2月議会・一般質問④「生活保護受給者に対する就労支援について」

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 4項目めは生活保護受給者に対する就労支援についてです。
 私のライフワークは就労支援・雇用対策で、今回は生活困窮者自立支援法の改正を含め生活保護制度、生活困窮者自立支援制度の見直しが今年度から行われることになっています。こうした変化に対して、大津市ではどのような対応を行っていくのかを質問しました。


【質疑応答】
Q 藤井より
 そもそも日本においては、生活保護世帯の捕捉率が国際的に比較してかなり低いとされており、本来は生活保護受給世帯であるにも関わらず、本人らが社会的リスクに思いをめぐらせて申請を控えるケースや、自分が生活保護水準にあることに気づいていないケース、また行政が認定の門を閉ざしているケースなどがあるとされています。生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的とする日本国憲法における国民の基本的人権を担保する重要な制度であることは、今さら申し上げるまでもありません。
 しかしながら、社会全体で見ますと、生活保護世帯の医療扶助費や生活扶助費は国や地方自治体の財政にも影響を与えています。こうしたことから、平成25年に生活困窮者自立支援法が制定され、その後平成27年からは生活困窮者自立支援制度が開始され、本市行政も大津市社会福祉協議会や社会福祉法人、中3学習会などと連携し、生活保護者を含む困窮者の自立支援に取り組んでいるところです。
 あらかじめ調べたところ、平成28年度末の本市の生活保護受給世帯数は3,103件で、このうち高齢者世帯や母子世帯、傷病者世帯以外のその他世帯は548件でありました。このその他世帯と分類されている人たちは、比較的就労支援や自立支援によって生活保護から抜け出せることが多く、行政による政策効果を見込める分野であると考えております。
 そこで、議会局を通じて全国中核市に対し、過去3年分の生活保護の利用別廃止世帯数調査を行ったところ、44の中核市自治体から協力を得ることができました。この調査を用いて生活保護世帯のその他世帯数のうち、働きによる収入の増加取得によって生活保護を抜け出した比率を集計したところ、大津市は過去3年間の平均値が45.7%と、中核市44自治体の平均値である43.9%を約2ポイント程度上回っており、偏差値であらわせば52程度でありました。
 ところで、政府は現在、平成30年度予算案において、生活保護制度、生活困窮者自立支援制度の見直し案を提出しています。これには生活保護基準の見直しや、原則的に医療扶助費の節減施策のほか、生活保護世帯の子どもの大学進学支援などが含まれており、個人的に着目しているのは就労自立給付金制度の見直しであります。ここでは詳細には述べませんが、早期に生活保護を脱却することへのインセンティブが付与されていることからも、福祉就労支援施策や生活保護受給者への情報提供を通じて自立支援を促す一つのツールになり得るのではないかと考えます。
 こうした国による新たな動きが出てきていますが、本市では今後どのような生活保護受給者の自立支援や就労支援を行おうとするのか、ここ数年の本市の取り組みに対する評価とあわせてお伺いいたします。



A 執行部(西田昌弘福祉子ども部長)より 
 御質問にお答えいたします。
 今後の自立支援や就労支援の取り組みについてでありますが、自立支援の中でも、就労支援は保護受給者が自立するために重要であると考えていることから、重点的に取り組んでおり、本市が就労可能と判断した保護受給者に対しては、ケースワーカーと自立支援が連携しながら就労支援を行っております。平成26年にハローワークとの協定を締結して開始した福祉と就労支援を一体的に実施する事業により、対象者の就労率が毎年概ね60%を達成しており、保護受給者の自立に寄与しているものと評価をしております。今後もハローワークとの連携により、保護受給者等への就労支援を行うとともに、来年度より実施される就労自立給付金の制度見直しなどの情報を早期に保護受給者に周知できるよう努めてまいります。


【再度の質疑応答】
Q 藤井より
 生活保護受給者への就労支援について、新たな制度も活用しながら進めていくというふうなことでありました。これはこれでぜひやっていただきたいと思います。
 一方では、そういう制度でインセンティブと感じる方というのは比較的就労意欲がある方なのかなというふうに感じていまして、そうではない方ですね、うまくモチベーションがどうしても上がらない方が中にはいらっしゃると思います。そういう方々への支援というものも一方では必要になってくるのかなと考えていまして、行政としまして、現場の方は非常に頑張ってはいただいていますけれども、何か策の取り組みが必要ではないかなと。
 今非常に求人状況がいいところでありますので、従来みたいになかなか難しいというわけでないと思います。ここ数年、(その他分類の就労率が)60%で推移してきているというふうなことでありましたけれども、これを上げていくというふうなことも可能なんじゃないかなというふうに考えていまして、であれば生活保護に係る公的負担も減らせる部分もあると考えますので、そのあたりについて考えていらっしゃることがあればお聞かせいただければと考えております。

A 執行部(西田昌弘福祉子ども部長)より
 再度の御質問についてお答えいたします。
 就労支援のさらなる取り組みでございますけれども、特に、例えば就労意欲がなかなか湧いていただけない方ですとか、生活習慣全般に指導が必要な方、就労に至るまでの方につきましては、昨年度から被保護者の方の就労準備支援事業というのを行っております。なかなか就労意欲がない方等も対象にした事業ですので、この一体的事業のようには効果が上がっておりませんけれども、この事業とあわせて一体的に総合的に取り組んでまいりたいと考えております。


藤井テツ




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