歴史的な18歳選挙権と学制改革。

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こんばんは。
本日は市議会において特別委員会が開催され、私が所属する「スポーツ・健康推進特別委員会」では、健康寿命を延伸するための「健康おおつ21」や、大津市高齢者福祉計画、障害者スポーツ振興の取り組みについて市から説明を受け、施策に関して意見交換を行いました。
私が最も問題だと感じたのは、健康寿命を延伸しようと様々な施策が展開されてはいますが、その指標となる「健康寿命」は5、6年前の数字を用いているという現実です。どうやら国勢調査の統計を用いているようですが、PDCAサイクルをまわして施策の有効性を検討するには時間がかかりすぎます。
ちなみに滋賀県の健康寿命は低い方で、特に女性はワースト1、2位を争うほうです。この数字が近年はどう推移しているのかを把握しなければ、適切な施策を打つこともできないでしょう。
のんびりしているというか、意識が低いのか、健康寿命を本気で伸ばそうと考えているなら、もう少し力を入れて取り組んでほしいと思ったところです。そのように意見申し上げました。



さて、歴史的な18歳選挙権が成立しました。
1945年12月に男女同権で選挙権を20歳に引き下げてから70年。
正に歴史に残る選挙権の拡大が行われることになりました。

これに対して反対意見を述べる人もいますが、私は全面的に賛成です。全く心配をしていません。
そもそも、18歳人口の半数が労働者となり、実質的に扶養者から納税者にシフトするのにもかかわらず、納税義務だけ課して、なんやかんや理由を付けて普通選挙権を与えていないのは不合理(自分が払った税金の使い道を、選挙を通じて意思表示できない)で、大問題でした。
世界的に見るとごく当たり前のように18歳から選挙権が与えられており、日本は民主主義の後進国となりつつあったのです。

今回の改正公選法の付則には、民法の成人年齢の「20歳以上」や少年保護や更生を重視する少年法の適用年齢の「20歳未満」について引き下げを促す規定が明記されています。私はこれらも18歳に引き下げるべきだと考えます。自分自身が18歳だった頃、確かに未熟だったと思いますが、責任能力がなかったのかと言えばそれらを自覚した上で、社会的許容に甘んじて羽目をはずすようなことがありました。社会人として一日も早く自覚を持ち、社会に責任を持つ立場になるためには私は必要なことであると思います。
もし不安があるのであればそれは学校及び家庭内の教育に問題があるのであり、別に考えなければならないものです。


合わせて、小中一貫校を制度化する改正学校教育法も成立しました。
これは小中一貫教育を行う新たな学校を「義務教育学校」として、自治体の判断によりこれまでの「小学校6年、中学校3年、高校3年」という枠組みを取り払い、例えば「義務教育(小)5年、義務教育(中)4年」や、「義務教育(小)4年、義務教育(中)3年、義務教育(高)2年」という感じで、柔軟に運用をすることができる法律改正です。

メリットとしては、小学校段階で中学校の学習内容を先取りすることも可能になるなどだと言われており、また大津市でも取り組んでいる、いわゆる「中1ギャップ」の解消などにも効果的とされています。

確かに民間や一部の公立で導入されている小中一貫校では、小学校6年生で学ぶ内容を5年生のうちに終えてしまい、小学6年生時には中学校の学習内容を勉強していると聞きます。これによって学習スピードが上がり、難関校に合格しやすくなるとされています。

私は大津市においても北部、中部、南部、東部の1校ずつはこのような「小中一貫校」にして学制を見直しても良いと感じています。学校選択制を残すのか、または選択制を廃止するのかは別問題で、この小中一貫校は居住学区域外からも受験可能にすればよいと思います。(その上で学校選択制廃止が望ましいと考えています。)



ところで、私の愛読書でもあるPFドラッカー著「ネクストソサエティ」(2002)において、数百年に一度の産業革命が1965年~2020年前後にかけて起こっていると述べているのは記憶に新しいですが、おそらく1990年代生まれ以降の若者と、それ以前の世代の人との間には決定的に見えている世界観が違うように思います。

すでにロボット・FA技術の発展によって多くの製造ラインの雇用が消失しています。
3Dプリンターを始めとする新技術の出現によって早晩、多くの職人は不要になるはずです。人工知能の加速度的な開発によって、多くの専門職の仕事もなくなるでしょう。ネット決済の普及やマイナンバー制度の導入によって販売員や情報仲介者の仕事もなくなるでしょう。

20年後の社会はどのようになっているでしょうか?
仕事の質が大きく変わろうとしている中にあって、旧態依然とした教育は大転換をしなければならない時期に入ってきていると思います。



大津市議会議員 藤井哲也拝







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