大津市の出生数アップに向けて②

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 市長当選後初の記者会見が先日あり報道がありました。

越市長の50代男性差別発言①

越市長の50代男性差別発言②


 確かにそういう考えの人も未だにいるのかもしれませんし、昔からそのような風潮があったことも否めませんが、今回の選挙結果と結びつけるのは強引過ぎだと思います。いわんや50代男性や商工会議所関係の人、自身に批判的な人を一括りにして女性差別傾向があるとレッテル張りするのはさすがに言い過ぎに感じます。

【男性は仕事をし、女性は家庭を守るべき」に同感する割合(2009年滋賀県調査)】
男性が仕事、女性が家庭の率(滋賀県)

 はたして県が行った調査結果の数字だけ見ると、「男性=仕事、女性=家庭と考えている率」は50代男性は、40代男性や60代以上の男女よりも低くなっています。
 社会や組織でそれなりの地位にいる50代の人は、女性差別をすることなく、しっかりと人物評価できる人が多いと私は感じています。そうでないと今時、会社経営やマネジメントは上手くいきません。
 
 対立候補も女性でした。ただその対立候補は50代男性層から一定の支持を得ていました。
 (前後の文脈から考えると、越市長は「対立女性候補が媚びを売って50代男性の支持を得た」と言いたいのかもしれません。)

 せめて議会においては批判的な立場の意見であったとしても、女性差別者だという偏見を持たずに、真摯な姿勢で臨んで頂きたいと市長には切に思います。


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 出生数を上げるための対策について続きを書いていきます。
 大津市では2014年度は出生数は約3千人で横ばいとなっており、高齢化に伴う死亡者の増加によって、「出生数ー死亡数=自然増」は微増となっています。

 大津市のこれまでの取り組みは保育所増設一辺倒でしたが、今後は「大津版ネウボラ」の検討開始などが考えられることから、少しは総合的な視点で子育て支援が進むものと期待をしています。

 市長が出生率対策の根本においている考えは、「M字カーブ」の解消が出生率向上に寄与するというもので、これは一定合理性があります。妊娠・出産・育児期に女性の有業率が一時的に低下する「M字カーブ」現象は先進諸国と比べて日本は高い傾向を示しており、また国際的な比較や国内都道府県の相関分析などを見ても、確かに有業率や労働時間、雇用形態と合計特殊出生率との間の相関性が見られます。

 そうした点から、三世代同居・近居促進政策や、潜在的待機児童への支援施策を含め、女性が妊娠・出産・育児をしながら働き続けられる環境を、自治体や経済界が連携しながら進めていくことは大変重要で、どんどん進めてもらいたいと思います。

 しかしそれだけでは不十分です。
 現在の大津市で見落とされているとまでは言えませんが、あまり目がつけられていないのが、「結婚促進政策」だと思います。
 「合計特殊出生率」と相関性が高い指標として「婚姻率」があります。

合計特殊出生率と未婚率(女性相関)

未婚率と合計特殊出生率(男性相関)

 表は2010年の各都道府県のデータを用いています。
 (男女とも右上に一つだけ離れている点は沖縄県です。)

 傾向として言えるのは、「20歳~49歳の出産期の未婚率」が低いほど、「合計特殊出生率」が高いというものです。日本人の「妊娠・出産は結婚をしてから」という観念も影響していると思います。
 
 昨年に大津市の婚姻率に関する調査を独自に行いましたが、その際、20歳~44歳の男女の未婚率は以下の通りでした。
 
 大津市内在住 20歳~44歳女性の未婚率:40.2%(婚姻率59.8%)
 大津市内在住 20歳~44歳男性の未婚率:48.9%(婚姻率51.1%)

 他市と比較した場合、どうでしょうか?
 実はこの数字は、それほど悪くありません。
 もっと婚姻率が低いところがたくさんあります。
 そうした自治体では、「結婚促進政策」を昨今、地域と一体となって必死に取り組んでいます。

 大津市は婚姻率が平均以上!
 だからといって、このまま放置しておいてもいいのかと言えばそうではありません。
 大津市もこの分野の政策に本腰を入れて取り組む必要性が高まってきています。

男性女性の未婚率の推移大津市

 
 全国的に言えることで、大津市でも国勢調査によると年々未婚率は高まってきており、特に女性の未婚率の高まりが目立ってきています。また同時に晩婚化も進んでいます。

 昨年、私は子育て支援先進県である「福井県」と、福井県の中でも唯一人口増加している「鯖江市」に行政視察に行ってきました。次の記事以降で未婚・晩婚化が少子化に与える影響を振り返り、福井県などへの行政視察を踏まえた大津市が取り組むべき結婚促進政策の提言や、大津市の施策の問題点ついて思うことを書き留めたいと思います。


大津市議会議員 藤井哲也拝







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