仕事を辞めたくなった新入社員の方へ。

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 4月23日(土)に開催する【ふれあい鯉のぼり祭り「真野」】が近づいてきています。
 是非、当日は見に来てください!!宜しくお願いいたします。
 (真野小学校グラウンドが臨時駐車場となります。)

 さて私にとっての新しいチャレンジ、大学院での体系的な公共政策に関する学びも、早1週間が経とうとしています。最初の1週間はガイダンスなどが中心で、まだ本格的な講義内容までは踏み込まれていませんが、すでに多くの気付きを得ることができています。講義中心の大学と違い、少人数(10人~40人)で実践的なケースを扱ったディスカッションなどが大学院の授業ですので、単に聞いて終わりではなく、現実的にどのように活用することができるのかであったり、思考力を鍛えることができたりと、すぐに議員活動にも生かすことができる点で、学び甲斐がすごくあります。大学院で得ることを、大津市民の公共福祉向上に役立てられるようにしていきたいと思っています。

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 ところで新たに社会に出た(この表現は私はあまり好きではないのですが、一般的に使われていますのでこのまま使います)新入社員の皆さんにとっても、激動の1週間だったと思います。
 これまでのお金を払って学ぶ立場から、お金を稼いで(社会や会社に貢献して売上利益を上げる)いかねばならない立場に大きく変わりました。学生時代にやっていたアルバイトも、言われたことを理解して卒なくこなせば問題なかったと思うのですが、社会に出て働き始めるとそれだけでは不十分です。もしアルバイトと同じような働きをしているようであればいずれ淘汰(リストラや後輩が入ってくる来年度以降、会社に居づらくなる)されてしまいます。

 私も今から遡ること15年前の2001年に大学を卒業して、人材派遣会社に就職しました。
 当初から起業することを胸にしまって働き始めたこともあり、創業資金や営業経験を積んだ後はさっさと退職して起業しようと思っていたのですが、入って間もなく、「辞めたい!!」と思ったことがあります。
 正直、口が巧い方だとは言えない私が営業マンとして成績を上位で上げるのはそんなに簡単でないことは予想していましたが、一番私がストレスに感じたのは、人間関係でした。特に直属の上司との人間関係はうまくいっていたとは言い切れない部分がありました。
 もちろん、私側に多くの問題があったとは思うのですが、パワハラチックな指導を受ける中で、精神的に疲れ、そしてサービス残業を通して「やっているふり」をしていく中で、体力的にも疲れていき、当時は創業資金を貯めるために滋賀県大津市の実家から、大阪の南森町まで通っていたので最初の1か月で本当に疲れ切りました。
 午前9時始業の会社であったものの8時過ぎには会社に入って準備をするルールとなっており、行きの電車内も睡眠時間にあてるため6時30分頃発の鈍行電車に乗っていきました。帰りは23時20分大阪駅発の最終電車で帰宅するのが常で帰宅していたのは深夜1時前でした。そこから夜ご飯を食べて風呂に入り、就寝していたのが2時くらい。毎日4時間弱の睡眠時間でした。
 結局、こうした生活を2年間続けたのですが、最初の1か月目は本当に堪えました。
 精神的、肉体的に疲れ、そして睡眠時間が少なくいつも「ぼーっ」とした頭で仕事をしていたので、自然と普段の力さえ出せずに、惰性の内に仕事をこなすことになっていました。

 そうした状態から少し改善があったのは、9月の人事異動で上司が変わったことが大きかったと思います。5月の段階で「やめようかな」と思い、8月の段階で「もう辞めよう」と思っていたのが、9月の人事異動で最大のストレス要因だった人間関係に変化があったことで、「もう少し続けてみよう」という心境の変化に繋がりました。
 その後の半年も、相当ハードに仕事をして疲れてはいましたが、時々、新規案件を受注したり、時には課内で達成率(売上/目標)が一番になった事もあって、徐々に仕事の面白さにも気づいていくことができました。

