市職員が右翼関係者を伴って人事異動に対する不当要求を行った件について(課題認識)

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 大津市職員が2013年3月に右翼関係者とされる人物を伴い人事異動に対する不当要求(自分がなぜ配置転換されるのか!?)を行った件に関連して、ここ数日、京都新聞で報道が続いています。これまで4つの記事がネット上に上っていますので、概要を引用させて頂く形で紹介します。

12月23日朝刊記事
・大津市職員が右翼関係者とされる部外者を伴い、市に人事異動の希望を通すよう迫った不当要求事案が2013年にあったことが、22日までに分かった。市の内部文書によると、「暴力、乱暴な言動を伴う行為」と認定していたにもかかわらず、市は事案を公表せず、職員を現在まで処分していない。市は詳細を記録した公文書を「廃棄した」としている。
・京都新聞は、市が廃棄したとする詳細報告書と、不当要求の場面を再現した一問一答記録の2種類の文書を独自に入手した。A4判で計17枚あり、当時の担当部長や政策監ら職員5人の決裁印が押されている。
・会議室で「異動希望がなぜ通らない」「市長へ直接話をしに行く」などと主張し、「オイ、コラ!」と叫んで机をたたいた。その後、廊下でも騒ぎを起こしたとされる。部外者の1人は「右翼団体構成員」と記録されている。
・市幹部は2種類の文書について「間違いなく本物だ」としており、市人事課は「時期は不明だが、廃棄したようだ」と文書が存在したことを認めている。

12月23日朝刊記事
・大津市職員が右翼関係者を伴って市に不当要求したとされる問題は2013年当時、市役所内部で「極めて重要な問題」として越直美市長にも報告されていた。だが市は職員の処分を見送り、京都新聞が入手した詳細報告書などを廃棄したとしている。「問題が存在しないように扱われた」と証言する当時の市幹部もおり、組織ぐるみで隠蔽した疑いがある。
・重要案件にもかかわらず市が関連文書を廃棄したのはなぜか。事情を知る市関係者は「処分の可能性がある重い問題で、安易に捨てる文書ではない。長期の10年や永年保存でもおかしくなかった」と指摘する。
・市幹部は「廃棄は率直に言って不適切だ。文書が存在しないことがおかしい」と打ち明けた。

12月24日朝刊記事
・大津市職員が2013年に右翼関係者とされる部外者を伴い、市に人事異動の希望を通すよう不当に迫った問題で、市が23日、記者会見を開いた。市側はこうした行為があったと認めた上で「当時は(懲戒処分をするべき)不当要求に当たる恐れがあると考えたが、最終的に該当しないと判断し、処分しなかった」と釈明、組織的に隠蔽(いんぺい)したわけではないとした。
・ただ、判断の根拠は不明瞭で、最終結論に至った過程や理由の分かる公文書を作成していないことを明らかにした。
・國松睦生総務部長と小西元昭人事課長が会見した。説明によると、13年3月、市職員2人が部外者3人と市役所を訪れて「異動希望がなぜ通らない」などと主張、「オイ、コラ!」と叫んだ。
・事案発生当時に作成されたとみられる市の内部文書には、当該職員に同行した部外者の1人を「右翼団体構成員」と記していたが、この日の会見では、実際には身分を確認できなかったと説明した。また事案発生からまもなく、当該職員2人のうち1人を口頭注意とし、もう1人は依願退職したことを明らかにした。
・京都新聞が入手した詳細な報告書と一問一答記録については、1年の保存期限切れで廃棄したとみられると説明。別の公文書に概略を記して保存しており、「隠蔽ではない」と強調した。

12月26日朝刊記事
・大津市職員が2013年に市に人事異動の希望を通すよう部外者を伴って不当に強要した問題で、強要の経緯を記した公文書を市が廃棄したのは、当該文書の情報公開請求を受けて対応している最中だったとみられることが25日分かった。
・請求に対して市は非開示を決定し、請求人から異議申し立てを受け、さらに行政訴訟を起こされたが、その間に廃棄した可能性が高い。
・市は23日の記者会見で、13年3月に作成された当該文書について「日付は不明だが、保存期限の1年を目安に廃棄したようだ」と説明した。
・訴訟資料によると、市は強要から9カ月後の13年12月、別の市職員から文書の公開請求を受けた。市は翌14年1月、「関係者のプライバシーに関わる」という理由で文書の有無自体を回答せず、非開示とする決定をした。
・請求人の異議申し立てを受け、市は4月に外部委員でつくる審査会に諮問。審査会は市の決定を妥当とし、申し立ては棄却となった。請求人は15年4月に非開示決定の取り消しを求めて行政訴訟を起こし、大津地裁が16年3月「文書の存否を答えるだけで非公開情報を公開することにはならない」として請求を認め、判決は最高裁で17年2月に確定している。
・市人事課は25日、「おそらく異議申し立ての後に捨てたと思う」と、一連の対応中に廃棄した可能性を認めた上で「意図してその時期に廃棄したわけではない。いつ捨てたかは分からない」とした。


