一般質問の解説④『市民意向の施策反映を適正に!』

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おはようございます!
滋賀県の大津市議会議員、藤井哲也です。

本日、知事選挙告示日です。7月13日までの短い期間ですが今後4年間の滋賀県の行く末を決める重要な選挙です。ある政治哲学者は「選挙の時だけ主権は国民に戻ってくる」と言いました。いまの大津市長を見ていると、「私の言うことがすべて」とばかりにやりたい放題やっていますが、滋賀県という単位でも同じようなことが起きないように、聞き良いキャッチフレーズや政策に左右されることなく、「そうした政策をどのように実現するのか」「そうした政策を実現できる器量を持っているか」という点から判断すべきと思います。

また、東京都議会でみんなの党の女性議員の質問中に「子どもを産めないのか」であったり、「早く結婚した方がいいんじゃないか」という野次が飛び、大変な問題になっています。
自分が発言したとして自民党の議員が謝罪をして、会派離脱の意向を示したと報道で見ましたが品格を疑います。私も議場では時折、他の議員から野次を受けますが、さすがにここまで人権侵害の野次ではありません。絶対に許されないと思います。
いまだ名乗り出ていない議員もいるらしいので、自ら名乗り出て頂きたいと思います。


さて前置きが長くなりました。
6月議会の一般質問の第4項目めは「市民意向を施策に適正に反映を!」というものです。


【質問の背景・趣旨】


市長は選挙で選ばれたからと言って、なんでもやりたい放題やっていいわけがありません。原則的に10年スパンの「総合計画」に沿って各施策を実施していくことになります。
ただ10年間もの長い期間では当然、計画の修正も必要になってきます。会社経営でも言えますが、計画通りいかないのが計画で、「まずはやってみる」というところから始まり、やってみた結果を検証し、修正プランを考えるという、いわゆる「PDCAサイクル」をまわしながら、事業を進めていくことになります。

今回の一般質問では、市民意向が適切に次の施策に反映されていないと考えたことで行いました。
つまり、平成24年度に行われた「市民意識調査」では、


《例1》「個性あるまちづくり」の市民アンケートによる改善指数は14.6ポイントと「最も改善が必要である!」市民と考える施策にも関わらず、大津市が行った評価では「市民意向が低い」とされています。

《例2》「都市のバリアフリー化」の市民アンケートによる改善指数は13.1ポイントとなっており、「改善が必要」と市民が考える施策にも関わらず、大津市は「市民意向が低い」と評価しています。

《例3》「まちづくりへの男女共同参画」の市民アンケートによる改善指数は9.9ポイントとなっており、「57施策中、もっとも改善を求めていない」と考える施策であるにも関わらず、大津市は「市民意向がとても高い」と評価しています。



簡単にまとめると、「市民アンケート」は次年度の施策に適切に反映されていないということです。
市民の意向に関係なく、大津市は勝手に市民意向が「高い」または「低い」と評価しており、市民無視といって過言ではありません。

また、「市民アンケート」だけでは市民が一体どのような改善を求めているのかも分かりません。例えば、平成25年度に行われた市民アンケートによると、改善指数が高いのは「青少年の健全育成」や「行財政改革」です。例えば「行財政改革を市民は改善を求めている」と分かったところで、いったい大津市は何をすればいいのでしょうか。
市民アンケートの分析をするにも、材料が不足しすぎており、全く的外れな行財政改革に着手してしまいかねません。

こうしたことから私としては「討論型世論調査」の導入を提案しました。
討論型世論調査について(慶應義塾大学DP研究センターHPへリンク)


【政策調整部長の答弁趣旨】

市民アンケートの施策評価への反映は、「改善指数」だけではなく、「改善指数」の算定のもとになっている「重要度」や「満足度」なども考慮して行っている。とのことでした。

また、討論型世論調査の導入については課題はあるとしながらも、導入に向けて検討をするとのことです。


【質問後の感想】


質問の前日になって急遽、政策調整部は施策評価担当課に対してメールで、
『過去からの採点に捉われることなく、「満足度」と「重要度」の数値や平均点からの乖離などを見ながら市民意識調査全体を踏まえ、かつその他客観的データなどを総合的に判断して、的確な採点に努めてもらいますようお願いします。』と通知をされました。一般質問前日の通知は、これまでの評価が適切でなかったことの裏返しだと私としては認識しています。
最近ではこうした情報を提供してくれる職員さんも多く筒抜けです。
逆に、一般質問の事前通告前の私の原稿が、なぜか市執行部に流れていたこともキャッチしています。私自身も情報管理に気をつけないといけませんが、「事前通告」という議会のルールを侵した職員がいることは残念でなりません。それならば「事前通告」という制度そのものを止めた方がいいと思います。

さて中野政策調整部長の答弁ですが、そもそも、市民が「もっと改善が必要だ!!」と答えている項目を、市は「市民意向は低いと評価」しているわけですから、詭弁です。
市民意向の適切な反映をできていないのにも関わらず、如何にも出来ているように述べるのは市民への冒涜としか言えません。嘘八百述べるのは本当に辞めて頂きたい。

なによりも、各課へのメールに記載の「市民意識調査全体を踏まえ、かつその他客観的データなどを総合的に判断」するのは政策調整部の役割です。人事評価に喩えるならば、各課が自分で立てた目標を自分で評価(一次評価)して、それで終わりとなっているのと同じです。
政策調整部という部署名の通り、政策(施策)の評価結果をあらためて検証(二次評価)しなければなりません。ただ単に事務的に取りまとめをするだけであれば、政策調整部は「外部委託」で十分です。またはアルバイトで十分可能です。一人当たり年間600万円、700万円の人件費は年間300万円、400万円に置き換え可能です。厳しい言い方ですが、いまの働きであるなら、税金の無駄遣いなので全員辞めてもらって結構だと思います。

もう一点、「討論型世論調査」については検討をして頂けるとのことですので、提言が一部受け入れられたものと考えています。「青少年の健全育成」や「行財政改革」について、市民が具体的にどのような改善を求めているのか、もう少し市民を交えて分析をして頂きたいと考えています。現状の市民アンケートの施策反映の仕方は単なるパフォーマンスとしか思えません。政策調整部の本来求められている機能が発揮されることを強く願います。



大津市議会議員 藤井哲也拝



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