困難になったため、改めて同社以外で人材を出向していただける事業者を探して、2社から見積もりを徴収したところ、同程度の人材を出向させるためにかかる人件費に、あわせて法定福利費など諸経費を含めた1200万円の見積額になったものであります。

 次に、募集活動について、個人としての応募を認めず、事業者に限定した理由につきましては、事業所として応募していただくことで、出向元の調査データやネットワークなどを活用することができ、また出向者が出向できない不測の事態に陥った場合でも、代替職員を出していただけるためであります。
 また、募集開始時期についてでありますが、4月1日からの出向を考えていたことから、募集時期が3月10日から3月24日になっております。
 募集要項の中で予算の議決を要することから、予算の議決がない場合は雇用しないという旨の記載をしております。

 次に、インサイダー対策についてですが、本件の募集に関する一切の協議等は、観光振興課執務室で行うことなく、別室の会議室で協議を進めるなど、配慮をしておりました。

 次に、選考についてですが、面接で出向予定者の資質、能力を評価するとともに、客観的な視点で評価できるよう、論文での評価もあわせて行い、今後の大津市の展望について具体的かつ実現可能な内容になっているかについても審査し、公平性を担保しております。

 次に、次回の募集における応募条件の緩和についてですが、出向という形で事業所とのネットワークを持つことの重要性を考慮いたしますと、応募条件を緩和する必要はないと考えており、募集時期の見直しにつきましても、年度当初から出向していただくことが事業の推進にも効率的かつ効果的であるため、見直しする必要はないと考えております。

 また、予算額に見合った職責付与についてですが、現在出向者として十分な職責を果たしていただいていると考えております。

A 上野総務部長
 市民や議員から疑念を持たれないような人材の募集活動とすべく、全庁的には今後どのような対策が考えられるのかについてですが、臨時嘱託職員の採用に当たっては「公募」を原則としており、その選考については、能力を客観的に判断するため、面接以外にパソコン実技など、業務に応じた適性試験を選考項目に加えることを説明会を通じて各所属に周知しているところでありますが、高度な専門性を必要とし、かつ報酬額が高額な場合は、より客観性を高めるため、部内の所管課以外の管理職員などが面接官となるなど、さらなる公平公正な選考を今後各所属に求めてまいります。

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 私からの再質問がこのあと続きます。文章が大変長くなってしまいますので、一度このあたりで区切って、次の記事にまとめていこうと思います。
 現時点で、いくつも疑問点が湧き出してきます。
 また総務部長は、今回の募集選考活動に明らかに問題があったという認識を示しています。


大津市議会議員 藤井哲也拝



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