越 市長の「コンプライアンス(法令順守)」への意識を問う。

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こんにちは!
滋賀県の大津市議会議員 藤井哲也(みんなの党) です。

明日から、大津市議会では、「予算特別委員会」というものが開催されます。
議員の仕事は、主に3点あると思っています。
① 条例制定&条例案審議
② 市政監視(民意が反映されているか)
③ 情報公開
いずれも、生活者の視点が、市政に組み入れられているかが、共通テーマとしてとらえています。

明日からは市提案の来年度の予算案についてきっちりと審議していきます。
先日も ある方とお話をしていましたが、本当にお金に困っている人の「一万円の価値」は果てしなく大きいと思います。貧しくて10年間下着を買うお金もない人もいます。予算書は「千円単位」で書かれていますが、私はやはり違和感を持ちます。「千円の価値」はそんなに安いモノではありません。端数として切られている三ケタの数字の中で、どれだけ多くの方が苦しい生活を送っているのでしょうか。
そうしたことを胸に生活者、市民の立場に立ち返り、予算特別委員会に臨みます。



さて、本題です。
昨日も市長の行財政改革への覚悟について記載しましたが、本日は「市長のコンプライアンス意識」についてです。

市長は議会開会直前の2月15日に、新しいポスト「政策統括監」を設け、総務省出身で元滋賀県の商工観光労働部長をしていた笠松拓史を起用しました。
「政策統括監」は部長級(9級)にあたり、年間給与は諸手当を含め1000万円を下回らないポストです。社会保障費などを含めればもっと多くの税金が使われることになります。
ただ、費用対効果の面からみて、効果の方が高いならば、新設する意味はあるでしょうし、創設については市長に権限がありますので市長の責任において それ自体には なんら問題はありません。


今議会の一般質問で、私は「幹部人事」について質問をしました。
何点か質問をさせていただいたのですが、その中のひとつに笠松氏の資質について市長の見解を問うものを含めました。今回 政策統括監に起用された笠松氏は、滋賀県の部長をしていたときに、嘉田県政と知事選挙にとって不利となる新聞を、その新聞のインタビューを受けたS社(滋賀県が優越的地位にある)の社長に発行をさしとめさせるよう画策した事案があった ためです。

行政にとって不利な記事だからといって、報道に関係者を通じて介入しようとする姿勢は、どうなのでしょうか?
私は、市民感覚というか、あくまで自分なりの生活者感覚からすれば これはアウトな案件 じゃないかと感じましたので、一般質問で、市長に質問を行いました。
なにより、大津市民にとっては、行政に不都合な報道が隠蔽されてしまうかもしれないと思ってしまいます。

こうした、新聞の発行差し止めを画策した人物を、政策統括監に起用したことに、コンプライアンス上の問題はないか?と聞いたのですが、越直美市長の回答は、「問題ない」とのことでありました。

今回の質問の趣旨は、「市長のコンプライアンス意識」がどの程度なのかを問うたものです。


関係者が多く複雑でナイーブな話になるので、笠松氏の過去の事案について詳説は避けますが、概要のみ説明しますと、S社は滋賀県の支援がなければ存在しないし継続もできない会社であったと推察されます。しかし、県幹部の不祥事などもあって県とS社の関係は悪化し、その件に関してS社社長が新聞社から取材を受け、その取材をもとに書かれた滋賀県にとって、嘉田知事の選挙にとって不利となる新聞の発行をさしとめようと画策したものです。
それは笠松氏自身が、「新聞社に(発行を)止めてくれというのは、言論統制になるのかと思い、S社社長から新聞社に、今後のS事業に影響を与えるので、なんとかならないかとの進言をしてほしいとお願いした」(※新聞社記事から引用) と述べていることから、その意図は明白だと思います。
また、嘉田知事はこの件について笠松氏が独断でやった(本当かどうかはわかりませんが)と、述べていることから やはり表面だけを敢えて見ると、笠松氏が独断で報道に対して、発行を止めようと画策したこととなります。


越市長は、答弁の中で 笠松氏と出会った経緯や人選については、複数の方らから紹介・推薦されたという主旨のことを発言され、資質面でも問題ないとのことでしたので、当然 こうした事案についてもご存じだったと思います。
それにもかかわらず、起用しようとしたのは、「清濁併せ持つのがよい」と判断されたのか、または「これくらいなら問題ない」と思われたのか、わかりませんが、いずれにぜよ「問題ない」とのことでした。
これが市長のコンプライアンス意識なのかなと感じます。

弁護士として活動をしてこられ、市長選挙や市長就任後もコンプライアンスを徹底していくことを言明されていながら、現在の市の実質ナンバー2のポストに、このような方を抜擢するのは、私はおかしいと感じます。

もし本当に越市長がこうした事実を知りながら、「問題ない」として、起用したのだとしたら、そのコンプライアンス意識というか、規範意識をかなり疑います。


ちなみにそうしたことは抜きに 笠松氏は人柄は普通だと思います。フツーに接しているうちには何も問題に感じるところはありませんし、確かにクレバーだなと感じます。(市職員の評価は真っ二つのようですが)
そうした印象から、東大卒業、国家1種の素晴らしいキャリアを棒にふる恐れがあるにも関わらず、自らの積極的な意思で行政圧力をかけようとしたことはなかなか想像できません。
まあ どちらにせよ私としては あってはならないことをした方 だと思っています。


ところで、本日夜は、山崎豊子氏原作の「運命の人」ですね。
このドラマは面白いのでほぼ毎回見ています。外務省機密漏えい事件(沖縄返還密約事件)を取り扱うものです。



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