長野市における「都市内分権の取り組み」を行政視察

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 市議会で所属する常任委員会として、10月30日に名古屋市へ「ごみ減量の取り組み」を、翌31日に長野市へ「都市内分権の取り組み」を行政視察してきました。

 今年度の生活産業常任委員会は、近藤委員長、清水副委員長、仲野委員、竹内基二委員、岸本委員、杉山委員、河村委員と私が所属しており、市民部や産業観光部、環境部などが所管する事務事業を調査、審査しています。

 今回の委員会視察では、都市内分権を進めている長野市の事例は大変興味深いものでした。
 「都市内分権」と言葉は難しいものの、内容としては大津市が進めようとしている「まちづくり協議会」の設立・運営支援と似たような取り組みで、地域の諸団体を包括する統括団体を設置し、その統括団体にこれまで行政が担っていた事務を一括で依頼できるように作業の合理化を図ると共に、各地域の独自性を発揮したまちづくり、住民自治を支援しようとするものです。





 大津市では「まちづくり協議会」と呼ぶ団体を作ろうとしていますが、長野市では「地区住民自治協議会」と呼ばれています。この団体への行政からの依頼事務としては、必須事務と選択事務に分かれており、選択事務は各団体が任意で、やるかやらないかを決められます。(やらなくても補助金が減るということはないそうです。あくまで自主的にやるかやらないか。)



 
 大津市が検討している「まちづくり協議会 運営交付金」の内容や額面は現時点で未定ですが、長野市では「地域いきいき運営交付金」として、行政が各団体を支援しており、事務局人件費として310万円(事務局長費含む。地域によっては更に加算している)が交付されており、人件費以外にそれまで各種地域団体に交付していた補助金を一括して、まとめて支給されています。
 額としては、32地区で3億7千万円。





 その他、大津市議会の調査事項に関する回答はこちら(PDF)


 結果として、まちづくり団体の育成にはそれなりのお金がかかるということでした。
 人員確保や育成、中長期の計画的な運営のための事務局体制の整備が最も大きな課題ということでした。そのために当初、人件費は事務局職員費だけだったものが、途中からは事務局長費も合わせて払われるようになるなどしてこられました。

 長野市では10年ほど前、大津市と同様に支所統廃合を進めようとしたらしいです。
 しかしながら、反対意見が多く断念し、まずは都市内分権を図り、各地域のまちづくり統括団体を育成する方向性にシフトされたということでした。


 大津市も、長野市の先例に倣い、まずは「まちづくり協議会」の設立及びインキュベーションに注力をすべきだと考えます。公民館のコミュニティセンター化、そしてその施設の委託運営化、さらには支所統廃合といった、多くの課題を一緒に進めようとするから、ややこしくなっており、何よりも、受けてが育っていない(そもそも設立されていない)現状で、無理やり、越さんの思いを実現しようと支所統廃合を進め、公民館廃止を進めようとしても、うまくいかないと考えます。
 行政視察には、市民センター機能等あり方検討の所管部署長である井上市民部長も同行してもらいました。井上部長も熱心に長野市の事例をヒアリングされ、問題点の把握に努めておられました。視察結果をどのように市役所に持って帰られ、市民センター機能等あり方検討に反映されていくのかは分かりませんが、現在の大津市の進め方に問題があることは認識されたのではないかと感じます。

 行政視察中は移動時間が多かったこともあり、会派を越えて普段話をする機会が少ない議員とも様々に意見交換、情報共有をすることができました。湖誠会所属議員をはじめ全ての委員が、現在の大津市の進め方に「問題がある」と考えておられることを確認できたことは良かったです。委員長は質疑応答の中で明確に、大津市の支所統廃合は問題であると述べられるなど、議員の間でも一体感を高める事ができた視察だったと考えています。


 残る6か月間の議員任期では、私自身は最も大きなミッションとして「当面の支所統廃合は断固反対。全ての支所に複数の市職員を残す。」ことを掲げて活動していきます。


フジイテツヤ





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