龍谷大学瀬田キャンパスへの行政視察。

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おはようございます!
滋賀県の大津市議会議員、藤井哲也 です。

「滋賀」の名称の発祥は、「砂賀」とも言われ、すなわち、砂や石が多い港があった処だと私としては理解しています。そのためか、唯一びわ湖から流れ出る河川である「瀬田川」の隣には「石山」という土地があり、こちらはご存知の方も多いと思いますが、石の上に建っているお寺「石山寺」があります。
古くから、唯一びわ湖から流れ出る瀬田川をめぐっては、紛争が絶えず、「瀬田の唐橋を治めたものが天下を取る」とも言われ、平安時代から江戸・昭和時代まで交通の要衝でありました。

その瀬田の地に、24年前にオープンしたのが、373年前に創立された龍谷大学の瀬田キャンパスです。
そしてその龍谷大学は本年、大学ブランドのリニューアルをされて、ますます一層、人間を育てるため、教育に取り組まれています。


(龍谷大学の新ブランドについてはこちら



昨日は龍谷大学瀬田キャンパスへ行政視察へ行って参りました。
視察内容については、

1 大学のインキュベーション施設の状況と起業支援施策において行政に求めること
2 学生のインターンシップおよび就職支援で行政に求めること
3 地域アクセスで行政や公共交通事業者に求めること
4 2015年開設予定の農学部の概要と課題、そして行政に求めること


以上について、お伺いいたしました。


以下、簡単にサマリを記載したいと思います。


1 大学のインキュベーション施設の状況と起業支援施策において行政に求めること

 大学にはベンチャー企業を創出するためのラボラトリー(実験室)を持っておられます。大津市も一部補助金を支給して支援しています。
 現在、20室のうち12室、ベンチャー企業が入っておられるとのことで、そのうち「有限会社星和デンタル」(岡野仁夫社長)と「トランスブート株式会社」(田中允也社長)の部屋に入らせて頂き、経営者の方とお話をさせていただきました。

 私も10年前から会社経営してきて、同じ経営者の方の気持ちは痛いほどわかります。両企業様とも優れた技術、知識、経験を持っておられ、十分にベンチャーキャピタルが入ってもおかしくない事業をされていますが、起業草創期にあり、ある一定のステージにあがるまでの段階であります。正直この時期は、資金調達に困ることが多く、両企業様からも様々な課題を共有させていただきました。
 大津市や滋賀県に期待されていることとしては、企業の信頼を高めて頂くことや、資金調達の支援、販路開拓などもありましたが、大津市においては「補助金を受ける条件に、大津市内での本社設置」があるが、実際のところ、なかなか良い立地条件がないという声でした。大津市として、起業家を支援していく気持ちがあるならば、せめて本社や工場の立地について情報を提供したり、相談体制を構築するなど必要ではないかと感じた次第です。


2 学生のインターンシップおよび就職支援で行政に求めること

 3種類のインターンシップをされています。1つ目は普通のインターンシップ事業、2つ目は理工系の海外インターンシップ事業、そして3つ目は「大津エンパワねっと」という社会学部生のみのインターンシップ事業です。
 いずれにおいても、販路開拓の難しさを課題としてとらえられていました。
 大津にも中小企業や大手企業がたくさんありますが、そうした企業がインターンシップを受け入れてもらうよう、産学公の連携が必要であり、行司役の行政(大津市役所)には、学生の就職支援、そして将来の失業対策の観点からもインターンシップについてさらに龍谷大学と連携を深めていくべきだと感じました。
 まずなによりも大学の設置自治体である、大津市が龍谷大学のインターンシップを受け入れていないことに驚きました。
 産学公連携をうたうならば、せめて大津市もインターンシップを受け入れるべきです。


3 地域アクセスで行政や公共交通事業者に求めること

 瀬田駅前は朝の通勤時に非常に込み合います。私も通っていた東大津高校がありますし、そのほか龍谷大学の3学部、そして滋賀医科大学もあります。そのほか工場も多くあります。近々、調理パン、米飯、惣菜などの製造販売をするサンデリカの大きな工場が建つということでさらに駅前の混雑が予想されます。
 瀬田駅前の整備については、私が議員になった昨年4月以降も地元出身議員が中心となって、議会でも取り上げられていたりします。私も高校時代の利用者の一人としてあの混雑はなんとかしてほしいと常々思ってきました。
 大学からは、瀬田駅前の整備に加えて、新快速の停車駅にしてもらいたいというお話も伺いました。


4 2015年開設予定の農学部の概要と課題、そして行政に求めること


 瀬田キャンパスに2015年に農学部が新設されることになっています。
 全国の私大では7校しか農学部は設置されていないそうで、本件について副学長で常務理事の佐藤教授にお話を伺いました。
 私の政治活動の動機付けは、「若者の雇用対策」であり、大津市で若者の雇用を増やそうと思えば、商業振興や産業振興、観光振興など様々ありますが、一番親和性が高いのが、農業振興だと思っています。
 農業振興といっても、売れないものを作っても仕方がないので、マーケティング志向の農業振興対策の必要性を最近つとに感じます。
 まさに全国で8校目となる私学農学部が設立されるのは、素晴らしいチャンスだと私は考えています。
 いろいろと情報交換をさせていただきましたが、佐藤教授はもともと経営学の権威でありますので、農学部新設におけるコンセプト作りにおいても、「つくる」、「流通する」、「消費する」という3つの農業のキーワードがあるとすれば、「流通する」ということの重要性をお話しされていて、また大学がその分野でできることの難しさについても意見交換をいたしました。
 2015年に新設されるならば、2014年中にはおおよそのことを決定しておく必要があり、来年2013年には動き出すことになります。これは大津市も一緒です。農学部新設となれば、様々な事業が付属し、逆に可能性も広がります。大津市はこの事業を他市に振るのではなく、主体的に受け止め、連携して取り組む必要性がある感じます。そのためには恐らく予算措置も必要となってきます。
 当初予算を決定する今の時期、そうしたことも踏まえて来年度予算を編成しようとしているのか、少し気になるところでありますが、本件に関しては議会でも取り上げようと考えています。


以上、簡単ではありますが、昨日の行政視察の報告となります。
龍谷大学もブランドコンセプトをリニューアルされました。
自治体においても、ブランドコンセプトを変更しても良いのではないかと思います。
大津市のブランドカラーは?大津市のロゴマークは今のままでいいのか?大津市のブランドスローガン、キャッチコピーは?






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