【一般質問解説③】産業振興施策のアップデートを!

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 近年、テクノロジーの進展は目覚ましく第四次産業革命とも言われています。
 のちの世の中からはどのように呼ばれるか分かりませんが、私は確実に産業革命であり、人間の生活に大きな変化を及ぼす変革がいま現在進行中で進んでいると感じています。

 こうした時代の過渡期にあっては企業活動や働き方は大きく変わると思いますが、それと同時に産業振興施策も抜本的なアップデートが求められるのだと思います。いつまでもオールドエコノミーを背景とした支援施策ではダメです。特に重要なキーワードは、「オープンイノベーション」です。自分のところだけで技術開発をするのではなく必要な知見を持ち寄って、新たな価値創造を行っていく必要があります。行政はその新たな動きの基盤(プラットフォーム)を形作る中心であるべきで、この取り組みの差が結局のところ、新しい産業の時代に、活気あるまちとそうではない町との分水嶺になるように思います。
 またこうした新しい産業振興基盤を形成するためには、「ポリテック」と呼ばれる事柄を意識しなければなりません。ポリテックとは「ポリシー(政策)」+「テクノロジー(技術)」を組み合わせた造語で、各企業や団体がこうした先端テクノロジーを導入できるように促進することはもちろんのこととして、行政自体が地域でのイノベーションの起爆剤となれるように、例えば各企業が抱える課題や技術をキュレーションしそれをソリューション出来るような企業や個々人をマッチングさせる取り組みにAIを導入することや、シェアエコノミーを活用して全国から関係人口を流入させそこで新たなオープンイノベーションの取り組みを創発するなども、エコテックの活用策だと考えられます。

 以下質疑応答です。今後の大津市の取り組みに期待したいと思います。
 そのためには商工労働政策に関わる人材(職員に限らず施策企画立案に関わる人)の継続的な人材育成が必要だと感じます。行政は一定の期間でローテションで新しい組織になります。しかしそれではせっかくの知見が十分に活用されずに無駄となってしまいます。産学公の協議会などを設立し、そこに専門人材を配置することなどが重要だと私は感じています。(観光協会やDMOみたいに)


Q(藤井)
 小泉進次郎衆議院議員と落合陽一氏は昨年秋、ニコニコ生動画で、テクノロジーと政治・政策を融合した流れを「ポリテック」と命名しその概念の有用性を論じました。
本市が新年度において進めようとしているテクノロジー関連予算が、その「ポリテック」に該当するものと考えられます。モビリティ革命のキーとなるCASE関連技術による地域交通網の再構築やサブスクリプション化、MaaSも「ポリテック」なしに実現できませんし、AIチャットボットの導入やRPA活用による業務効率化も政策の推進にテクノロジーを活かす「ポリテック」の一環です。
 そのような行政効率の改善や市民生活の快適性・利便性向上に向けたテクノロジーの導入に本市は注力し始めている点は評価できる一方で、地域産業の活性化にテクノロジーを活用しようとする動きがあまり見られないように感じています。劇的にテクノロジーの発達が進行中である当にいま現在、中小企業・小規模事業者や農林水産業、観光・スポーツ・文化芸術などの各産業分野の生産性を高めていくことが求められています。これは大きなチャンスであると同時に、変革の流れに取り残されてしまえば大きく競争力を失うことにもつながります。
そうした中で、地域全体で持続的にイノベーションを創出していけるビジネス・エコシステムの再構築をめざし、新たなドットを未来に設定すべく産官学が連携しながら地域活性化に取り組んでいく必要があるのではないかと考えます。
 そこで本市としては、時代の流れに取り残されないように大津地域のビジネス・エコシステムの形成に関してどのような構想を持っているのか、またバリューチェーンの中で公共セクターが果たすべき役割をどのように捉えているのかを伺うとともに、中小企業振興計画の見直しも含めて新年度以降、取り組もうとする方向性や具体的内容について伺いたいと思います。

A(産業観光部長)
 産業振興分野における「ポリテック」の推進についてのうち、大津地域のビジネス・エコシステムの形成に関してどのような構想を持っているかについてでありますが、これまで、本市では、既存企業の実態を踏まえ、事業の高度化や産学官連携の促進に取り組んでまいりました。また、大津市中小企業振興計画では、「次の時代を担う人材が活躍するまち」を将来像として掲げ、幅広く経営者の育成支援や、連携・交流等の事業環境の整備、中小企業の創業や転入の促進、競争力強化等に取り組むこととしております。
 次に、行政が果たすべき役割をどのように捉えているのかについてでありますが、様々な情報を発信し、産業振興を支える関係機関や事業者、人材が集まり、交流できる場を提供していくことであると考えております。
 最後に、中小企業振興計画の見直しも含めて新年度以降、取り組もうとする方向性や具体的内容についてでありますが、大津市中小企業振興計画の推進にあっては、有識者や関係機関、事業者、行政等で円卓会議を組織し、様々な情報や意見を出し合いながら施策を推進しております。特に、平成31年度は、事業者や関係機関、学生等がビジネスを通じて交流できる事業に着手し、新たなネットワークの形成等の促進を図ります。
 なお、中小企業振興計画については、本市の実情を踏まえ、円卓会議の中で検討・検証し、平成32年度に見直しを行います。以上、私からの答弁といたします。



フジイテツヤ




 

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