富田眞教育長の功績。

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おはようございます。
滋賀県大津市議会議員、藤井哲也です。

大津市の富田眞教育長が昨日、辞表を任命者である市長に提出しました。
市長はこれに同意し今月末をもって教育長は辞職されることになりました。
表向きの辞職理由は体調不良とのことですが、それが直接の原因でないことは少し知っている人なら誰でも分かります。昨年2月の就任以来、教育改革を進めようとする富田教育長に対する越市長の不当な介入、意見の相違による確執・心労です。

越市長は、「教育委員会とは連携をとっている」と繰り返し述べていますが、市長の主張を教育委員会に「ごり押し」することを連携とは言いません。(市長の辞書にはそれが連携と書いてあるのかもしれませんが。)

また今回の辞職にあたっては私は議会にもその責任の一端があると感じています。
つまり、2月議会では政策形成過程の不透明さについて、内部告発に近い答弁をされたのにも関わらず、最後はハシゴを外して、教育長が不透明だと述べた事業を認めてしまったためです。教育長としては忸怩(じくじ)たる思いがあったはずです。

この問題の伏線は、昨年9月にさかのぼります。
昨年9月に、市長部局と教育委員会との連携不足を理由として、当時の笠松副市長解職と富田教育長罷免の2つの決議案が最大会派の湖誠会から提出されました。(議長預かりのまま、審査もなく取り下げられました)
当時、議会内では「なぜ富田教育長は、市長などから為されているパワハラまがいの問題を表に出さないのか」との声が多数上がっていました。私自身も「市長は教育長だけを辞めさせたがっており、実際に議会に罷免に同意する文案も作成した」という話を聞きました。

富田教育長の気持ちを推し量ることは困難ですが、もしかすると「あのとき(昨年9月)、本当のことを言っておけばよかった」という思いが去来したのではないかと考えます。

2月議会では、もうさすがに市長の法令順守違反と言える悪行を許し難かったので、自分の職を賭して、内部告発を議会でされたのだと思います。
それにもかかわらず、議会は・・・。
富田教育長としては、もう居場所はないと感じたはずです。

市長のマネジメント能力の欠落、そして議会の議決結果。この2点が最終的に辞職を決意させた要因だと慮(おもんばか)ります。


富田教育長は私は極めて筋が通った、教育に熱い情熱をかける方だと幾度か話をする中で感じていました。また品質管理の世界の最高の権威である「デミング賞」を会社員時代に受賞されるなど、「品質管理」の真のプロフェッショナルです。
教育委員会改革においてもこの品質管理の考え方を導入されて、この1年間取り組まれてきました。明らかに教育委員会の組織は変わりつつあるように感じています。



以下、富田教育長のたった1年間ですが、その類マレな功績を記します。

● 学校教育に分かりやすい基軸を設けた。
・「品質管理」の基本中の基本の考えである「5S活動(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)」を導入した。
・子どもにも分かりやすい「早寝・早起き・朝ごはん」というキャッチフレーズを普及させて、生活習慣の改善から教育効果を高めようとした。

● 小中学校において、朝の読書活動の取り組みを広めた。

● 「コミュニティ・スクール」を平成28年度から実施することを決定した。
・そのために具体的な研究を平成26年度から実施することとなった。
・公民館を中心に地域と学校をつなぐ人材の養成を行うことを決めた。

● 教育委員による学校現場訪問(スクール・ミーティング)を新たに始めた。

教育委員会広報紙(教育おおつ)の創刊。現在第4号まで既刊。


そのほかにも幾つかありますが、紹介していくと逆に功績がぼやけてしまいますので上記5つのみをここでは紹介します。


教育者としてもその素質は高いものがありました。
このような優秀な人材をうまく使うことができない越市長は本当にダメだと感じます。
次回市長選挙は2年後ですが、もう少しマシな方に市長になってもらいたいと、今回の件を受けて強く感じ始めています。大津市民のため、大津の子どもたちのためにも。


大津市議会議員 藤井哲也拝




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