9月通常会議・決算議案を除く議案の討論&採決。

ホームブログ>9月通常会議・決算議案を除く議案の討論&採決。



 10月2日。9月通常会議・決算議案を除く議案の討論&採決が大津市議会で行われ、私も会派を代表して議案討論を行いました。



【討論文】
 議案第127号「財産の無償譲渡及び無償貸付」に対して会派を代表して賛成の立場、請願第6号「少なくとも責任ある避難計画が策定され、核廃棄物の最終処分場選定プロセスが開始されるまでは、大飯原発3、4号機の再稼働を行わないことを求める旨の意見書の提出を求めることに関する請願」に対して議員個人として反対の立場、請願第7号「安心できる介護を実現するため、介護報酬の抜本的な引き上げを求める旨の意見書の提出を求めることに関する請願」に対して会派を代表して賛成の立場で討論を行います。

 まず議案第127号「財産の無償譲渡及び無償貸付」でありますが、本議案は、2011年以来、長らく塩漬け状態であった大津びわこ競輪場跡地の活用を図るべく、解体と整備を行う大和リース滋賀支店に競輪場跡地施設を無償譲渡するものであります。
 本事案を進めるにあたっては、審議を通じて明らかになった以下の2つの課題を再度確認しておきたいと思います。
 1点目は、地域住民の声を今後十分に反映しなければならないことである。業者選定を行う附属機関にあっては、選定委員の中に地域住民の意思や懸念を反映すべく公募市民枠が設けられなかった。地域振興や防災対策、道路混雑などの点から選定段階で市民意見が反映されるべきであった。
 2点目は、当該地は中消防署の移転先候補地の一つであったことである。本庁舎建替えの議論は遅々として進んでいないが、中でも大津市中心部の消防防災の中核拠点である中消防署の移転先候補地の確保は喫緊の課題である。2007年に本市も導入した高機能消防指令システムも早期更新の必要性があるが移転先候補地のめどさえ立たない現状では、大津市災害等対策基本条例に定める市の責務を果たすことはできない。
 このまま中消防署の移転先候補地が見つからず、民有地購入などの多大な経費が発生したり、本庁舎整備スケジュールに大きな影響を与えるならば、市の責任は免れない。
 以上2点を確認した上で本議案に賛成します。

 次に、請願第6号「少なくとも責任ある避難計画が策定され、核廃棄物の最終処分場選定プロセスが開始されるまでは、大飯原発3、4号機の再稼働を行わないことを求める旨の意見書の提出を求めることに関する請願」であります。
 大津びわこ競輪場でまさに最後の興行が行われた2011年3月11日に発生した東日本大震災と、その後の福島第一原発の事故は、筆舌に尽くし難い被害を地域住民と日本全土に与えました。
 仮に、使用済み核燃料の再利用技術開発の目途が立たず、最終処分場選定プロセスが確定しないのであれば、できるだけ早い時期に原子力発電にエネルギー依存する状態を脱しなければならないと考えます。
 しかしながら、原子力発電を停止することは、気候変動リスクや国家財政の面からも現実的でないと考えます。確かに原発なしで数年間エネルギー供給を維持することができましたが、その間、石油や石炭などの化石燃料を燃やし続けました。二酸化炭素やフロン等の温室効果ガスの排出による気候変動リスクによって世界では毎年数十万人が亡くなり、それ以上の人たちが飢餓に陥っています。また税収約60兆円のうち原発停止による化石燃料の購入費用は4兆円程度とも言われていますが、これは国民の税金や借金で賄われています。
 国は、福島第一原発事故の反省の上に、新規制基準を設けました。請願者が趣旨説明で補足もされましたように、確かに新規制基準であっても災害リスクはゼロではありません。しかし様々に想定されるケースに対処すべく新規制基準は随時バージョンアップを繰り返し、その都度、原発施設整備の強化を義務付けています。
 本請願の理念についてはまさしく賛意を表すものの、大飯原発3、4号機の再稼動を認めないということは、賢明な判断ではないと考えます。高効率で安価な再生可能エネルギーの開発をとにかく急ぎ、化石燃料や原発の代替エネルギーとなるまでの間は、原子力規制委員会や国民によって厳しい審査と対策を求め続け、原発事故が再び生じないように、私たちは監視し続けていくべきと考えます。
 なお、本市は住民不安を理由に原発再稼働に反対している一方で、国の新規制基準は問題ないとの立場です。ポピュリズムの誹りを本市ならびに市長が受けないためにも、本市地域防災計画に定めのある通り、本市は市民に対して、放射性物質に関する正しい情報を伝え、不安の低減に努めなければならないことを申し添えます。
 
 最後に、請願第7号「安心できる介護を実現するため、介護報酬の抜本的な引き上げを求める旨の意見書の提出を求めることに関する請願」ですが、この間、国では介護報酬を引き下げる一方、介護従事者の賃金を僅かですが引き上げる施策をとってきました。財政を考えるとこうした国の政策に一定の理解を示すものです。
 しかしながら、介護報酬にしろ、その影響を大きく受ける介護従事者の賃金にしろ、漸進的ではなく抜本的な引き上げが必要だと考えます。私事ですが、兄弟の一人が福祉系の大学卒業後、介護の仕事で10年以上働きました。しかし経験を積み役職は上がれど賃金はほとんど上がらず、結局、違う業種へ転職することになりました。介護報酬の抜本的な引き上げは、介護を必要とする人だけではなく、介護の仕事に誇りを持ち働く現役世代のため、また介護職域の技能蓄積の観点からも必要であります。これは保育政策にも同様に言えることであり、政府が述べる全世代型の社会保障制度とも矛盾するものではないと考えます。
 よって現役世代の雇用を守るためにも、地方自治の本旨に照らし本請願の採択に意義を感じることから賛成するものです。

