「1」 対 「他 全員」

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おはようございます。
大津市議会議員、藤井哲也です。

昨日はかねてご案内しておりました「第1期 議員活動総まとめ報告会」を開催しました。
この報告はあらためて別記事にてさせて頂きます。

さて2月議会最後の報告です。

藤井哲也一人だけ反対の意見書


4年間の議員活動で初めて、私一人だけが反対する採決がありました。

「時の記念日を国民の祝日に制定することを求める意見書」です。
PDFデータはこちら


西暦671年6月10日に近江大津宮にて、時の天皇陛下 天智天皇が、漏刻(水時計)によって初めて「時」を知らせたというのが由来で、現在 国では6月10日を「時の記念日」に指定しています。今回の意見書は、元自民系大津市議の方がまとめた要望書をもとに、自民党系最大会派が議会提出を企図し、最終的には共産党が対案として用意した意見書の採決がなされたものです。

意見書で言わんとすることは理解できます。また共感をします。
が、国民の祝日に加える場合の、様々な影響を考慮しているとはとても考えられません。

討論で申し上げたことは、
[1]非正規労働者は時間給・日給で働いている人も多く、そうした低所得者層は、祝日が増えることで自然と収入が減ることが想定される。
[2]中小企業や小規模事業者にとっては、電気ガスなどの月次サービス経費は変わらない中で、営業日数が減ることで、多少なりとも売上利益に影響を及ぼすこと。
[3]大津市民はそもそも6月10日を時の記念日と知っているか?ご当地である大津市の議会において国に意見書を提出することは一定の影響力があると考えられる。市民感覚とずれはないか。国に意見書を提出する前に、まずは市民との意見交換などが必要ではないか。

以上3点です。
まさかそうした問題を考えていないわけはないと思いますが、一人ひとりの議員に賛成理由を聞いてみたいところです。

ちなみに総務省の「家計調査」による各曜日と祝祭日等の平均消費額は以下の通りです。


月曜日 約6700円
火曜日 約6500円
水曜日 約6500円
木曜日 約6400円
金曜日 約7000円
(平日平均 6556円)

祝祭日   6677円
三連休  約6900円(1日当たり)
春の連休 約7300円(1日当たり)
秋の連休 約6500円(1日当たり)

つまり、祝日を増やせば消費が喚起されて雇用が新たに生まれるのではないか!と言う考えは、データを見る限り単なる妄想だと分かります。平日とそれほどかわりありません。
消費力を上げる一番の方法は、言うまでもなく労働生産性を上げること、技術革新をすることです。ワークライフバランスの観点で言うならば、年次有給休暇の義務化が議論となっていますが、それよりも1日当たりの就業時間を制限(義務化)することの方が重要に思います。365日のうち1日祝日を増やしたからワークライフバランス環境が向上するというのはありえず、休んだ分のしわ寄せは必ず次の日や次の週に来ます。

私はたった一人であっても、雇用支援の現場にいた者として、こうした拙速な意見書には断固反対をします。


大津市議会議員 藤井哲也拝





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