越市政4年間の総括(5)~市民主役のまちづくり~

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最後の評価項目は「市民主役のまちづくり」についてです。

さて行政は一体なにのために存在しているのでしょうか。それは市民一人ひとりの公共福祉向上、もう少しわかりやすく表現すると「みんなが幸せに感じられるようにするため」に存在するのだと私は思います。
税金が市民にとっての財産であることは言うまでもありませんが、市役所も市民にとっての財産であり、そこで働く公務員も市民にとっての財産です。
時の市長はそうした財産を一時的に預かる身に過ぎず、市民生活に影響を与える決定事項に関しては、市民の代表者が集う議会が行うというのが住民自治の大原則です。
私はそうしたことから、「市民主役のまちづくり」が推進されるべきと考えており、具体的には以下の3点で以って市政評価を行いたいと思います。

① 行政計画の策定プロセスにおいて市民がどれくらい関与しているのか
② 予算編成において市民や議会の意見が尊重されているか
③ 行政内部の状況・情報が市民に対して透明性を保てているか

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1点目は「行政計画の策定プロセスにおいて市民がどれくらい関与しているのか」ですが、5段階評価で「2」としたいと思います。
当たり前ですが、高齢者福祉や次世代育成、ごみ処理や教育振興に関する各種基本計画は議会へ随時説明がなされており、パブリックコメント(市民意見募集)もなされており問題はありません。しかしながら、その計画策定にどれくらい市民や議会が関与し反映されているのかは別問題です。例えばこれまでは市民らによって構成される「第三者機関」(附属機関)で策定されてきた、「教育振興基本計画」や「大津市総合計画」も行政が素案策定を行っています。また「一般廃棄物処理基本計画」や「大津市ひと・まち・しごと総合戦略」の策定においても市民や附属機関の意見募集は形骸化していたように思われます。
行政府が勝手に作る計画を「行政計画」と言い、市民が主役となって作る計画を「自治体計画」と呼ぶならば、大津市が策定している計画のほとんどは「行政計画」に分類されるでしょう。但し、議会自体もこうした行政計画を議会での「議決事件」に追加することはできますが、現状はしていません。そうしたことから議会にも一定の課題があると考えています。

2点目は、「予算編成において市民や議会の意見が尊重されているか」についてですが、5段階評価で「2」とします。
予算編成権は市長にあり、その決定権は議会が有しています。ダメな予算案であれば議会が否決したり修正したりすればいいだけなのですが、実際に議会が持っている権限としては「不必要な事業予算を予備費へ計上する」というくらいのものです。例えば、子育てが重要だからといって、議会が主体的に子育て関連事業費に数億円を追加計上するという権限は持っていません。そうしたことから議会としては、法的に問題がある事業が入っておらず、予算全体のバランスが取れているのであれば、若干課題があったとしても議決してしまうことが全国の地方議会で見られ、大津市議会でも同様です。
そうかと言って市長が勝手に予算編成をすることは市民軽視になりますので、市民や議会の思いが尊重され予算反映される必要があります。予算編成プロセスにおいて市民意思が反映される部分は、現場の担当課による予算要求と私は考えています。現場で直接聞く市民や議会の声を反映した予算を担当課が作成し、それを総務部や二役(市長・副市長)に上げることになります。例えば、どんどん道路を作りたいから道路維持補修費を要求しているわけではなく、市民の交通安全意識の向上による声の高まりを直接現場が聞くからこそ、道路維持補修費の増額を総務部と二役に要求しているわけで、それは担当課が市民や議会の声を代弁してくれているのと同じだと思います。
しかしながら、市長は現場担当課の声をバッサリと切り捨てることも頻繁にあり、教育行政を預かる教育長の意見を踏み倒してまで予算編成を行ったり、また現場からの悲痛な声を聞いた副市長の声さえも聞こうとしませんでした。税金は市民の財産であり、市長の私有物ではありません。この4年間の大津市は残念な状況が続いてきました。本来であれば本項目は5段階で「1」をつけたいところですが、こうした予算案を是としてきた議会にも私は一定の責任があると思いますし、修正案さえほとんど通らなかったことを踏まえると、議決された予算については一定の妥当性を持っていると言わざるを得ません。そうしたことから「2」としました。

3点目は「行政内部の状況・情報が市民に対して透明性を保てているか」ですが、5段階評価で「2」にしたいと思います。
以前もブログに記載しましたが、現在の大津市役所内部は非常に重たい空気が立ち込めています。市長に意見具申してきた人の多くが左遷されてきましたし、ボブルヘッダーばかりが市長から評価されています。副市長が出した情報共有のためのメールも市長によって削除されるなど言論統制まがいのこともあり、また人の意見を全く聞かない市長の姿勢に対して職員のモチベーションはかなり低下していると耳にします。こうした状況は一般の市民の皆様は知らないことだと思いますので、私自身は立場上知りうる情報としてブログ等に記載をさせて頂いているところです。
マスコミには良い情報ばかりがリリースされ、都合の悪い情報は内部に押し込められています。(教師の不祥事などは積極的に公開はされますが)
たまたま私を含め議員に情報リークをしてくる方がいたりすると、悪事が世間に明らかになることがありますが、基本的には隠ぺい体質が残っているといっても過言ではないでしょう。そもそも市民や議会に出す情報をコントロールできる立場に市長はあり、市長の情報の透明化の責任は重大だと思います。
そうした隠ぺい体質の問題はあるものの、私が議員になった5年前に比べて、例えば予算編成過程の透明性が高まった点などいくつか評価できる点もありますが、原則的に市役所の公文書をはじめとする各種情報は全て市民の財産でもあります。市民や議員が求めなければ都合の悪い情報が出てこない状況は大変問題だと思います。


以上、「市民主役のまちづくり分野」について記載しましたが、平均して「2」となります。この4年間は市民主役とはほど遠い、「市長主役のまちづくり」だったと思います。


大津市議会議員 藤井哲也拝





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