9月一般質問⑤『市内の県所管危険個所の安全対策について』

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おはようございます。
大津市議会議員、藤井哲也 です。

9月議会の一般質問の質問及び答弁について記載してきましたが、最後の5項目目になります。
9月議会一般質問原稿(PDF)

5項目目は、「市内の県所管危険箇所の安全対策」についてです。


先の8月13日夜半から市南部を襲った豪雨により、大石、南郷などの市南部には大きな被害が生じました。
大津市職員はじめ県内の市町及び、奈良市からも職員の皆様が復旧作業に携わり、あらためて公務員の方々の職務の大きさを感じ、ボランティアで参加された多くの職員の方に感謝申し上げます。
なお、被災された地区の住民は困っておられますので一刻も早い復旧と、従前の安心な生活に戻れる支援を行政に望みます。

そうした事態をあらためて振り返ると、この問題は大石に限ったことではなく、市全体の問題だと私は感じております。
今回は3年ほど前に、その危険性を感じた地域住民の方が市及び県に対して対策を講じるように要請したのにも関わらず生じた災害であり、一部人災の側面もあると感じています。
滋賀県は、「短時間に大雨が降るケースが増えているので、結果的に早く工事を行うべきだった」とノー天気なことを述べていますが、こうした発言は地域住民の感情を逆なでするばかりか、自らの無能ぶりを露呈しているのと同じように聞こえてきます。

今回、質問で取り上げたのは、市内にある県所管の危険箇所の対策についてです。


市北部には、一級河川真野川があります。また市南部には大戸川があります。その他、急傾斜地として1200か所程度の危険箇所があるとのことですが、そのうち県が現在のところ危険箇所としてしていているのは500か所にとどまっているとのことです。
残りの700か所で万一事故などが生じればどうなるのでしょうか。
また、真野川にしろ、大戸川にしろ早急な河川改修工事が必要と考えます。大戸川は周辺への影響というよりも淀川水系に与える影響もあり近年、その整備が進められてきているところですが、もう一方の真野川においては、遅々として整備が進んでいません。
この真野川の問題は、8月29日のブログにも書いたところです。

なんと現在の真野川の耐久性は毎時60ミリ程度とされています。今回の市南部の毎時90ミリという豪雨がこの地域を襲えばひとたまりもありません。
そして更に問題なのは、この地域には、大津市北部の防災上の拠点とも言える、北消防署、北警察署や、琵琶湖大橋病院、市老人福祉センター、そして現在開発中の堅田駅西口土地区画整理事業「堅田 山の手 販売地」もあります。




市の建設部においては、長年この問題を解決すべく動いて頂いておりますが、所管が県ということもあり、実際の河川整備や氾濫対策には至っておりません。市のできることとすれば、自主防災会の育成や災害警戒態勢の強化などに限定されるところです。

しかし一方で感じたのが、市は県に対して確かに対策を要望していますが、毎年要望に対する県からの回答を得ているのかどうかという疑問でした。そして調べてみたところ、案の定というか、市の要望は言いっ放し状態となっており、あとは担当部署に交渉を任せっぱなしとなっているのです。
これでは物事は前に進みません。県も当然予算が限られていますので、「声が大きいところ」を重点的に整備していくのですが、大津市からは、「年に一度、要望書を出して終わり」となっています。

市長は弁護士経験があり、企業間のM&A交渉に関する事務にも従事してきたと聞いています。
当然ながら、交渉の進め方はご存じのはずで、まずはこちらの要望を出し、そして向こうの回答を得て、協力・連携して解決していける問題があれば一緒に行動し、ギャップがある問題については落としどころを想定し、要望全体の中でバーター交渉や、代替策の提示などを行い、一歩でも二歩でも少しずつ前に進めていくのが定石といえます。

しかしながら現在、大津市がやっているのは、市が一括して要望を出して、あとは担当部署任せ。交渉の余地はないと言っていいでしょう。担当部署ができることは、「なんとかお願いします」とお願いに上がることくらいです。
これではいくら時間が経ってもなにも状況は変わりません。舐められたまま終わります。
建設部がどれだけ、大津土木や県に対して交渉しても物事は微動だにしません。

それで大津市として「がんばってやっている」というのであれば、全くの論外です。
今回の市執行部による答弁は正にこのレベルのものでしたので、本当にへどが出る思いです。

建設部がいくらがんばっても状況が変わらないのであれば、市長もしくは政策調整部が、河川整備や急傾斜地の市内の県所管危険箇所について包括的にそして個別個所を整理して交渉にあたらねばなりません。

今回の答弁では、この項目において一つだけ良い答弁を得ました。
「要望の仕方においては、(ものごとを前に進めていくために)効率的な方法を検討していく」とするものです。

県との交渉ごとは、担当部署では到底無理だと思います。
市長のリーダーシップに期待し、泥をかぶり、血眼になって取り組んで頂きたいと思います。
大津市民の生命と財産がかかっています。


 

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