大津市の観光振興。

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おはようございます!大津市議会議員の藤井哲也です。

市議会は市執行部とは異なり実際に政策を考え、執行していくわけではありません。
そういう意味では、観光振興等の政策形成に関わる事はできませんが、「所管事務調査」というものを議会は委員会を設置して行うことが認められています。
議員一人一人には「調査権」は付与されていませんが、議会や委員会には「調査権」が与えられています。

市議会内に、特別委員会が設置される所以はそこにあると考えられ、市の事務内容を調査し、必要と思われる政策を提言することはできます。
提言の拘束力はないものの、議事機関として予算案や議案に対して審議し採決を行う関係上、その影響力は大きいと思います。きっちりとした調査を行い、しっかりとした提言を行えば、よりより大津市政へ市議会と言えども貢献できると思います。

私が今年度、所属している特別委員会は、「観光振興特別委員会」です。
昨日は、この特別委員会の協議会が開催され、私も委員の一人として参加しました。
大津市では、観光資源があります。びわ湖や比叡山は言うに及ばず、おごと温泉、堅田の浮御堂、浜大津周辺、大津百町、石山寺、瀬田川などなど。
市長は就任以来、湖上ツーリズムやアニメを活用したインバウンド施策を検討しています。
京都は国際的なブランド力があるので、いかにして京都から大津へ足を運んで頂くのかがポイントだと言っておられます。その点は私も同意します。
京都の観光客は年間5000万人と言われています。これは東京ディズニーランドとほとんど変わらない人数です。
京都から大津へこのうち1割でも来て頂ければ大変な経済効果を期待できます。
しかしながら現在のところそれはできていません。

またいくら観光客が増えたとしても、この大津市で消費行動をとって頂かなければ、単なるお人よし税金バラマキ政策であると言えます。
単にお金をばらまいて政策を推進するのではなく、いかに税収を増やすのかという視点から、政策推進をしなければなりません。その点は大津市も当然、認識されているものと思います。が不十分です。

というのも、本年度、観光振興に関わるアクションプランの見直しをするということですが、調査事項には消費行動につながるようなものがあまり含まれていないというようなことを聞いたからです。「どこから来たのですか」、「満足度はどうでしたか?」、「おもてなしの心はどうでしたか?」など聞いてどうなるのでしょうか?
そうではなく、消費行動につながるような調査項目が必要と思われます。
つまり、宿泊しない観光客に対して「なぜ宿泊しないのですか?」であったり、高齢者観光客に対して、「商業施設や物産コーナーで買い物をするにあたってハード面、ソフト面のバリアフリーで不都合だったことはありましたか?」などであったり、「びわ湖の湖上ツーリズムがありますが、知っていれば利用しましたか?その場合、今回 どのような経路で大津市を観光地として選びましたか?」などです。
満足度、不満足度を聞いてもあまり意味がなくて、消費活動に結びつけるための調査項目が必要だと思います。

昨日の観光振興委員会では、私は「高齢者のバリアフリーは都市計画でも重要だが、観光振興の面でも非常に重要である。シニアの方が不自由なく快適に過ごせる環境をハード面(バリアフリー)、ソフト面(おもてなし)でも充実させていくことが、高齢者の観光客の消費活動を喚起することにつながるのではないか?」と意見しました。
駅からびわ湖までのアクセスは高齢者にとって便利だろうか?湖西線と琵琶湖線を間違えて乗る方はいないだろうか?駅前の看板では観光案内は不十分ではないだろうか?商業施設や観光施設のバリアフリーは十分だろうか?

全国の観光地を見ても、若い人よりもシニアの方の方がよっぽど多く見かけます。
実際の数字を見ていないのですが、京都では道行く観光客はシニアが中心です。
これも当たり前で、貯蓄率・可処分所得額とも、減少傾向とはいえ60歳以上のシニアが、全世代において多くを占めており、この世代の貯蓄が消費に回る事によって、耐久財や観光、医療介護などが活性化していると考えられます。
若い世代を対象とした観光振興ではなく、大津市がやるべきことは、シニアの中流~ちょっとリッチな方を対象とした観光振興対策をとるべきと考えられます。
そのためには、①ハード、ソフト両面でのバリアフリー施策の強化と、②目玉観光地の整備(スカイツリーのような象徴的なものがひとつあるだけでいいと考えます。大津で言えばびわ湖か比叡山でしょうか?)、そして③お土産ものの整備、が大切と私は思います。

そうしたコンテンツの問題とは別に、広報宣伝の問題もあります。
これはある程度お金をかければ効果は期待できますが、大津市には財源がありません。そのため、「お客様=観光見込み者」を絞り込み、マーケティングをしたうえで、効果的に宣伝をしていくことが良いと思います。
マス(総体)に対して広報宣伝するとなると何から手をつけていいのかわからなくなります。そうではなくて、「中流からちょっとリッチな60歳以上の2泊3日の滞在型小旅行」などとすれば良いのではないかと思います。
対象が絞り込めれば、ブランディングは叶いますし、フォーカスした層へ集中して広報宣伝をすればよいと思います。シニア向け雑誌や、シニア向けサイトへの広報活動などです。


上記は一例として挙げましたが、どうでしょうか?

今年一年かけてこの問題に取り組むことになりました。
市民の皆さまからもぜひともご意見を頂き、市議会を通じて、市役所へ提言を行うことができればと存じています。財収をアップさせる、そんな観光振興対策を考えていきたいと思います。


(夜の雄琴港をのぞんで)



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