大津市行政改革大綱・後期集中プラン(案)。

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おはようございます。
大津市議会議員、藤井哲也です。

政治行政の役割は、国民地域に住む方たちの生命・財産・安全を守ることと認識しています。
また行政が存在する必要性としては、税の再配分による福祉・教育・経済活性等の機能も大きいと思います。

10年前は必要であったものであっても今の時代には必要ないことが多々あります。
私はそうした意味で行政機構や行政事務においても無駄はどんどん削減していくべきと思います。当然この考えに反対の方はいないと思いますが、いわば何が争点になるかといえば、「それが本当に無駄なのか」という問題です。


大津市では「行政改革大綱」という行政改革の大きな方向性を定義するものがあり、その方向性を実現するための「改革プラン」を前期・後期と分けて策定します。
大津市の行政改革大綱の後期集中改革プランの実行時期は、今年4月から平成28年度までの4年間です。
1月10日から1月29日まで、「新行政改革大綱」ならびに「後期集中改革プラン(案)」に対する、意見募集が行われます。

そもそも「それが本当に無駄なのか」という議論にも重なりますが、「それが本当に改革なのか」という問題もあります。
wikipediaに「改革」という項目で以下の記載がありました。抜粋引用いたします。

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「改革」
近年では、政治家がスローガンとして乱用する事が多く、流行語的な要素を含んでいるため、聞く側はその改革が国民の生活にとって良い物であるかどうかを見極める必要がある。とくに日本では、届出制というべきかは別にして、言ったもの勝ちの様相が強く、また、主張者とは違った意見を議論していくうちに、主張者の意見とは違った方向に進む骨抜きが生じるなど、実際の改革の内容やその影響まで吟味されることがない場合が多いだけに見極めは重要である。

また、政治家の選挙戦では、自身を「改革派」と称す一方、自身の政策に反対する勢力の事を「改革に反対する守旧勢力(抵抗勢力)」と呼ぶ等、独断と偏見が入り混じったレッテルを貼るネガティブ・キャンペーンが多用される場合もある。これは、中華人民共和国における文化大革命でも見られた現象である。なお、守旧派という言葉は、文化大革命以降利用されることが多くなった言葉である。

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問題を上げればきりがないので「後期集中改革プラン」から数点にしておきますが、

(1)「経営の視点」における具体的な取り組み項目 
① 自律する行政経営の推進 
No1 トップマネジメントの更なる支援
 この項目では総合計画第3期実行計画に掲げる重点事業の進捗状況や解決すべき課題を部局から直接市長がヒアリングする機会を設け、事業や解決すべき課題の優先付けを行い、新規事業の立ち上げや予算への反映を行う、としています。
 この取り組みを行うのは問題ないというかごく普通だと思いますので特別評価はしませんが、おかしいと思うのは「進捗率」です。1年目が26%、2年目が50%、3年目が76%、最終年度で100%となっています。
 数値化できないものについては、「調査・検討=20%、方針決定=40%、試行実施=80%、本格実施100%」という進捗率の目安が提示されています。それからみても、この項目の試行実施及び本格実施は最終年度(平成28年度)になるということです。
 何を持って「優先付け」を行い、何を持って「新規事業の立ち上げ」や「予算への反映」というのか、わかりません。
 wikipediaで述べる「言ったもの勝ちの様相が強く、また、主張者とは違った意見を議論していくうちに、主張者の意見とは違った方向に進む骨抜きが生じるなど、実際の改革の内容やその影響まで吟味されることがない場合が多い」というものではないかと勘繰ります。
 こういった項目や進捗率が散見できるのが、「行政改革プラン」だと思います。


また、
② 行政運営の効率化
No7 地域課題への対応の仕組みの検討
 この項目は市長がマニフェストに掲げた「地域経営会議」のモデル実施が計画に盛られています。
 取り組み内容は、市域の共通課題を執するブロックに分け、各種団体の代表で構成する(仮称)地域経営会議の設立を推進し、地域課題等の解決に向け、協議を進めていく、とされています。
 まず、「地域経営会議」というものがどういうものなのかも明示されておらず、平成25年度から実施ということなのであと3カ月後までにはある程度、議論が尽くされている必要がありますが、これまで議会側に説明はほとんどありません。地域課題を解決するための取り組みならぜひすべきと思いますが、そうでないならすべきではありません。予算(税金)もかかります。
 また果たしてこの項目は行政改革と言えるのかも疑問です。大阪の橋下市長らが述べる大阪都構想のように、行政機構改革ならばわかるのですが、行政機構ではなく、住民側の声を拾い上げるための仕組みとして住民側に新たに会議の設置をお願いするわけで、この辺りは全容も分からないので何とも言えません。もう少し議論が必要だと思います。


そして
③ 新たな人事制度の導入と総人件費改革の推進
No16 人事評価の活用
 この項目では、現行制度における問題点を改善し、平成25年度より評価結果の活用を計画的に進め、昇任や給与への処遇反映を実施する、としています。
 これまでの人事評価と処遇反映の仕組みと比べると、今後活用する予定の人事制度はかなりマシになっていると思います。総務部職員課の方の成果によるものだと思います。が、私としてはこの人事制度ではまだ不十分だと思います。
 そういう考え方に立てば、いくら不十分な人事制度を導入する計画を立てたところで、そもそもの人事制度そのものに問題があれば、行政改革の効果は低くなると思います。
 内部の方が作った新人事制度なので、今回運用予定の案がいっぱいいっぱいなのかもしれませんが、大事なところが骨抜きされていると私は思っており、評価結果により処遇反映されるのはかなり限定的です。
 この問題点については、また別記事で書きたいと思います。


などなど。
全体としては見栄えはいいものの、内容を精査していくと、多くの問題点が浮かび上がります。
今回意見募集がなされていますが、私としても議会では、問題点を指摘して、行政改革が実態を伴うものになるよう提言及びチェックをしていきます。

皆様もぜひ今回の機会に、大津市に対してご意見を出して頂けましたら幸甚です。
【参考】(新)大津市行政改革大綱の改訂(案)及び(後期)集中改革プラン(案)に関するご意見を募集します!!(大津市ホームページ)



大津市議会議員 藤井哲也拝

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