9月議会の一般質問⑤「市の就労支援体制の強化」

ホームブログ>9月議会の一般質問⑤「市の就労支援体制の強化」



おはようございます。
滋賀県の大津市議会議員、藤井哲也です。

昨日で長かった9月議会も終わりました。後半は昨年度決算の認定議案を中心に審議を行いました。結果報告はあらためていたします。

9月議会最後の質問解説は、「市の就労支援体制の強化」についてです。
大津市内にはハローワークが1カ所あります。京阪電車の島の関駅から徒歩3、4分のところにあるハローワーク大津がそれです。そのほか、県が滋賀労働局と共に運営する「滋賀県求職者総合支援センター」がJR大津駅徒歩1、2分のところにあります。しかしいずれも湖西在住の住民にとっては交通に難があります。湖西在住者(特に坂本以北)は東海道側に行こうと思うと、公共交通機関の場合、いったん山科駅経由で東海道線(琵琶湖線)に乗り換えるか、大津京駅で下車して京阪電車に乗り換える必要があります。ただでさえ生活に困る失業状態であるにもかかわらず、往復1000円近くのおカネを出して、ハローワークに通わざるを得ません。

しかしながら今年4月に大津市役所内に「生活困窮者(生活保護受給者など)」に利用対象者を限定した就労支援窓口が開設されました。これは厚生労働省の「国と地方との一体的実施事業」(※1)によるものです。

ただ問題なのは対象者を生活困窮者に限定していることで、実際本年4月~7月までの利用者は限られるほどしかおられず、2名の就労ナビゲーターやスペースのキャパシティを考えると、受け入れ余力はあると判断しました。

(議会での一般質問の原稿から抜粋)
本年4月、本庁舎新館1Fに滋賀労働局との協定により、生活困窮者対策の一環として生活保護者等を対象とした「福祉就労支援ステーション」があらたに開設された。この間、開設月の4を除き、7月までの3カ月間で33名が利用され、うち11名が就職決定された。単純に年換算すると、130人程度の利用者を見込み、40名強が就職決定する(約30%)ものと推測できる。この数値について、一定の評価をするものの、なお受け入れ余力はあるものと考えており、利用対象者をもう少し広げることで、より効率的で住民ニーズを満たす場になると確信している。同じく手上げ方式により同様の事業を展開している人口約5万人の野洲市にあっては、昨年度、新規相談者が243人に上り、うち145人(約60%)が就職決定されている。数値的には大津市の倍近い利用で、就職決定率も倍近いものとなっている。この差には大きく分けて2つの理由があると考える。1つは大津市の場合、労働局との協定内容において「一般求職者を除外する規定」が記載されており、利用対象者がかなり絞られるのに対して、野洲市は協定でそのような縛りをかけておられず、実際、「相談申込・受付表」さえ記載すれば、生活保護受給者等に限らず広く利用可能としていること、2つ目は野洲市の場合は担当課が直営の良さを生かし、庁内外連携のコンシェルジュ的立場として機動的に活動し、生活困窮の根本原因の解決に向けて各種アプローチを図っていることが挙げられる。
(※2)


もしこの拠点を一般求職者、少なくとも就労希望ママや障がい者など移動に困難が伴う方に広げることができれば、少しでも就労支援の強化につながるのではないかと思います。

ハローワーク26年9月


大津市長も待機児童対策はじめ女性の就業支援には熱心に取り組みたいことを、かねてより述べています。私の周りの人も子育て世代のためか、ハローワークおおつまでの交通不便に付いては常々効いておりますので、この際 市役所内に「就労希望ママ用のハローワーク」を設置してはどうかと考え、議会で提案を致しました。

また合わせて、求職相談中じっくりと話ができるように、託児できる環境もなくてはならないと考えました。市役所内に託児ルームを設け、市役所に来訪する様々な相談者にも利用頂ける一時託児ルームを設置すべきとも考え、関連して提案をしました。
大津市役所本館5階には、もともと食堂が入っており、現在は誰も使っていない休憩スペースがあります。このスペースを有効活用できると考えたのです。

託児ルーム候補26年9月


この質問をするために、約1カ月かけて滋賀労働局や野洲市、市内の就労支援の場に赴き、現地調査や意見交換を行ってきました。生活困窮者に限定した現在の大津市の協定は変更可能との確信を持ち、質問に臨みました。この質問の作成にあたっては、議員インターンシップに来てくれた4人の学生の力も大きかったと思います。あらためて感謝申し上げます。


さて市の答弁ですが、結論を簡単に述べますと、
● 生活困窮者の就労支援に支障がなければ、対象者拡大を妨げるものではない。
● 今後、滋賀労働局などと協議をして対象者を拡大できるか検討していきたい。
● 市役所内に託児ルームを設置するかは、財源やスペースなどの検討課題があるので調査していきたい。

というものでした。
私としてはおおむね了とする答弁です。来年4月の議員任期終了までに、案件進捗状況を確認したいと思います。


さて台風が再び近づいてきました。
日曜日に各地で開催される予定の学区運動会に影響が出ないか心配です。


大津市議会議員 藤井哲也拝



【参考】
1:「国と地方の一体的実施」(厚生労働省HP)
2:藤井哲也 平成26年9月議会 一般質問原稿 (PDF)








▲ページのトップへ