12月議会一般質問③『防災対策の強化について』

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大津市議会議員 藤井哲也 です。
続いて「防災対策の強化」についてです。

今回の議会では大きく3点伺いました。
【1】10月中旬に公表された「地先の安全度マップ」をどのように活用していくのか?
【2】大津市南部災害の検証結果を受けてどのように対策を強化するのか?
【3】災害対策本部機能の強化をどのように図っていくのか?


以下1つずつ簡単に概要を書いていきます。



【1】10月中旬に公表された「地先の安全度マップ」をどのように活用していくのか?

滋賀県がこれまでの洪水ハザードマップ等とは概念が異なる、「地先の安全度マップ」を作成しました。
「地先の安全度マップ」は、「どれくらいの雨の時にご自宅などの近くを流れる川や水路があふれ浸水するおそれがあるのか、あふれた場合はどの程度の被害となるのかを明示したもの」とされています。

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(滋賀県ホームページより)

この「地先の安全度マップ」は果たして信頼できるものなのか分かりません。この点は先に行われた真野学区の自主防災会でも参加者の多くが疑問を抱かれていました。「想定外」という言葉で、東日本大震災並びに福島原発事故は大きな人災と化しました。
ともあれ、現時点では最も信頼性が高いデータと思われますので、これを基に防災・減災対策を講じていくのが基本ラインだと思われます。

大津市からの答弁は、「マップは滋賀県独自のもので、市民地域力の向上に活用していく。また避難経路の役立てるものだと考えている。」というものでした。
あまりにも対応が遅いというのが私の感想です。来年の台風シーズンが“200年に一度規模”の大豪雨が襲ってくるかもしれません。悠長なことは言っていられないのが危機防災対策の役割だと思うのです。

またこれに関して、200年に1度規模の大豪雨が襲ってきた場合、大津北警察や北消防署の前の国道477の交通機能がマヒしてしまい、警察並びに消防・救急機能が停止してしまう恐れを指摘しました。
この危険性については市役所でも認識しているらしく、かといって近隣を流れる「真野川」の河川整備は滋賀県の業務範囲なので大津市としては根本対策はできないという見解はかわっていません。
ただこうした豪雨が生じた際には、救急車と消防車を緊急退避させて消防機能がマヒしないよう、今後対策を練ると言うことを仰っていただきました。
なぜこのような場所に消防や警察署が配置されたのかが不明ですが、移転させることができないのであれば、せめて緊急時の対応マニュアルだけでも作成しておくよう、各機関には強くお願いしたいと思います。


【2】大津市南部災害の検証結果を受けてどのように対策を強化するのか?

本日(12月30日)の京都新聞に掲載されていましたが、この内容は私が一般質問で聞きだしたものです。
一般質問で聞きだしてから20日が経過する今になって掲載されるの悲しい限りですが、以下京都新聞の記事からです。

 大津市は8月の豪雨災害の反省から、災害時に組織的に対応する警戒本部や対策本部の設置基準を見直す作業を進めている。情報を処理する態勢の強化などを柱に、本年度内に新基準を策定する。
 8月の豪雨では市南部を中心に一時間の雨量が50ミリを超え、短時間で市内各地に住宅の浸水や土砂崩れなどの被害が続出した。
 市は地域防災計画の基準に沿って、土砂災害警戒情報などが発令された場合に設ける災害警戒本部で対応したが、約10人の危機防災対策課では情報の収集や整理が追いつかない課題が残った。
 全職員を集める災害対策本部は事務局機能が50人規模を確保できるが、150戸以上の建物に深刻な被害が出るなどの基準となっている。
 見直しでは、警戒本部で「情報班」を設けてスムーズに対応できるよう改めるほか、動員する職員数を災害の規模によって段階的に設定する方向で検討している。

 (京都新聞12月30日記事より一部引用)

以下が総務部長により答弁頂いた内容です。
●災害対応体制の強化
 災害警戒体制では災害対応体制に不十分なこともあったので災害時の本部設置基準を見直したい。また基準の明確化を図りたい。

●情報収集伝達の体制
 あらたに情報収集を行うための、情報班を配置するようにしたい。

●職員の動員体制
 各部局ごとに参集できるようマニュアルを見直したい。

というものです。年度内に見直すということですので、次なる災害時にはしっかりと機能するものに見直すよう、期待したいと思います。


【3】災害対策本部機能の強化をどのように図っていくのか?

大災害時においては、リーダーの瞬時の決断が大きく被害の多少に関係してくるものです。
「危機管理」とは、危機の際に被害を最小限にするということから、いかに危機を生じさせないように対策をとるのかということも含まれます。
正直申し上げて、失礼ですが、今の大津市長では大災害時に的確な判断ができるとは思えません。
これまでの右往左往してきた議会での姿や、いじめ事件の際のマスコミへの対応の姿、8月に起きた南部豪雨災害における判断、そうしたものを総合してみて、なかなか難しいと思います。
リーダーの決断次第によって、救える命も救えないのです。
そうしたこともあって、11月に市庁舎内で開催された、目標管理型図上訓練にはぜひとも参加してもらいたかったのですが、冒頭に挨拶だけして、そのあと財政課と予算ヒアリングに入り、訓練そのものには副市長含め参加されませんでした。
ぜひとも次回は参加して、市長自らの危機対応力の向上を図って頂きたいとの思いから、次回参加するよう促したわけです。

市長からの答弁は、「それ以前に開催された(式典のような)防災訓練には参加した。また今回の図上訓練も訓練の様子などを収めたDVDを見た。」とするものでした。
訓練に参加するかしないかは、最後は市長本人が決める事なので、それ以上突っ込んで質問はしませんでしたが、「ぜひ参加したい」という一言くらい市民に伝えてくれればよいのにと思うところです。

ただ答弁を聞いての感想は「市長は逃げている。」ということです。ハッキリ申して、このような市長は、危機が生じたときに正常に判断できるとはとても思えません。
また、市長が見たというDVDを私も拝見しましたが、あのDVDを見て分かった気になっているのであれば、本当にヤバいと思います。実際の訓練風景は流れず、講師からのアドバイスなどがちょちょっと(2、3分くらい?)流れているだけの超短く編集されたDVDです。
もう少し真剣に危機防災のことをイメージして、自らが不足している部分を補うよう努力してもらいたいと思います。

その他、県市長会などで共同で図上訓練などをしてはどうかと提案しました。
これについては「市長会」という言葉は出てきませんでしたが、大津市が実施する図上訓練等には近隣の市にも参加を呼び掛けたいとする市長からの答弁がありました。
ぜひ実現して頂きたいと思います。

それにしてもこの市長は災害を舐めてますね。そう感じざるを得ません。

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