21年ぶりに大津市農業委員の選挙がありました。

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こんばんわ!
大津市議会議員(みんなの党所属) 藤井てつや です。

今週も「みんなの党通信大津版・第5号」を駅頭で朝に配布しますので、ぜひともご関心持ってくださる方は受け取っていただけましたら大変嬉しく思います。


さて、去る10日(日曜日)は、実に21年ぶりとなる大津市の農業委員の選挙がありました。(21年間は無投票=定数と同じ人数の立候補のため)
30人定員に対して31人の立候補。結果は下記の通りです。(大津市ホームページから引用)




私の事務所があり、育った真野学区においても、多くの農家がおられます。そして田んぼと畑が多く、農業は盛んです。すぐ近くの伊香立学区、葛川学区、旧志賀町、そして市南部の田上学区などでも農業が盛んです。
農業は国の礎。農業の充実なくして、国家のヘゲモニー(覇権)はありません。エネルギー同様、他国に依存するような状態であれば、第二次世界大戦の引き金ともなったようにいつ禁輸され追い詰められるかもわかりません。農業とエネルギーは国の礎です。

大津では産業政策、観光振興も考えなければなりませんが、同時に農業政策も重要です。いかに「売れる農産物をつくり売るのか」です。今回の農業委員の選挙にあたり、農業に従事されておられる方にお話も伺いました。そして仰るのは「農業では食っていけなくなってきている」というお声です。ある新しい発想を持った農家の方は仰っておられました。「農家も会社と同じ。自律経営をしなければならない。だが、いまの状態では農家は食っていけない。なぜならば、本当に安くでしか農作物は売れない。仕方なく安くで売るが、もっともっと地域の農産物のブランド化を進めていかないといずれ大津市、日本の農業はダメになってしまう」と。

大津の農産物のブランド化はひとつ重要な課題と思います。
私も経験は浅いのですが、友人が農業関係のビジネスをやっていて、畑作りなどを手伝いにいっています。手間が本当にかかりますが、思ったよりも安くでしか農作物は売れません。悲しい。

しかし一方では高値で売られているブランド農作物もあります。一つはすぐ隣の「京野菜」です。九条ねぎなんかは最たるものではないでしょうか?
水や土地が大津市と比べて格段にいいとは思えません。「京都」というブランドが強く影響していると思います。

この「ブランド」というのは、農作物だけにいえることではなく、観光資源にも当てはめられます。私は大津が好きなので敢えて言いますが、大津はなにかダサいんです。これといった強みがない気がします。
なぜなんだろうか?


かつて私が読んだ本の中に「ブランディング22の法則」 Al Ries (原著), Laura Ries (原著), 片平 秀貴 (翻訳)  というものがあります。



この本の中に、ブランディングで最も大切なことは「フォーカス」であると書かれています。つまり絞り込み。経営・マーケティングで言うところの、4P(プロダクト、プライス、プロモーション、プレイス)分析を行い、競合に比して強みを発揮できるポイントを見つけ、絞込みを行う。つまりフォーカス。「●●ではナンバーワン」というものであれば、それはブランディングになります。

しかし、大津市には大きな阻害要因があると私は思っています。それは「広い」ということです。私が住んでいる湖西地域だけではなく、市南部(大石・南郷)、市東部(瀬田)もあります。つまりフォーカスがしづらい。

大津市の特産品はなんでしょうか?
堅田には堅田の特産品はあります。おごとにはおごとの特産品が、坂本には坂本の特産品が、大津町には大津町の特産品が、石山には石山の、瀬田には瀬田の特産品があります。いろいろと特産品があるのですが、大津を代表する特産品というのは見つけづらいと私は思います。一つ一つの特産品は非常においしいし、価値がある、魅力があると思うのですが、それぞれが価値を主張することによって「大津の特産品」として絞込みができないのではないかと思います。

これは大津市の成り立ちが影響しているはずです。
大津市の歴史(大津市ホームページにリンクしています)

最初は「旧大津市」だけだったものが、滋賀村、膳所村、石山村、雄琴村、堅田町、瀬田町などを合併して市域を広げることにより、成り立っています。
それぞれの地域の良さを活かそうとするあまり、大津市としての魅力が分散してしまい、ブランド価値が見出せにくくなっているのではないでしょうか。


大津市が農産物のブランド化、観光資源のブランド化を進めるためには、各地域がバラバラにブランディングや振興策を練るのではなく、やはり大津市としての「統合」が絶対に必要だと思います。「大津市としてどうしていくのか」。その前提によるフォーカスでブランディングができるはずです。

言うは易し、です。これはなかなか難しいと思います。
ですが、今後国際化が否応なく進む経済では、魅力を見出せない地域は埋没していくのは必至です。否応なくブランディングをしなければ生き残ることはできません。

少し大津から範囲が広がりますが、いまの滋賀県は先の日経リサーチのブランド調査でも明白となりましたがブランド力が低い。(47都道府県中36位の地域ブランド力。関西では最下位)
人口は増えていますが、ブランド力が高いため人口が増えているのではなく、私にはある意味100均に人が集まるように「生活するのが安い」ため、流入人口が増えているではないかと思うのです。
京都や大阪に比べ確かに土地も安いし、交通網の整備によって京都、大阪へのアクセスが格段によくなりました。しかし京都、大阪の土地の値段が下がることが確実な人口減少社会のこれから、「安い」というだけで人は集まりません。もっと安いところができればそちらに人は流れていきます。100均の横に99円ショップができればどちらに人は集まるでしょうか。
このままの滋賀県、大津市ならば早晩ダメになってしまうと感じます。


農業委員選挙で地域ブランドについて考えてみました。長文になりました・・・。

ぜひ大津をみんなで元気な町にしていきましょう。



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