 以上討論とさせて頂きます。議員各位のご賛同を頂ければ幸いです。


 * * *

 またもう一つ。
 討論でも申し上げた大津市中心部の消防防災の中核施設である中消防署の候補地選定が進んでおらず、このことについて、会派同僚である谷議員が中心となって、会派所属3人(藤井、谷議員、山本議員)の連名で決議案を提出し、自民党系、公明党系、民進党系、共産党系、維新の会系のご理解を頂き、全会一致で決議案が承認されました。

(決議案本文)



 ちなみに、昨年12月14日の生活産業常任委員会での審議におけるやりとりを以下の内容です。

◆藤井哲也委員  
 先ほどの議案審議のところの話と関連するんですけれども、私は重要だったと思いますが、改めて取り上げますけれども、防災機能が現時点では屋内、屋外問わず避難できるところであったりとか、そういうふうな部分での検討にとどまってるのかなと思ってはいるんですけれども、こっち(大津びわこ競輪場跡地)が先に決まってしまったら、中消防署の行くところがなくなってしまうじゃないですか。
 スケジュール感で、そこはどう捉えてはるのかなというのを知りたいと思っています。部署が違うから別だという話じゃなくて、結局、全庁的に考えていかなあかん問題やと思いますので、競輪場跡地の利活用と消防機能のあり方というのは私はセットで考えるべきだと思うんですけれども、まずこちら(産業観光部所管の大津びわこ競輪場跡地の利活用)の方ではどのようにその点考えてらっしゃるのか、お伺いできないかというふうに思ってます。

◎商工労働政策課主幹  
 先ほどの付託議案の審査のところで私が御説明申し上げたところが少し誤解があるといけません。念のために申し上げますと、部署が違うからということで申し上げたつもりは全くないというふうに思ってます。ただ、現時点で競輪場跡地に中消防署を持っていくという判断は、まだ今時点ではないと考えておりますので、あくまでも昨年度までに検討された結果に基づいて、今年度具体的な条件を定めてると、その上でマーケットサウンディングで市場動向を把握した上で、今、募集条件を整えておりますので、その点を進めているというところで、消防署の設置の検討は、それとは別のところで動くものだというふうに考えております。
 以上でございます。

◆藤井哲也委員  
 別のところでということなんですけれども、結局こっちの募集要項といいますか、決定された後には、もう後戻りできないわけですよね。消防機能をもしこっち(大津びわこ競輪場跡地)に、余り場所ないわけじゃないですか。仮に用地を別に(民有地購入して)確保しようと思ったら何億円かかるわけだと思いますので、本来だったら、私は並行して検討していくべきだと思うんですよ。
 なので、本来はそこを考慮した上で募集、逆に提案するほうも困ると思うんですよ。現時点では、もしかしたら消防機能来るかもしれないという中で、どんな提案したらいいのかわかんないわけじゃないですか。そのあたり私は、庁舎の中であったら検討は相互に考慮し合いながら行っていくべきだと思うんですけれども。

◆竹内照夫委員  
 藤井委員、志成会さんは何かもうあそこしかないという決めつけで議論されてますけれども、そんな話は執行部の中で一回も出てないわけで、そうなんでそれを前提でこの事を喋っていったら、まさにこの事業そのものが前に進まないし、執行部の中でそういうことを考えてるわけがないと思うんです。ですから、もうちょっと違う視点で質問をされたほうがよいのかなというように思います。

◆藤井哲也委員  
 あくまでも竹内委員が仰られるとおり、此処と決まったわけではないと思います。ただ、可能性として私は有力な場所じゃないかなという観点から、その可能性を取ってしまうんじゃないかなと思ってまして、そういう観点からちょっと申し上げてるんですけれども。
 ですので、私は消防機能のあり方も踏まえて、今後考えていかなければいけないんじゃないかなと思ってますが、ご見解聞かせてもらえたらと思います。

◎商工労働政策課主幹  
 先ほど竹内委員からも仰っていただいたとおり、全体の中でまだ検討されていない話でございますので、とはいえ競輪場6.5haの利活用については、廃止後、市民の皆さん、関係団体の皆さんも非常に関心を高く持っていただいてます。
 一定的な地理的にも重要な土地でありますことから、この検討については前に進めるべきだというふうに考えておりますので、こういう御提案をさせていただいているということで御認識いただければと思います。

◆藤井哲也委員  
 私の質問に誤解があれば、間違いかと思いまして、意見申し上げたいんですけれども、私どももずっとこの場所は活用すべきだというふうなスタンスでありましたので、そういう観点だけ御理解をいただきたいなと思います。


大津市議会議員 藤井テツ




▲ページのトップへ