議員個人として東京都三鷹市へ行政視察

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 議員個人として去る11月1日に東京都三鷹市へ行政視察に伺いました。
 視察項目は「コミュニティ・スクールを基盤とした 小・中一貫教育」について。

 大津市では2013年7月に当時の冨田教育長がコミュニティスクールの実施に向けて大きな決断を下し、10月に校園長会で研修会を開催し機運醸成を図ったことにより、地域と家庭、学校との連携によう「開かれた学校」の制度作りと試行的取り組みが進められてきました。

 私自身もこれまで特に力を入れてきた制度・取り組みであり、大津のいじめ自殺事件を受けて、独自に先進地事例を調査する中で、その導入の必要性を感じ、議会で取り上げてきました。

 今回の行政視察は、大津市でも今後、「コミュニティ・スクール」を普及・推進していくに当たり予め検討しておかねばならないといけない問題は何か?を、日本のコミュニティスクールの最先進地とも言える三鷹市で学ぼうと感じたからです。

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 結論を色々と書いていきたいと思いますが、

 「コミュニティスクール」が円滑にまわる背景
 コミュニティスクール制度を導入したのはいいけど、なかなか地域との連携がうまくいかずに、思ったような成果を出せない場合もあります。三鷹市の場合は、「協働」の取り組みや、住民自治の取り組みが活発らしく、学校側も比較的負担も少なく運営ができているということです。実際、学校に授業支援や部活支援、放課後学習支援などでボランティアとして関わる地域住民が増え続けており、年間んでのべ16000人にも上るという事です。

 「三鷹市のコミュニティスクール」の特長
 学校単位でのコミュニティスクールではなく、地域単位でのコミュニティスクールを導入しています。つまり1コミュニティスクールあたり、平均で2小学校と1中学校が所属しています。小・中一貫教育を進め、2小学校・1中学校を一つの「学園」として捉え、そこにコミュニティスクールを設置しています。2小学校・1中学校の学校運営協議会メンバーが一堂に会して、会議を開くため、様々な地域の課題が共有され、連携や情報共有が進んでいるという事です。
 学校や地域住民も「学園」単位で自由に行き来し、学校の教職員の方も「学園付き」ということで兼務扱いとなっています。(つまり所属の学校だけではなく、学園内の違う小学校や中学校で教えることもあります)また、地域住民も自分の居住小学校区とは違う小学校にもボランティアで行くことも多いという事です。
 そうしたことから、小学校と中学校との連携が非常にスムーズで、いわゆる「中1ギャップ」などがあまりなく、不登校率は東京都平均に比べてかなり低い水準となっておられます。また学力も比較的高い水準とのことです。
 また学校選択制をとっておられないにも関わらず、学園内進学率(小学校→中学校)は80%あまりということで、都内の小学校の公立進学率からしたらかなり高い水準のようで、これも成果の一つだと捉えています。
 もう一つ、9年間子ども達が同じ地域で学び、そして地域住民と触れ合うことで、自然と学校外の地域行事にも参加するようになってきていると言います。

 「コミュニティスクール」を支えるもの
 三鷹市においては小学校と中学校の系統性と連続性ある指導を行うために小・中一貫カリキュラムを構築されました。「単元系統配列一覧表」というもので、12部会に分かれて小学校・中学校の教職員の方が集まって作られたそうで、かなり綿密に構築されています。
 これにより生徒の躓きを少なくし、万一、つまづいたとしてもどうすれば理解が促進するのかを明確にすることができます。
 このほか、学校支援のためのボランティアが増えているのは先にも述べたように「協働」の考えが浸透しているからで、「三鷹市自治基本条例」が制定されているように、市民や議会、行政が一定の理念の下、地域を浴していこうと協力し合う関係が醸成されていることが上げられます。


 ひるがえり大津市では、現在のところ市内で2校のみにコミュニティスクール制度が導入されていますが、今後の広がりには課題があります。一つには制度そのものの理解が促進されていないことです。既に「学校協力者会議」がある中で、なにがコミュニティスクールと違うのかを明確にして、導入インセンティブを働かせなければなりません。
 三鷹市の場合は、学校の任意の手上げ方式であったものの、市内の学校が次々とコミュニティスクールに移行したことから、一気に全校でのコミュニティスクール導入が実現しました。この背景には教育行政(教育委員会)からの側面支援があったのは言うまでもありません。
 また、コミュニティスクール導入を目的とするのではなく、その先にある「不登校児童出現率減少対策」、「学力向上」、「いじめ対策」、「子供の地域愛醸成」、「学校教職員の負担軽減による指導力向上(選択と集中)」などの実現のために、コミュニティスクール導入を推進すべきです。子どもや住民にメリットが示されなければ、物事は動きません。また学校運営協議会やボランティアの方々には少額の報奨が必要です。そうした制度設計を大津市の教育委員会が力を入れて取り組まなければなりません。
 また私自身必要だと感じるのは、コミュニティスクール設置根拠等を条例によって定めることです。単独の条例でもいいでしょうし、現在、大津市が策定しようとしている「大津市協働のまちづくり推進計画」に盛り込むカタチでもいいと思います。そうすることで「協働」や「住民自治」の観点から、地域と家庭、学校の連携がより根拠を持って進められることに繋がると考えます。

 大津市において、コミュニティスクール導入のきっかけを作った冨田元教育長の思いを実現するためにも、引き続き提言を続けていきたいと思います。ユーモアたっぷりの激励の声が聞こえてきそうです。


大津市議会議員 藤井哲也拝




 

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