一般質問の解説②『職員のモチベーションアップ』

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おはようございます!
滋賀県の大津市議会議員、藤井哲也です。

昨夜開催された公開討論会に私も参加いたしました。
私なりの見解を近日まとめ公表したいと思います。

6月議会での私の一般質問の解説2項目めは「職員のモチベーションアップ」についてです。


私ごとで恐縮ですが、専門分野は「若者の就労問題」とそこから派生する「組織改革」及び「人材育成」です。この分野で約10年間メシを食ってきました。
一昨日に議会にお越し頂いた同志社の太田教授とも、私自身の取り組む課題で先駆的な研究をされておられたことから約10年前に研究室に押し掛けてご指導を頂いたのがキッカケで現在まで大変お世話になっています。
そうしたキャリアを踏まえて、今回の質問を行ったものです。


【質問の趣旨・背景】

現在の大津市の組織を見てみると危惧することが多いのですが、私にとっては特に「職員のモチベーションの低下」が最大の懸念事項です。
市民の皆様は組織内部事情についてそれほどご存知ない方も多いと思いますが、議員というポジションを与えて頂いているからこそ、すぐ傍で職員のモチベーションを肌で感じることができています。
不祥事が相次いでいます。最も大きな要因は個人の問題でしょう。しかしそこだけに押し込めてはなりません。市長が進めているように「内部統制の強化」や「セキュリティ体制の強化」は大切かも知れませんが、そのような対策はあまり意味がないと私は思います。「不祥事をやる人はやるし、やらない人はやらない」と思います。それよりも「不祥事をやる人をやらないように意識を変える」ということが重要です。
それは「モチベーション」の「マネジメント」で、ある程度可能だと私は考えます。
なぜか?モチベーションが下がれば、次のような段階を追って様々な問題が生じるとされるからです。

第1段階 自発的な創意工夫力の減退
第2段階 コンプライアンス軽視
第3段階 ミスや事故の発生
第4段階 業務遂行意欲の減退
第5段階 自己中心的行動の多発


【質問の内容】

・人事施策を講じる前に、モチベーションを測定する指標が必要ではないか?
・職員の「承認欲求」を満たすために、非金銭報酬の一つである「表彰制度」を導入しては?
・職員のやる気を阻害する現在の給与制度を改正すべきでは?

特に「給与制度」については一昨年9月議会でも取り上げたのですが、下図のように例えば管理職である「課長代理」の給与も、在籍年数によっては3等級下位の「主任」の方が給与額が高くなってしまうような制度上の欠陥があります。この制度で係長の人が課長補佐になろうとするでしょうか。課長補佐がやる気になるでしょうか。

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【総務部長答弁の趣旨】

・モチベーション測定は日頃の上司と部下との面談で把握するようにしている。そのためモチベーションサーベイなどは実施しない。
・表彰制度の導入は今後検討していきたい。
・給与制度の見直しは行政改革の一環で取り組んでいきたい。


【質問後の感想】

目標設定や評価面談の際に、上司が部下のモチベーション状態を把握することは重要でありますが、そうした面談によって「人事施策として何が必要か」を上司、ひいては人事課が把握するのは実際問題 無理でしょう。
もし仮に人事課が人事評価者を集めて、「モチベーションアップのための人事施策検討会議」などを行っているのであれば話は別ですが、現在そうしたものさえなされていません。
時間があればもっと追求をしたかったのですが、他の質問量も多く再質問はしませんでした。
必ずしも定量的なサーベイを実施する必要はありませんが、それに相応する施策検討の体制は設けて頂きたいと思います。機会を見てあらためて任期中に質問をしようと思います。

また「表彰制度」については今後検討していくとの答弁でした。ぜひ具体的な検討をしていって頂きたいと思います。

さいごに「給与制度の改定」については、他の中核市(箕面市など)でも改革が進んでいます。
年功序列型の現在の給与制度を早期に是正して頂きたいと思っています。
本年度から登用された「行革アドバイザー」の助言の下、人事制度も見直しを図るということですので、今年度中にも動きがあると考えています。「市民へのみせかけの行革」にならないように、私自身の専門性を生かして、その内容をシッカリと確認していこうと思います。


大津市議会議員 藤井哲也拝





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