2015/06/23
おはようございます。
明日が6月議会最終日(討論・議案採決)で早くも改選後最初の議会が終了します。
4年間で16回の定例会があります。1回1回を大切に活動に励みたいと思います。
今議会では6つの質問を取り上げました。
4つ目の質問解説は「訪日外国人旅行者の誘客促進」、いわゆる「インバウンド施策」についてです。
私の質問は以下の通りです。
・本市は台湾訪問において、何をセールスしようとしているのかをまず伺い、
そして本市のインバウンド施策全体を貫く基本的な概念(コンセプト)は
どのようなものかを伺う。
・今後の中期的なインバウンド戦略及び目標値(KPI)を伺い、
本年度と来年度のその進捗目標を伺う。
これに対する答弁は以下の通りです。
・市長の台湾訪問では、「琵琶湖の素晴らしさなど大津市にしかない
強みや魅力」を伝え、台湾における本市の認知度を向上させることが
重要だと考えている。
・インバウンド施策全体を貫く基本的概念は、現在増えている外国人
延べ宿泊者数を更に増やすと共に、宿泊者に市内観光をしていただく
ことが重要であると考えている。そのために相手方のニーズ把握をする
必要があり、まずは情報発信などのプロモーションを行い、現地
エージェント(旅行代理店等)やメディアなどから意見を頂き、
それを反映した事業方針を考えていく。
・短中期的インバウンド戦略については、まずは本年度 本市の認知度
向上を目指してプロモーション事業を積極的に進め、現地エージェントや
メディアなどからの意見を参考に、本市課題を整理し、来年度以降は
今年度の事業成果を考察した上で事業戦略を定めていく。
・目標値については、インバウンド事業効果を測る指標として、
先進的な他都市の事例から見ても、外国人延べ宿泊者数が有効である
と考えており、今後これらについて検討して参る。
事業戦略・経営戦略を決定するプロセスは一般的に次の通りだと思います。
【第1段階】事業環境の分析(外部/内部)
【第2段階】施策全体を貫く基本的概念(コンセプト)や事業ドメインの決定
【第3段階】戦略のビジョン及び目標の設定(KPI設定)
【第4段階】戦略の策定
【第5段階】戦略遂行のための短中期目標及び事業や戦術等の決定
本年度、大津市は「インバウンド元年」ということです。
ということで、現在は【第1段階】事業環境の分析の前段階である、「マーケットリサーチ」に該当するようです。(いまさらか!!)
7月13日~16日にかけて、大津市長はじめ観光振興課職員が、台南市及び台北市(台湾)へセールスコール(商談)に行きます。11日夜には台南市でレセプションを受け、12日昼は大津市主催のレセプションです。その合間に台南市のエージェント1社と商談。その後、台北に移動し、3日目に現地エージェント3社と商談ということです。
今回質問に取り上げた理由としては、大津市が「売りたいもの」が明確でなく、またインバウンドにおける「戦略や事業内容」も定まっていない段階で、市長がわざわざ出向いても、単なる名刺交換の挨拶に終わってしまうのではないかという懸念が高いからです。
滋賀県や大津市内の民間事業者がすでに台湾政府筋と強いネットワークを持っており、そこにのっかる形である程度の人的交流を深めることができるかもしれませんが、それだけではないでしょうか。
トップセールスというからには、PRしたいものがあり、それを売り込みに行くものです。コンセプトも何も方針が固まっていないのに認知度を上げるというのは正直困難でしょう。
例えば、「大人向けか子ども向けか決まっていないけど、とりあえず魅力的な服の商品開発しようと考えている最中だが、まずマーケットで会社の認知度を上げるためおカネを使って広告を出し、ニーズを調査しよう!」と言っているのに等しいということです。
越市長はマーケットリサーチのプロなのでしょうか?そのような経験を積んできていないと認識しています。現時点ではマーケティングに強い観光課職員が調査をしに行くか、または得意のコンサル丸投げのニーズ委託調査をすればよいはずです。
多くの職員が同行し、多額の税金を使ってわざわざ「ニーズ把握」をしに行くのであれば、費用対効果に見合った相応の成果(マーケットリサーチ結果と分析、そしてインバウンド戦略立案)を期待したいと思います。
大津市には素晴らしい観光資源がたくさんあります。
観光振興施策を充実させれば、新しい雇用も生み出せるでしょうし、市民所得も増やすことができると思います。期待が大きい半面、どうしても不甲斐ない大津市の施策には厳しい目で見てしまいます。
格安航空と格安ホテルを使えば2泊3日・四万円前後で行くことができるようなので、私自身も身の丈に合った手段で活動チェックに行けるように、日程調整を含め現在検討を進めています。
大津市議会議員 藤井哲也拝