大津市観光プロデューサー募集選考をめぐる疑惑について。

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 今回の一般質問でも取り上げた、大津市観光プロデューサー募集及び選考を巡る不透明な疑惑(私は官製談合ではないかと考えています)について、本日の生活産業常任委員会で市行政側から報告をしたいということで、報告を受け、質疑を行いました。

大津市生活産業常任委員会藤井哲也28年


 あらためて何点か質問を行いましたが、やはり私の疑念を解消できる答弁は得られず、大変残念ですがより疑惑は深まりました。書き出せばキリがありませんが、何点か疑問点を取り上げたいと思います。


【疑念】 産業観光部職員のみの内輪で全て決定され実行された

大津市観光プロデューサー募集選考過程

 募集要項の作成~募集活動~選考~内定決定まで、一貫して産業観光部内職員だけで決定され実行されています。仮に「職員採用」であれば総務部人事課がこうした過程に入ってきますし、「プロポーザル」であればプロポーザル審査委員会設置や、募集公告実施などの過程で総務部がかんできます。
 今回は極めてイレギュラーな事例を自ら作り出し、「出向」として産業観光部内メンバーだけの決裁で済むようになっています。現行制度の抜け道を利用した採用方法です。
 先の一般質問では、総務部長が「高度な専門性を必要とし、かつ報酬額が高額な場合は、より客観性を高めるため、部内の所管課以外の管理職員などが面接官となるなど、さらなる公平公正な選考を今後各所属に求めて参ります。」と述べている通り、本来は部外の管理職が内部統制の観点から、募集や選考過程に加わるべきであったと述べています。


【疑念】 一般質問における答弁と事業所評価項目が乖離している

 仮に適切に募集及び選考活動が行われたとして幾点もの疑問がある。一つは一般質問の際になぜハローワークなどを通じた公募にしなかったのかという質問に対する答弁で、「事業所として応募いただくことで、出向元の調査データやネットワークを活用することができ、また出向者が出向できない不測の事態に陥った場合でも、代替職員を出して頂けるためであります。」ということですが、選考で用いられた評価項目は以下の通りです。

檜垣敏観光プロデューサー疑念

 つまり、事業者の「出向に対する考え方」、「出向実績」、「出向者へのサポート体制」です。一般質問で述べられた、出向元のネットワークやノウハウなどの評価項目はなく、出向者が不測の事態に陥った際のリスクマネジメントに関する評価項目もありません。
 評価において重要視すべき事柄をなぜか評価要素に入れず、選考活動が行われています。
 気になるのは出向者本人に対する評価項目の多さです。事業者ではなく、最初から「人ありき」ではなかったのでしょうか?すなわち出来レースではないかという問題です。


【疑念】 檜垣氏の出向再開後に行われた契約案件で出身会社が受注した

 直接、募集や選考に関わる問題ではありませんが、私が疑惑を深めている一つの理由として、「観光交流基本計画策定支援のプロポーザル公募案件」において、檜垣敏氏が3月まで在籍した出身会社のリクルートライフスタイルが1社のみ応募し、受注している件です。額面は900万円超。
 契約自体はおそらく適正に執行されていると信じたいのですが、各種行政基本計画の策定公募案件において、応募企業が1社だけというのはあまり聞いたことがなく、違和感を覚えています。ましてや、受注した企業は、檜垣氏が3月まで在籍した企業となると疑念を抱かざるを得ません。
 そもそも観光プロデューサー自身が「新・観光交流基本計画の策定」を主要な業務内容としており、出身会社のリクルートライフスタイルがその策定作業の支援を行うというのは、外見的に「関係者」が集まりすぎています。

リクルートライフスタイル檜垣敏氏



 これら以外にも、常任委員会ではいくつか質問をさせて頂きましたが、納得できる回答はほとんどありませんでした。傍聴された市民の方が言うには、“たしかに「談合疑惑」は十二分にありうるかとは思います。”との感想です。
 議員の中には、市行政の説明で納得される方もいましたが、私としては到底納得できるレベルものではありませんでした。こうした案件を是とすれば、歯止めがきかずに、大津市のやりたい放題になってしまうのではないかと強い懸念を抱いています。

 またどうしても個人的に許せない問題として、政務調査過程において市職員から虚偽の説明が私になされたことである。
 今回の観光プロデューサーの募集選考過程が不自然で不正ではないかと調査する過程で条例にのっとり公文書公開請求を行い、後日開示された資料を確認したところ不明点があったため、庁内内線電話で確認したところ、この職員が対応し、(募集要項しかないということだったので、プロポーザル案件ならばあるはずの)「実施要領などはないか?」と尋ねたところ、「ない。」という回答を得、それに対して、「それではどのようなもの(どのような評価要素で、どのように選考するのかという基準、ルール)に基づいて、募集や選考を行ったのか?」と聞いたところ、「“プロポーザル案件に準じて”、募集や選考活動を行った」という回答を得ました。再度私が「プロポーザル案件に準じて?」と確認したところ、この職員は「準じてです。」と述べた。
 しかしながら、本日の生活・産業常任委員会における説明では、「“プロポーザル案件に準じて”とは述べていない」とのことであった。これでは私が本会議で嘘をついたことになる。私は鮮明にその言葉を覚えている。
 私はこのような嘘を平気でつく公務員を許せない。そしてこうした嘘をつかざるを得なくしたその上司を軽蔑する。組織を守るため、市民に対して平気で嘘をつくという性質を、この観光振興課はもっているのだ。


 本疑惑は今後も引き続き調査を行い、徹底的に追求をしていきたいと思います。
 それが大津市行政から普段は見えない不正行為の芽を摘む一助となることを願って。


大津市議会議員 藤井哲也拝






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