共に奮う一年に!

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2021年。新年あけましておめでとうございます。
旧年中も大変お世話になりまして、誠にありがとうございました。
本年も引き続き、倍旧のご厚誼を賜れますよう、お願い申し上げます。

今年一年のテーマは、「共に奮う」というものにしました。
私の座右の銘でもある「一燈照隅万燈照国」は、一人ひとりの思いが集まれば、国をも照らす大きな明りになるというもので、みんなの力を合わせれば、一人の力で叶わない事も、みんなが力を合わせればそれをも実現できるという意味があります。あらためて「みんな」というものに着目したのは、議員退任後から昨年2月まで籍を置かせていただいたミクシィというIT企業の影響もあります。この会社の原点はソーシャルネットワークサービスの「mixi」であることはご承知のとおりです。みんながワイワイガヤガヤと集まるオンラインコミュニティづくりはフェイスブックの登場により、市場からの退場を余儀なくされましたが、この会社はしぶとく生き残りました。一つはオンラインゲームに「みんな」の要素を取り入れたこと。みんなが集まり、みんなでワイワイしながら楽しめるゲームをスマホベースで作り上げ、大きな事業に成長させました。そしてもう一つ最近になって創業者が取り組み始めたのは、家族という社会の中の最小の単位であるコミュニティに焦点を当てた写真動画共有サービス「みてね」です。こちらもプライベート空間を最小のコミュニティの中で共有しながら、コミュニティの活性化を目指すものです。
思えば、地方議員時代にもコミュニティの重要性を感じる毎日でした。私が活動の拠点を置かせて頂いた「大津市真野」という土地は素晴らしい歴史文化を有していましたが、近年、開発が進み、(私も含めて)都市部から多くの住民が入ってきて、コミュニティの再構築が目下の課題となっていました。こいのぼり祭りという一つのフラッグを立てることで、コミュニティの再構築は進められてきたように思います。また、その「真野」から車で約30分の所にある「葛川」という土地も修験道の聖地であり、伝統と文化ある地域です。ここでは人口減少が進み現在では300人未満のコミュニティとなっていますが、新たな取り組みが進められ、新しい住民も移り住むようになってきました。
議員時代、そして東京での勤務時代を通じて、感じられたのは「共に奮う」というの重要性だったように思います。

さて、今年は株式会社パブリックXという昨年立ち上げた会社にとっては、一つ大きな事業を開始しようかと考えています。
地方創生の取り組みが国を挙げて取り組まれているなかで、地方自治体の人口減少はコミュニティ機能の維持という点からも待ったなしの状況です。
昨年から今年にかけて、いくつかの自治体の計画づくりにも関わらせていただいており、その中で、そうした町が抱えている問題についても深く知るようになってきました。議員時代とはまた異なり、行政組織の立場から物事をみるとまた違った風景が見えてきます。私がやろうとしているのは、議員時代にも取り組んでいた「シビックプライド醸成による関係人口創出」です。

改めて事業立ち上げのタイミングでも書こうと考えていますが、いま多くの自治体が進めている関係人口づくりのやり方は、「共に奮う」という観点からは、少し遠いように感じます。行政が主導しているのです。都市プロモーションになっており、「土のにおい」「風の香り」をそのプロモーションから感じることがあまりできません。また、田舎町のプロモーションではどこも同じようなPRがなされています。同じく「土のにおい」「風の香り」「水の清らかさ」「人の温かみ」というものが、あまり見えてきません。さらに言えば、都市部の自治体のプロモーションサイトも観光プロモサイトのような作りになっています。何が言いたいのかといえば、そこに住む人の思いやハンドメイド感がなく、なにか作りものぽいものを感じるのです。

私がやろうとしているのは先にも書いたように、「シビックプライド」つまり、そこに住む人が、その地域のことをプロモーションすることによって関係人口を結果として創出することができるツールです。そのために自治体の役割は「シビックプライドを醸成していく」ことであると考えており、あくまで行政主導というよりも、プラットフォームとしての行政が、市民住民の思いの拡声器となり、世の中に広げていくことができることが重要だと考えています。

もう一つ私がやりたいのは、就職氷河期世代の活躍支援です。2020年度から始まった就職氷河期世代の活躍支援に関しては、私も滋賀県の事業だけではなく、関東のいくつかの自治体(東京都、神奈川県、千葉県など)にかかわりを持たせて頂き大変ありがたい経験をさせて頂いたところでした。2021年度は国の集中支援期間の2年目ということで、いよいよ軌道に乗せていく時期になってきます。しかしながら、ここにきてコロナウイルスの再拡大となっており、施策の推進にとっても大きなブレーキとなっています。私のライフワークでもあるこの社会課題にもしっかりと実務的にかかわりを持ち、微力ながら力を尽くしていこうと思っています。

「共に奮う一年」。多くの人と思いをつなぎあわせながら、大きな事柄に取り組む一年にしたいと思っています。
どうぞ、本年もよろしくお願い申し上げます。


2021年1月
藤井哲也





ソーシャル政策メディア「パブリンガル」に記事を寄稿しました(1月7日)





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