「大津市ごみ処理施設整備検討報告書」のズサンな内容②

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おはようございます!
大津市議会議員 藤井哲也です。

一件報告ですが、以前私が議会で取り上げた「ごみ置きケージの施設更新補助金の創設」に関して、この度 大津市では補助金制度を新設いたしました。
設置及び改修費用の半額まで補助金が出ます。総額も決まっていますので、ぜひお困りの自治会やゴミ集積所を欲しておられる自治会に準じる方はお申し込みして頂きたいと思います。
【参考】大津市ホームページ「ごみ集積所の設置や改修に対する補助金制度について」 / PDFはこちら
【参考】平成24年9月18日記事「9月一般質問④『ゴミ置き場、資源ゴミ持ち去りについて』」


さて、少し前に記載しました「ごみ処理施設整備検討報告書のずさんな内容①」の続編です。
①では、作為的に計算の前提となる条件を操作して、なんとしても「2か所4炉(北部2・中部2)」が最も経済性が良くなるようにしているカラクリを具体的数字を明らかにして暴きました。


②では、①では計算から除外した「ごみの収集運搬経費」について、ズサンさを明らかにしたいと思います。

現在の大津市内のクリーンセンター立地を示した地図が以下のものです。

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今回の大津市が独自に行った検討によると、ごみの収集運搬費は以下の通りです。(p34)

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この段階で既にズサンなのが露呈しているのですが、平成23年度の決算書を見ますと、ごみ収集運搬費は年間約10億円弱です。
平成32年のごみ量は、平成23年と比較して96%(7万9011トン/8万2234トン)です。
つまり、収集運搬費単価が変わらないならば、上表で計算されているような年間8億2900万円ということにはまずなりません。
この報告書に記載されている「収集運搬費用」は、現時点の決算数値を考慮に入れず、ゴミ減量の推移を考慮しない、恣意的に操作した計算によるものだと言えます。

また「ケース②(中部1か所)」と「ケース③(北部+中部+南部)」の年間の差額が、たった5千8百万円しかありません。
大津北部からわざわざ中部まで持って行くのや、瀬田の唐橋を越えて瀬田地域のごみを中部に持って行くのを、ごく普通に考えると、この計算は不可解極まりないと思います。

おそらく、ゴミ置き場からクリーンセンターへの距離を測り、距離に応じて収集運搬単価を掛け合わせたものと思われますが、ここにも大きな間違いがあります。

つまり、収集してもゴミ収集車(パッカー車)がいっぱいになれば、一旦クリーンセンターに持って行って、そこで中を空にして、再度、収集に回っているのが実情です。
もし市の方針の通り、北部+中部という体制になったならば、瀬田地域のゴミについては、「収集」→「クリーンセンターへ運搬」→「収集」→「クリーンセンターへの運搬」と、単純な距離ではなく、必要以上に距離や運搬時間が必要となってきます。
正確には計算しなければわかりませんが、市の計算よりも「焼却施設2か所体制(北部+中部)」や、「北部+南部」にしろ、収集運搬費は高くなることは確実だと思います。

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その他いくつか「報告書」の問題点を指摘しておきます。

●「中部クリーンセンター」施設内にパッカー車などを停める場所がほとんどない。(p47参照)
 予定されている施設配置平面図によると、「中部」にはパッカー車などを停める場所がほとんどないことがわかります。しかも「中部」については用地買収(拡張)は行わないということなので、この状況に変わりはありません。現在の「中部」をご覧になられた方なら分かると思いますが、すでに通路にも自動車が停められており、更にここにリサイクル施設などを設定する等、不可能としか思えません。

●「中部クリーンセンター」への入口が非常に混雑する。
 現在の「南部」のゴミも「中部」に運び込まれるため、クリーンセンターへ出入りする収集車数も増大します。近隣の方はご存知の通り、西側からクリーンセンターに侵入する場合は右折が必要です。朝の収集時間帯はこの付近は非常に混雑することが予想されます。また上記にも記載しましたが、施設内に収集車があふれかえるような場合は、クリーンセンター内に収集車が入れず、混雑を越えて混乱をしかねない状況になるかもしれません。


もう一つだけ問題点を指摘して、このシリーズは終えたいと思います。


大津市議会議員 藤井哲也拝




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