公共施設のあり方検討は、公共サービスのあり方検討であるべき!

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おはようございます。
滋賀県の大津市議会議員、藤井哲也です。

茂呂治副市長が辞任されることが報道されてから、市役所内がざわついています。
あわせて6月議会には後任の教育長が出てこないことが市長により報告されました。
現在、教育長の職務は市職員が代理で行っており、法で規定された教育行政の独立性が損なわれています。また教育委員も4人の状態が続いており、違法状態のまま重要事項を審議する会議も開催されています。大変な事態であり、現在この件に関して市長に対する問責決議案の提出を考えているところです。


ところで昨日は、「公共施設対策特別委員会」の協議会が開催されて、市から現在の問題点や今後の懸念事項について報告を受け、私からも意見を申し上げました。

私から申し上げたのは以下の図の内容です。


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●本庁舎整備と公共施設整備がバラバラに検討されている
市の当面の懸念事項として、市役所本館・別館庁舎(本庁舎)の建て替え問題があります。
詳細の記載は控えますが、震度5強で現在の市役所は崩壊することとなっており、災害時の行政機能の維持(業務継続)の観点から、耐震補強または庁舎建て替えの必要に迫られています。
トレンドとしては市役所隣接国有地を購入する流れとなっており、この場所に建替えをするようになると思います。
また、これとは別に、市営住宅や支所・市民センター、学校園などの公共施設のあり方検討が進められています。つまり、人口減少や施設維持に関する財政負担の予想を踏まえて、施設の統廃合や複合化などが検討されていきます。
以上2事案が現在同時に進められているのですが、本庁舎整備が政策調整部、公共施設整備が総務部と違う組織が担っています。縦割りだからかわかりませんが、本来は一緒に検討すべき事項にも関わらずバラバラに検討が進められています。

●本庁舎に求められる機能は?支所・市民センターなどに求められる機能は?
バラバラに検討をされるにしても、根本のところがつながっていればいいのですが、委員会で質問をして分かったこととして、本庁舎整備と公共施設マネジメントの両検討については何ら関連した検討がなされていないことです。
本庁舎に求められる機能はどのようなものなのか?また支所・市民センターに求められる機能はどのようなものなのか?一緒に考えていく必要があります。

●公共施設は誰の所有物か?
そもそも考えなければならないのは、公共施設は誰の持ちモノなのかということです。
当たり前ですが、市民の持ちモノです。市役所ひいては市長の持ちモノではありません。市役所は市民から公共施設を預かっているにすぎません。

●30年先、市民が求めている行政サービスを把握すべき。
そうしたことから、市役所が独りよがりで進めようとしている現在の検討は非常に問題があります。
検討の進め方としては、
①30年先を見通して、市民が求めるサービスを把握する
②その求めるサービスを提供するためにどのような行政機能が必要なのかを分析する
③分析した行政機能に基づいて、本庁舎にどのような機能を置くのか、そして支所や市民センターにどのような機能を置くのかを決定する
④そして本庁舎、支所・市民センターに求められる機能を発揮させるための施設スペースや設備を整備する
⑤最後に、本庁舎の建て替え計画を策定し、公共施設マネジメント計画を策定する。
という流れになるはずです。

●公共施設のあり方検討は、公共サービスのあり方検討である。

そうしたことから、「公共施設のあり方検討」は換言すると、「市民が求める公共サービスのあり方検討」と言えます。
重ねてになりますが、公共施設は市民の所有物です。どのような公共サービスを市民自身が求めているのかを把握せずして、独りよがりで本庁舎整備並びに公共施設マネジメントを進めることは、行政の暴走です。
市民意識調査には、市民が「高負担で大きなサービス」を受けたいのか、「低負担で小さなサービス」を受けたいのかをハッキリと聞くべきです。つまり将来、大津市民はどのような公共サービスを求めているのか、そして求めていないのかを聞くべきであります。

●将来のことを考えるには、若い職員が議論に参画すべき。

委員会で最後に述べさせて頂いたのは、30年先も市役所に残っているスタッフが議論に加わるべきだという問題です。現在、公共施設マネジメントを進めているのはそれなりの責任ある役職の方ばかりです。それはそれでいいのですが、これに加えて若手スタッフを議論に参画させるべきです。30年先も職員である人物が入らないと、目先の事柄中心になってしまいがちですし、将来にわたって責任を持った判断がなされない可能性もあります。
実はこうした示唆は、今年の1月27日に千葉市役所に行った際に、先方より教授頂いた事柄です。若いスタッフを議論に入れるべき、そして施設というハード面の整備を考える時には、機能面を優先して考え、本庁舎と支庁舎との機能分散をまずは考えるべきというものです。
【参考】2014/2/16ブログ記事「千葉市行政視察(1月27日)の報告。」



とりあえず6月に市民向けの意識調査がなされるとのことです。
私からの意見に対して、本庁舎に求める機能についてもアンケートに含めるか改めて検討をするとのことでしたので、そうなるように心より願います。そうした本質的な事柄を聞かない調査では実施する意味が全くありません。


大津市議会議員 藤井哲也拝



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