「大津市ごみ処理施設整備検討報告書」のズサンな内容①

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おはようございます。
大津市議会議員(滋賀県)の藤井哲也です。

今週はビジネスを中心に仕事をまわしていこうと考えています。
ビジネスも平成13年に会社を立ち上げてから、早くも10年が経ちます。月日が経つのは本当に早く感じます。


さて、どうしても先の2月議会の報告について遅れ気味になっていますが、先日のブログ記事にも記載させて頂きましたように、今後 数十年間のごみ処理体制を方向づける重要な議案なり予算が提出され、私はこの問題を最後まで指摘しましたが、結果的に2月議会で議決されました。

この ごみ処理体制を決定する検討については、多くの疑問が残っています。
何よりも昨年(平成24年)10月には地元(大石学区等)に対して、「ごみ処理施設は2か所体制を前提に進めていく」とする旨 言っておきながら、12月3日の12月議会冒頭で「ごみ処理施設の整備についても、一旦立ち止まり、より少ない経費で、より効率的かつ安全に処理できるよう再検討することが必要と考え、その検討に要する経費を補正予算として計上しております。」と述べています。
すなわち、12月議会の前にすでに「2か所体制ありき」で物事を進めているにもかかわらず、あらためて(結果ありき?の)検討業務を行って、最終的には2月議会の議案採決直前(たしか3月18日)に議会に提出し、本報告書の審査さえ不十分なまま押し切ったといえます。

「2か所体制ありき」の前提で検討したものなので、不都合な情報はすべて排除され、都合のいいように数字や前提で作られた「報告書」であり、「自己都合に基づく検討報告書」だと私は考えています。


後ほど記載しますが、特に気になるのは、自分(市?越市長?)の都合がよくなるように、「中部」では狭隘なスペースにも関わらず、あらたに建て替え用地等の土地を購入せず、代替スペースの用意がある「北部」や「南部」では土地をあらたに購入することを前提とした検討となっている件です。


市が説明でも申したように、「中部」であらたな用地を購入せず現在の敷地内(2ヘクタール位)で建て替えできる案をベースに、同じ条件下(2ヘクタール内で建て替えできる)で3つのケースを、私が独自に再度計算してみました。


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(【参考】藤井哲也による「経済性」の補正計算



「収集運搬費」については大いに問題点が残っており、私の再計算では、収集運搬費を除いて計算していますが、それだけでも市長が採用した「ケース④(北部+中部)」よりも「ケース⑤(北部+南部)」の方が、経済性で上回ることになりました。

もし「中部」のスペースが狭隘で、新たに用地取得をしなければならなくなった場合、北部は4,000円/㎡、中部は11,100円/㎡、南部は2,650円/㎡で用地単価を計算(p31参照)しているため、上記に計算した数値は更に開いてしまいます。


たとえ「収集運搬費」で「ケース④」が有利になったとしても、全体的には「ケース⑤」とそんなに変わらない経済性になると考えられます。
そう考えると、この段階で「ケース④」を選択したのは不可解極まりないと言えます。
市長にとっては、「ケース④」を採用しなければならない別の理由があったのでしょうか。



その他いくつか「報告書」の問題点を指摘しておきます。

● 「南部」用地費には余熱利用施設用地が加えられているが、「中部」には加えられていない。(P31参照)
 下から4行目「南部については、現敷地内にある大津市企業局用地ほかの用地費119百万円を追加計上した。」と記載がある。しかしながら、この用地費は「余熱利用施設用地」のことです。南部の用地取得費にこの費用を加えるならば、「中部」でも同じく温水プール等の余熱利用施設用地費用を加えるべきですが、今回の報告書では加えられていません。

● 「中部」の余熱利用施設設置用地費が安すぎる。(p65参照)
 報告書には「本検討業務において比較検討するための用地単価については、近傍の土地価格等を参考に24,000円/㎡と設定し、用地費を推計した」とある。
 しかしながらこの単価設定はおかしいのではないか。
 例えば、すぐ近く(大津市園山2丁目)に購入した富士見市民センター用地の場合は、1㎡あたり7万円程度しています。意図的に路線価をひっぱってきているのかもしれませんが、ご存知の通り「路線価」は実際の土地の「取引額」とは異なります。実際のところは富士見市民センター用地の1㎡あたり7万円程度で計算しても良いのではないかと思いますが、そうなると「中部」の余熱利用施設用地取得費は3億5千万円となり、報告書の計算よりも2億3千万円も高くなることになります。

● 「点検・トラブル等による長期運転停止への対応」がおかしい。(p24参照)
 やはりどう考えても、2施設体制と3施設体制のリスク度が同じとは考えられず、もし報告書記載の通り、「適切な容量のごみピットを設け」るならば、ただでさえ狭隘な「中部」は完全にゴミの山と化してしまう可能性がある。


引き続いて、報告書のずさんな内容をまとめていきたいと思います。



大津市議会議員 藤井哲也拝


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