 以上が京都新聞の論調です。

 実は2013年3月22日の問題が起きたこの時、私も現場(市役所本館2F)にいました。
 私がいた部屋に市職員が駆け込んできて、部屋の外が騒がしいので出てみると、廊下で女子職員が泣いており、その向こう側にいかにもソッチ系の人が「街宣車まわしたるぞー!」とか怒鳴っていました。騒然としたフロアの雰囲気の中で、その連中は市長室(秘書課)の方に向かっていきました。
 何事が起きたのか、その時はよく分からなかったのですが、市職員に聞くところによると、けっこう有名な政治ゴロ(政治に関わるゴロツキの意味)K氏とのことです。その友人とされる右翼関係者はA氏ということのようです。そこに消防職員もいました。この人が異動内示に対して不当要求した女性職員の父親でした。
 元県警OBで大津市に雇用されていた伊藤實さんがいなければ、その場は収まらなかったと当時を知る職員からは聞きます。また別の職員が言うには、「伊藤さんは、A氏のことを札付きの右翼として有名な輩で、誰が見ても不当要求であったと怒っていた」と述べています。
 私もその場にいましたので、この件は真実だと言えます。その上で、この報道を通じて大きくつの問題がクローズアップできるように考えています。


【1点目】不当要求した消防職員はなぜ口頭注意だけなのか。右翼に越市政は屈したのか。
 大津市は「不当要求にも正当性があった」と述べていますが、あのような右翼をつれて暴れまくって人事異動に関する不当要求を行ったとしても、軽微な口頭注意だけで終わっていることに激しく違和感を覚えます。現場にいた父親は「単に娘(元女性職員)に呼ばれて現場にかけつけただけ」と行政は述べていますが、私が覚えている限り、女性職員は廊下におり、消防職員が右翼と一緒になって暴動を起こしていました。言ってみれば共犯関係にあると考えられます。
 ここからは推測ですが、20代の若い女性職員がそんな怖い人を知っていて不当要求をする際に呼び寄せるでしょうか。一般的には考えられにくく、父親が関わっているとしか思えません。
 翌年、「あれは不当要求ではなかった」「右翼ではなかった」と公文書作成で記述を改めているようですが、そうした考え方に納得できる人は当時現場にいた人の中で信じられる人はいないと思います。

【2点目】公文書を情報公開請求後に廃棄したのか。意図的な隠ぺいの疑いが強い。
 最高裁判所の判断で公開すべきとされた公文書が、実は情報公開請求後、審査請求・行政訴訟の間に廃棄されてしまったということですが、都合の悪い公文書は廃棄する悪魔のような所業です。人事課職員が忖度して行ったのか、または市長の指示によるものなのか分かりませんが、本当に悪質です。森友・加計でも、もともと無いとされていた文書が後で出てきた、という問題がありましたが、大津市の越市政も同レベルです。
 大津市は「意図して捨てたわけではない」と述べていますが、大津市において決裁文書は公文書管理システムでサーバー上に保存されており、保存期間が終了する際にリストアップされる仕組みとなっていることから、原本も含め、廃棄する場合は意図して行わざるを得ない仕組みになっていると確認しています。私は意図して公文書を廃棄した可能性が高いと考えており、越市政の隠ぺい体質が顕在化したものだと考えています。


 今月22日に閉会した市議会では、「市議会に対する積極的な情報提供を求める決議」が全会一致で通っています。
 大津市行政の言うことは一方的に鵜呑みにせず、しっかりと監視責任を果たすために、公の場(各派幹事長とかに説明して終わりではなく)において、つまり本会議や委員会、全員協議会などで行政に説明責任を果たさせるべきだと考えます。
  
 単に決議がパフォーマンスに過ぎなかったのか。大津市議会の真価が問われると考えています。(私からは議会局を通じて議長へ、「公の場で説明させるように」と強く要請を行っています)



フジイテツヤ










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