「東京都杉並区役所」と「京都市」へ学校教育に関して行政視察(2)

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大津市議の藤井哲也です。
引き続き、『「東京都杉並区役所」と「京都市」へ学校教育に関して行政視察』に関してです。

地域運営学校(コミュニティ・スクール)は、大津市においても導入を検討すべきだと視察を終えて感じました。
大津市では学校運営は現在のところ教職員のみで行われています。
しかし地域運営学校(コミュニティ・スクール)方式にすることで、地域住民のニーズを小学校、中学校に導入することができると思うのです。
例えば、「美術の先生はこれまでベテランだったので、今度来る美術の先生もベテランの方が良い」という意見を教育委員会に伝えることもできますし、いじめの問題や学校のビジョンづくりにも地域住民や保護者の方が加わることで、地域の実情に合わせた対策が打てるためです。画一的な公立学校教育や学習環境の整備も大切ですが、より地域の実情に合わせた学校運営ができるメリットがあります。
また「学校運営協議会」とは少し異なりますが、「学校支援地域本部」というボランティア団体に近い組織が国が定めるところによりできましたが、学校は「学校支援地域本部」という組織と連携を図ることによって、学校の先生の負担を減らすことができるようになります。(学校支援地域本部の中に、ネイティブに近い外国語に堪能な方がいれば、その方に授業のアシスタントをしていただいたりもできます)
こうした「学校支援地域本部」の制度をうまく・積極的に活用するためにも、「学校運営協議会」を設立する価値はあるのではないかと思います。

何より、「教職員の常識は非常識」といえば失礼ですが、そうした教職員のみによる学校運営に、地域の多様で常識的な視点を導入することは、子どもの健全な育成のために必要なのではないかと思うところです。

杉並区役所の場合は、教職員の反発なども想定して、協力を得られそうな校長先生がいる学校から順番に、コミュニティ・スクール方式に切り替えていっているとのことです。数年内にすべての公立学校をコミュニティ・スクールにしたい意向を持っておられます。
またなぜ杉並区教育委員会が、このようにコミュニティスクールを全国的にも先進的な事例として推進しているのかと言えば、私立学校との熾烈な競争があるのではないかとも言っておられました。
多くの小学生が中学校に進級するときに、私立学校に移ってしまうとのことです。より地域住民の声を反映し、よりよい学校にするためには、地域住民の声を反映するための、民主的な仕組みとして、コミュニティスクールの推進は欠かせないとの要因もあるようです。

大津を振り返ってみると、市内には有力な私立学校は見当たりませんが、本当に優秀な子どもは、京都の有名私学に進学するのが実情です。
それはそれで保護者の選択なので仕方ありませんが、どうせならば大津に残ってほしい思いは私としてはあります。子どもの数が減っていくこれからのことを考えると尚更です。今から学校を“民主化”していくことは、京都に優秀な子どもが流出することを予防する対策としても必要ではないかと考えます。



(杉並区教育委員会パンフ「地域運営学校」より)


(3)に続く。

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