井の中の蛙大海を知らず、されど、空の深さを知る?

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こんにちは!
滋賀県の大津市議会議員 藤井哲也 です。

昨日は京都商工会議所が主催の「京都産業まつり」というイベントがみやこメッセであり、覗いて参りました。

 


京都にはキラ星の如く、ベンチャー企業が興っています。
京セラ、オムロン、ローム、堀場製作所、村田製作所、任天堂、日本電産、ワコール、村田機械、ワタベウェディング、島津製作所、宝ホールディング、佐川急便、大日本スクリーン、イシダなどなど。老舗企業も含めれば数え切れないほどの有名企業があります。

こうした企業が興ってきた過程と、世に送り出してきた商品やサービスを紹介するコーナーなどもあり、非常に興味深いものがありました。それと合わせて最近のベンチャー企業を紹介するコーナーもありました。

思うに、この京都のベンチャー企業を支える風土というのは、独特のものであるように感じます。
この風土を作りだしているのは、かつてのベンチャー、現在の大企業の経営者であるというように感じております。
最近に限っても、歴代の京都商工会議所の会頭、ワコールの塚本さんが、京セラの稲盛さんに伝え、そして村田機械の村田さん、現在はオムロンの立石さんにそうした考えは受け継がれていると私は思っています。
オムロンの立石さんが現会頭になってからは、「知恵ビジネス」を推進しており、2000年初めころに、京都商工会議所に「ビジネスモデル推進センター」を設け、以後名称を「知恵ビジネス推進室」などへ変更してきながらも、一貫して新しい起業家を発掘してこられました。
私も2003年に創業後、2005年に京都商工会議所が運営するベンチャービジネスルームのマネジャーに任命していただき、自らがベンチャー企業でありながらも、後発ベンチャー企業の面倒をみる機会を与えて頂きました。

振り返ると滋賀県には、こうした風土がきわめて稀薄であると思っています。
オプテックスさんは、フューチャーベンチャーキャピタルさんなどと連携して、独自にベンチャー企業支援をされています。
しかし滋賀産業界全体としては京都商工会議所が京都府と京都市と連携して、若いベンチャー企業を育てていこうというものは残念ながら感じられません。
行政の役割もそうですが(当然行政ももっとがんばれると思います)、産業界が新しい起業家を育てようという気持ちが非常に重要だと思います。行政としては側面から、ハード面、ソフト面から支援することができます。
しかし官製ベンチャーというのはあまりありえず、やはり産業界の後押しのほうが重要だと感じます。

社会の変化は激しさを増しており、経済環境は刻一刻と変わっています。進化論ではありませんが、強いものが生き残るのではなく、変化に対応できるもののみが生き残れるのは言うまでもありません。滋賀県に関して言えば、滋賀経済界という狭いコミュニティ内で争っているうちに外部環境は大きく変化を遂げてきています。このままでは滋賀経済は外部に取り残されてしまうのではないかという強い危機感を最近抱きます。
滋賀銀行はじめ、地域の有力企業には、変化に対応する新しいベンチャー企業を育てていくことを期待したいのと併せて、滋賀経済界にもっともっと競争を持ち込んでもらいたいと思います。
私も大津市議として、行政の尻を叩き、必要な施策を実行してもらえるよう活動をしたいと思います。


ところで先日、「大津市教育センター」という部門が大津市教育委員会にはありますが、そちらの事業内容や成果・効果についてお話を伺う機会がありました。
10月3日のブログ記事にも記載しましたが、この教育センターには平成23年度9000万円以上の税金が使われており、その費用対効果において、非常に低いものであると判断し平成23年度大津市一般会計決算では反対した理由の一つとなりました。

2時間近くにわたり、説明および質疑交換をいたしました。
時間をとって下さった教育センター長はじめ職員の方にはお礼申し上げたいと思いますが、説明頂いた事業内容や研修成果は、税の費用対効果の視点から納得できる水準からは程遠いものであり、残念でした。
そもそもこの教育センターが必要なのかどうかも怪しいと思います。外部の民間の研修会社で十分にこの内容であれば代替可能だと思えます。






上の図は、「平成23年度 大津市教育センター総作業時間」の表です。
A~Hが職員さんで、それぞれの職員さんがどのような業務に時間を使っているのかを表したものです。
研修内容や成果、効果と併せてみるべきものですが、おおよそ想像できる範囲で言うと、時間をかけすぎといえます。
私も10年近く、社員研修などを行う会社を経営してきて実務にもずっと携わってきたのでわかるのですが、「なぜこんなに時間がかかるのか?」と信じられません。
感覚的には現在、8人いる職員を半分にしてもやっていけるボリュームだと思います。しかもこの8人の職員の平均年収は936万円・・・。民間で900万円を超えるクラスの能力を持ったスタッフを8人も抱えていたら、それはすごい戦力です。
その割に研修内容や効果測定や研修内容の再構築は、問題だらけ。
この人たちは一体どのような仕事の進め方をしていて、何を毎日しているのか疑問に思います。
しかしこれらは、人に問題があるのではなく、組織に問題があると思います。
言ってみれば、本来持っている(はずの)高い能力を生かすことができていないのではないかと考えられます。


いま日本は崖っぷちにいます。
日本経済の停滞感は半端なく、希望もなかなか見いだせません。
そこに風穴を開けられるとすれば、将来の子どもたちだと思います。子どもたちへの教育を担当する教職員の能力形成は非常に重要だと思います。
費用対効果さえしっかり出せるのであれば、予算は倍にしても良いくらいだと私個人としては思います。

競争環境の中でビジネスもやったことがなく、社会常識も中途半端な純粋培養の教職員が増えてはいけないと思います。
若者の就職率が低空飛行を続けているのは、需給バランスの社会要因も一つにありますが、競争優位性を学生が持っていないことも理由の一つに挙げられます。日本に限定しなければ世界では消費マーケットは爆発的に拡大を続けており、いくらでも働き口はありますが、外国語能力の問題や、ITスキルの問題、論理的思考力、プレゼンテーションスキルなどの面において、やはり劣っているのが実情な気がします。

市が管轄する小中の義務教育に求められるのは、将来、日本を背負って立つ若者たちの基礎教育であると思います。
高校や大学になっていきなりそうしたものを体得できるわけではなく、やはり小学校中学校のうちから、そうした社会情勢を意識して教師は教育してもらわねばと思います。

教師という業界で内向きになることないよう、教師自身が様々なことを学べる教育センターであってもらいたいと切に願い、もしそれが自らできないのであれば教育センターを教育委員会が所管している必要性は全くないので、入札にかけて民間でやっても問題ないと思います。





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