 20代の前半は長いキャリアを考える上で本当に重要な時期だと私は思います。
 失敗が失敗にならないという時期でもありますが、新たに社会に出るこの時期だからこそ、教えてもらえること、気づけることがたくさんあります。そうした意味で本当に重要な時期だと思います。
 闇雲に仕事をしていたとしても、それはそれで自分の中である日気づくものがあります。私の場合は営業をずっとやっていましたが、毎日電話で150件近くアプローチし、そのうちの10件でも担当者へ繋がり、そのうちの2、3件でも訪問アポイントがとれれば良い方でした。
 2、3件の訪問アポイントをしたとしても、実際に仕事をもらえるのは数か月先かもしれませんし、ずっともらえないかもしれません。確率論的に考えると、1か月で3、4件の受注を頂ける感じなので、1件の受注を得るためには10件の訪問が必要で、10件の訪問のためには少なくとも1か月で1千件の電話が必要となります。あるとき、「なんて非効率なんだろう」と思いました。「もっと違う方法で受注率、訪問率を上げることができないだろうか・・」と。
 個別具体的に書く場でもないので辞めておきますが、ある手法を用いて私は劇的に訪問率や受注率を高めることができました。私が「会社を辞めてもいいかな」と思ったのは、そうした気付きを得て、自分なりの営業スタイルの片鱗が分かってきたことも一つでした。

 今から思うと、「辞めたい!」「辞めたいなぁ」という時に辞めてしまっては、本当にもったいないと思います。どんなにブラックであったとしても(私がかつていた会社はブラック企業で無かったと私は思っています。世間からは今でいうブラック企業だと言われていましたが。)、得ることはたくさんありますし、私は厳しい会社、理不尽が多い会社ほど学ぶことは多いように思っています。確かに度が過ぎれば問題ですし、違法行為をしているなどは論外ですが。
 辞めていい潮時というのは、感覚的に「もう辞めてもいいかなぁ」と感じた時だと思います。
 そういう感覚になるまではまだ辞めてはもったいないと私は思います。

 社会的にみると、正社員で新入社員で働き始めた人が、3年以内に退職し再就職したとしても、正社員で就職できる人は6割で、残りの4割は非正規社員です。1年や半年、ましてや2,3か月で辞めた人は、本人がどう思うかは別として社会一般からは「すぐ辞めたやつ」というレッテルを貼られてしまいます。キャリアとしても認められず、学卒でもなければ、ある程度キャリアを積んだ転職者とも見られず、いわゆる「第二新卒」として扱われることになります。この分類の就職活動はなかなかハードルが高いと言わざるを得ません。最近でこそ、若干企業側の理解は改善されてきましたが、それでも第二新卒の就職活動は学卒などに比べて厳しいのが実情です。

 もし仕事を辞めたいと思った場合は、なぜ辞めたいのか、あらためて自分に問い直し、職場の人事異動で解決できる問題であるならば、上司や又はその上の上司に相談をしてみることが一番だと思います。自分でため込み、ある日「辞めたいと思います」と会社に持っていけば、会社も困惑するし、その時点ではもうどうしようもない状態になっているはずなので、解決はできないと思います。
 いまの時代、上司に求められるのは、部下を支援すること、育てることが一番の課題になっています。そうしたことから考えても、まずは上司(又はその上の上司)に相談をすることが大事だと思います。
 
 私の経済活動(会社経営、人事コンサルタント)としての専門性は、若者の就労支援、早期離職予防であり、このことを書き始めるときりがありませんのでこの程度にとどめておきますが、やはり新入社員の方は将来の日本を背負って立つ人材であると共に、一人一人が自律したキャリアを形成していき、一人一人が幸せな人生、家庭を築いてほしいと心から願っています。

 私が此のブログでこうしたことを書いたとしても、読んで下さる新入社員の人はほとんどいないかもしれませんし、社会に与えるインパクトも皆無かもしれません。しかし、入社して間もないこの時期、すでに辞めたいと思っている新入社員の方々には、25歳までに学ばねばならないことを自分なりに設定し、どうすれば今の職場で学ぶことができるのかを考えてほしいと思います。退職は次の転職先が見つかった時に限定するのがベストであり、それ以外の境遇であるならば問題を「解決する」のではなく、自分なりに「管理する」という考えに立って、物事にあたってほしいと思います。

 とりとめのない話ですが長くなりました。


大津市議会議員 藤井哲也拝





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